

高岡智則
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示差走査熱量測定とは?
示差走査熱量測定(DSC)は、材料の熱的性質を調べる分析手法です。試料の熱エネルギーのやり取りを、参照と比較しながら温度の関数として測定します。
この装置は、試料と参照を並べて同じ条件で加熱・冷却します。温度を一定の速さで変化させ、両方の熱流量の差を検出します。熱が吸収されると上向きのピーク、放出されると下向きのピークとしてグラフに現れます。
測定の原理
試料と参照はほぼ同じ体積・同じ容器で保持され、同じヒーターにより温度を変化させます。熱流量の差を測定し、温度の関数としてグラフ化します。これにより、材料が転移したり融解したりする時のエネルギーの出入りを読み取れます。
代表的な用語
Tg(ガラス転移温度)は高分子でよく出る現象で、材料の硬さが変わる温度を表します。Tm(融解温度)は結晶が融ける温度、Tc(結晶化温度)は結晶が成長する温度、∆Hはそれぞれの現象で吸収・放出されたエンタルピーの量です。
測定の流れと準備
実験の流れはおおむね次の通りです。①試料の乾燥・粉砕、②キャリブレーション(基準の測定)、③適切な試料量のセット(約2〜10 mg程度が目安)、④昇温・降温のレート設定(例: 5〜10 ℃/min)、⑤データの解析です。これらを順番に行い、再現性を高めます。
初心者は、初めはゆっくりとしたレートで測定して、どのピークがどの現象に対応しているかを見つけるのがコツです。試料が水分を多く含んでいるとピークが大きく変化するため、事前の乾燥が重要です。
データの読み方のコツ
グラフの縦軸は「熱流量(W/g)」、横軸は「温度(℃)」です。ピークの位置が Tg/Tm/Tc の目安となり、その高さや面積はエンタルピー変化を表します。表示上の読み取り方は、ピークの位置と面積から材料の状態変化を判断します。
活用と選び方
DSCはポリマーや薬剤の研究開発、材料の設計、品質管理などに使われます。用途に応じて試料の状態、測定条件、レートを設定します。
表で見る特徴と比較
| 項目 | DSC | 他の手法の例 |
|---|---|---|
| 測定内容 | 熱流量の温度依存 | 熱重量・分解温度など |
| 代表的な測定物 | Tg、Tm、Tc、∆H | 条件により異なる |
| 試料量 | 小サンプル(数 mg程度) | 手法による |
よくある質問と対策
Q: DSCは安全ですか? A: 基本的には安全ですが、高温下での測定になるため適切な取扱いと装置の使用手順を守りましょう。
まとめ
示差走査熱量測定は、材料の熱挙動を簡単に可視化できる強力なツールです。初心者は基本の操作とデータの読み方を確実に押さえ、段階的に難易度を上げていくと良いでしょう。DSCを使いこなせれば、材料選びや製品設計が大きく前進します。
示差走査熱量測定の同意語
- 示差走査熱量測定法
- 物質の熱挙動を、試料と参照の熱流の差を測定する熱分析法。温度を一定速度で変化させるプログラムに従って、融解点・結晶化点・玻璃転移温度などを評価します。
- 差示走査熱量測定
- 示差走査熱量測定と同義の表現。読み方の違いを使い分ける場面で用いられますが、意味は同じです。
- 示差走査熱量分析
- 示差走査熱量測定と同義の表現。分析という語を使い、データの解釈・熱特性の分析を強調します。
- 差示走査熱量分析
- 差示走査熱量測定と同義の表現。差示という字を用いた表現ですが意味は同じです。
- DSC法
- Differential Scanning Calorimetry の略称を日本語化した呼称。実験説明や論文の中で広く使われます。
- Differential Scanning Calorimetry
- 英語名。DSCの正式名称で、英語文献や海外資料で用いられます。
- DSC
- DSCの頭文字を取った略称。機器名・データ表記・会議名などで頻繁に使われます。
示差走査熱量測定の対義語・反対語
- 等温熱量測定
- 温度を一定に保ち、時間経過に伴う熱量の変化を測定する方法。DSCが温度をスイープして熱流を観察するのに対して、等温測定は温度を変えずに反応や物質の熱挙動を観察します。
- 恒温熱量測定
- 温度を一定に保つ手法の別表現。等温測定と同様に、温度変化を伴わず熱流量を観察します。
- 絶対熱量測定
- 差分を前提とせず、系の絶対的な熱量を測定する概念。示差ではなく、単一系の熱量変化を評価するイメージです。
- 非差分熱量測定
- サンプルと参照の熱流の差分を用いず、直接的な熱量の動きを測定する方法を示す語。DSCの『差分』という特性と対照的です。
- 直接熱流測定
- 熱流を直接測定する方法。差分ではなく、サンプルの熱流を直に観察する発想です。
- 走査を使わない熱量測定
- 走査(スキャン)を伴わず、恒温・定常条件で熱量を観察する方式。DSCの走査測定の対極として位置づけます。
- 等温カロリメトリ
- Isothermal calorimetryとも呼ばれ、温度を一定に保ちながら熱量を測定する方法。DSCの温度スイープとは異なる測定モードです。
