

高岡智則
年齢:33歳 性別:男性 職業:Webディレクター(兼ライティング・SNS運用担当) 居住地:東京都杉並区・永福町の1LDKマンション 出身地:神奈川県川崎市 身長:176cm 体系:細身〜普通(最近ちょっとお腹が気になる) 血液型:A型 誕生日:1992年11月20日 最終学歴:明治大学・情報コミュニケーション学部卒 通勤:京王井の頭線で渋谷まで(通勤20分) 家族構成:一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹 恋愛事情:独身。彼女は2年いない(本人は「忙しいだけ」と言い張る)
フラグメントイオンとは
フラグメントイオンとは、物質をイオン化したときに分子が分解してできる小さなイオンのことを指します。質量分析という装置でよく見られる現象で、分析対象の分子がエネルギーを受けて分解されると、断片となるイオンが発生します。この断片イオンをフラグメントイオンと呼び、各断片の質量と相対強度を測定して、もとの分子の構造や組成を推測します。
なぜフラグメントイオンが重要なのかというと、分子の具体的な情報を得る手がかりになるからです。たとえば薬の成分や食品の成分、環境中の化学物質など、複雑な分子はそのままでは識別が難しいですが、分解して生じる断片の組み合わせを見れば、どんな分子だったのかを推定できます。
どうして起こるのか
イオン化のときには、分子がエネルギーを受け取り、結合が切れることがあります。これを断片化と呼ぶこともあります。フラグメントイオンが起こると、元の分子から複数の小さなイオンが現れ、それぞれが独立して質量分析計を通り抜けます。断片イオンは質量と電荷数を組み合わせた指標である「m/z」で表され、同じ分子からは複数の断片が現れます。
専門的には、二段階質量分析法(MS/MS あるいは tandem MS)と呼ばれる方法で、断片イオンの情報を詳しく観察します。ここで得られるピークの位置と強さは、元の分子の特徴を読み解く重要な手掛かりになります。
実際の利用例
生体試料や食品サンプルの成分分析では、フラグメントイオンを手掛かりに成分を特定します。例えば薬剤の分析では、特定の断片イオンの存在を確認することで、薬剤の同定や純度の評価が可能です。また、法科学の現場では、断片イオンの組み合わせを用いて物質の同定を行うこともあります。
教育の場面でも、フラグメントイオンの考え方は、化学の抽象的な概念を具体的なデータとして扱う練習になります。中高生が質量分析の話題に触れるときには、まず「断片イオン」という言葉と、その意味するところをイメージでつかむと理解が進みやすいです。
測定と解釈のポイント
データを読み解くコツは、断片の相対強度と出現パターンをよく見ることです。相対強度は、ある断片が他よりどれだけ現れやすいかを示します。出現パターンは、特定の分子に対してよく現れる断片の組み合わせを表します。これらを組み合わせて、元の分子の特徴を推測します。
まとめ
フラグメントイオンは、質量分析で分子が分解して生まれる断片イオンのことです。断片イオンの質量と強度の情報から、元の分子の構造や組成を推定できます。中学生でも覚えたいポイントは以下の三つです。
・フラグメントイオンは、元の分子が分解してできる断片のこと
・m/zという指標で断片の質量と電荷を表す
・断片の組み合わせを手がかりに分子を特定する
フラグメントイオンの同意語
- フラグメントイオン
- 質量分析において、分子イオンが衝突解離などの過程で断片化して生じるイオン。観測対象となる断片のイオンで、分析の基本的な語として最も一般的に用いられます。
- 断片イオン
- フラグメントイオンと同義。分子が断片化してできたイオンのこと。
- 分子断片イオン
- 分子が断片化して生じるイオンの別表現です。
- 断片生成物イオン
- 断片化して得られた生成物のイオンのこと。Fragment ion の別表現として使われます。
- 生成イオン
- 生成物イオンとも呼ばれる、衝突解離の結果として生じるイオンの総称。
- 生成物イオン
- 分子が断片化して生じた生成物のイオン。Fragment ion の別表現です。
- 分解産物イオン
- 分解の産物として生じるイオンのこと。Fragment ion の別表現として用いられることがあります。
- 産物イオン
- 生成物イオンと同義。断片化の結果として現れるイオンを指す語です。
- 子イオン
- MS/MS での『daughter ion』の和訳として使われることがあります。文脈により意味が異なる場合があるので、同義として使う際は注意してください。
フラグメントイオンの対義語・反対語
- 分子イオン
- フラグメントイオンの対義語として、結合が解かれていない元の分子がそのまま荷電したイオン。一般にはM+(分子イオン)と呼ばれる。
- 母イオン
- フラグメントが生じる前の元の分子が帯電したイオン。分子イオンとほぼ同義で使われることが多く、対義語として用いられる。
- 親イオン
- フラグメントが起きる前の“元のイオン”を指す言い方の一つ。分子イオン・母イオンと同義で使われることがあり、対義語として使われることがある。
フラグメントイオンの共起語
- 質量分析
- イオン化された試料を質量と電荷の比(m/z)で測定し、成分を特定する分析法の総称。
- 質量スペクトル
- 質量分析の結果として得られるグラフやデータ。横軸は m/z、縦軸はイオン強度。
- LC-MS
- 液体クロマトグラフィーと質量分析を組み合わせた分析法。混合物を分離しつつ成分ごとに質量情報を取得できる。
- MS/MS
- タンデム質量分析のこと。特定のイオンを選択して解離させ、生成イオンを観測することで構造情報を得る手法。
- タンデム質量分析
- MS/MSの別称。1段階以上の質量分析を連結して行う方法。
- ESI
- エレクトロスプレーイオン化の略。液体中の分子をイオン化する代表的な手法。
- エレクトロスプレーイオン化
- ESIの日本語表記。液体から分子をイオン化する方法。
- MALDI
- マトリックス支援レーザー解離イオン化の略。固体基質とレーザーを用いて分子をイオン化する手法。
- マトリックス支援レーザー解離
- MALDIの日本語表記。特定の基質を用いて分子をイオン化する方法。
- 衝突誘起解離
- イオンを他の分子と衝突させ、エネルギーを与えて解離させる過程。
- CID
- Collision-Induced Dissociation の略。衝突誘起解離のこと。
- 衝突能量
- CIDで用いるエネルギーの設定。高いほど大きな断片が生じやすい。
- 生成イオン
- 解離後に生じるイオンの総称。フラグメントイオンや分子イオンを含むこともある。
- プロダクトイオン
- 解離後に得られる生成イオン。MS/MSで観測される主要なイオンの一つ。
- フラグメントイオン
- 分子イオンが解離してできる小さなイオン。スペクトルの主なピークの多くを占める。
- 分子イオン
- 分子から電子が取り除かれてできる基本的なイオン。質量分析の基準となることが多い。
- m/z
- 質量対電荷比の表記。スペクトル上のピーク位置を示す横軸の単位。
- 同位体ピーク
- 同位体原子の存在によって生じる、分子イオンの隣接ピーク。
- 同位体分布
- 同位体の自然比率からピーク強度の分布を説明する概略。
- 分解パターン
- フラグメント化の傾向。物質の構造を推測する手掛かりになる。
フラグメントイオンの関連用語
- フラグメントイオン
- 断片化によってできたイオン。母イオンが分解して得られる、MS/MSスペクトルで観測されるイオン。
- 母イオン
- 分解される前のイオン。MS1で検出され、MS/MSで分解対象となる。
- bイオン
- ペプチドのN末端側から生じる断片イオン。N末端を保持。
- yイオン
- ペプチドのC末端側から生じる断片イオン。C末端を保持。
- cイオン
- ETD/ECD 系で得られるN末端側断片イオン。
- zイオン
- ETD/ECD 系で得られるC末端側断片イオン。
- aイオン
- bイオンからCOを失って生じる断片イオン。
- イオン系列
- 同じ分解規則に従って現れる断片イオンの系列(例: b系列、y系列)。
- MS/MS
- タンデム質量分析。母イオンを分解し、生成された断片を再度質量分析する手法。
- MS1
- 一次質量分析。母イオンの質量と電荷を測定する段階。
- CID
- Collision-Induced Dissociation。衝突ガスと衝突させて断片化する手法。
- HCD
- Higher-energy Collisional Dissociation。より高エネルギーでのCID。
- ETD
- Electron Transfer Dissociation。電子を移動させて分解する手法。
- ECD
- Electron Capture Dissociation。電子を捕獲して分解する手法。
- ETciD
- ETDとCIDを組み合わせた実験法(両方の特性を活かす)。
- MALDI
- Matrix-Assisted Laser Desorption/Ionization。固体基質でのイオン化法。
- ESI
- Electrospray Ionization。液体からイオン化する方法。
- m/z
- 質量対電荷比。スペクトルの横軸となる指標。
- ピーク
- スペクトル上の山。特定イオンを表す指標で、強度は検出信号の大きさ。
- 同位体ピーク
- 同位体の存在によって現れる分布ピーク。
- 相対強度
- 各ピークの強さの相対的な値。100を基準に比較されることが多い。
- TOF
- Time-of-Flight。質量分析計の一種で、飛行時間から質量を推定。
- Orbitrap
- Orbitrap質量分析計。高精度な質量測定を実現。
- データベース検索
- 測定スペクトルを既知データベースと照合して同定する手法。
- de novo sequencing
- データベースを使わず、スペクトルからペプチド配列を推定する方法。
- FDR
- False Discovery Rate。誤同定の割合を統計的に評価する指標。
- SILAC
- Stable Isotope Labeling by/for Amino acids in Cell culture。定量用の同位体ラベリング法。
- TMT
- Tandem Mass Tag。定量用の同位体ラベリング法。
- iTRAQ
- Isobaric Tags for Relative and Absolute Quantitation。定量用のラベリング法。
- RT
- Retention Time。液体クロマトグラフィーで化合物が保持される時間。
- 同位体分布
- 質量スペクトルで現れる同位体の分布パターン。



