示差走査熱量測定の共起語
- 熱流量
- 試料と参照セルの間で流れる熱の差を表す指標。DSCで得られる基本データで、温度変化に伴う反応を読み取る要素。
- 融解温度
- 試料が融解を開始・完了する温度域。DSCのエンドその他の峰として現れる重要な温度指標。
- 融解エンタルピー
- 融解に伴うエンタルピー変化 ΔHm のこと。材料の融解潜熱を示す量。
- ガラス転移温度
- 非晶質材料が硬さや粘性を変える転換点となる温度。Cpの変化としてDSCに現れる。
- 結晶化温度
- 結晶化が起こる温度。DSCでは放熱のピークとして観察される指標。
- 基準セル
- 試料セルと対になる参照のセル。熱流量差を測定する際の基準となる要素。
- 試料セル
- 試料を収容するセル。加熱/冷却中の熱流量を測定対象とする部位。
- 温度プログラム
- 測定時の温度変化の設定。開始温度、上昇/下降速度、保持時間などを決定する。
- スキャン速度
- 温度を上下させる速さのこと。単位は °C/min。ピーク形状や検出感度に影響。
- 温度範囲
- 測定する温度の上限と下限。例: 30–300 °C。
- ベースライン
- 背景となる基準熱流量のライン。データ処理で補正対象となる。
- ベースライン補正
- 測定データから背景成分を除去するための補正処理。
- 参照セル
- 基準として機能するセル。試料セルとの対比で熱流量を測定。
- キャリブレーション
- 温度・熱流量の測定精度を正しく保つための校正作業。
- 比熱容量
- 温度変化あたりに材料が蓄える熱の量。Cpとして表される性質。
- エンタルピー変化
- 相変化や反応によって生じるエンタルピーの変化 ΔH の総称。
- 水分含有量
- 試料中の水分の割合。DSCのピークや転移温度に影響を及ぼすことがある。
- 乾燥条件
- 試料前処理としての乾燥条件(温度・時間・環境条件)。
- 実験条件
- 温度、スキャン条件、試料量、雰囲気など、測定に関わる全条件。
- 熱分析
- 材料の熱的変化を解析する分析分野の総称。DSCは代表的な手法の一つ。
- DSC装置
- 示差走査熱量測定を実施する装置そのもの。測定機器全体を指す。
- 再現性
- 同じ条件で測定したときの結果の一貫性・安定性。信頼性の指標。
- 熱安定性
- 材料が高温条件下でどれだけ安定して存在できるかを評価する性質。
- 応用分野
- ポリマー、薬学、食品など、DSCの実用的な利用分野。
- 試料量
- 測定に用いる試料の量(質量)。データのピーク高さや信号に影響。
- ピーク温度
- 融解・結晶化・転移など、ピークが現れる温度。重要な特性温度。
- ピーク形状
- ピークの鋭さ・幅・対称性など、熱イベントの特徴を表す指標。
示差走査熱量測定の関連用語
- 示差走査熱量測定
- 試料と参照セルの熱流量の差を、温度または時間の関数として測定する熱分析法。主に物質の相変化・融解・結晶化・熱安定性などの熱イベントを定量化する。
- 熱流量
- 単位時間あたりの熱の流れ量(W)。DSCで直接測定される基本データ。
- 温度プログラム
- 試料を昇温・降温させる際の温度変化を規定する操作計画。
- 昇温速度
- 温度を上昇させる速さ。例: 10 K/min。
- 冷却速度
- 温度を下降させる速さ。
- 試料セル
- 測定対象となる試料を入れるパン状の容器。主にアルミ製パンが用いられる。
- 参照セル
- 比較用の参照パン。空パンまたは同じ材料のパンを使用。
- 基線
- 測定データの基準となる直線・曲線。ベースライン補正の対象。
- 融解
- 固体が液体に変化する相変化。
- 融解潜熱
- 融解時に吸収される潜熱(潜熱の一部)。
- 融点
- 融解が起こる温度、DSCピークの位置(Tmとして表現されることが多い)。
- 結晶化
- 非晶質材料が結晶構造を形成する過程。
- 結晶化潜熱
- 結晶化時に放出される潜熱。
- ガラス転移温度
- 非晶質材料がガラス状態から軟化する転移温度(Tg)。
- 結晶化温度 Tc
- 冷却時の結晶化が開始する温度、またははじめに現れる結晶化の温度域。
- 比熱容量差 Cp差
- サンプルと参照の比熱容量の差。DSCのデータ解釈の基礎となる量。
- 反転熱流
- モジュレーテッドDSCで得られる、温度変調に対して可逆的に応答する熱流成分。
- 非反転熱流
- モジュレーテッドDSCで得られる、非可逆的熱イベントに対応する熱流成分。
- 変調DSC
- 温度を小さく周期的に変えることで、熱応答を可逆成分と非可逆成分に分離するDSC法。
- 等温DSC
- 一定温度に保ち、特定の反応・結晶化を長時間追跡するDSCモード。
- 変調周波数
- モジュレーションの周波数。MDSCで解析精度に影響。
- 活性化エネルギー
- 熱イベントの発生に必要なエネルギーの指標。
- Kissinger法
- 昇温DSCデータを用いて活性化エネルギーを推定する解析法。
- Flynn-Wall-Ozawa法
- 異なる昇温速度のDSCデータから活性化エネルギーを推定する解析法。
- Ozawa法
- FWO法の一部として用いられる評価法の別名。
- 等温結晶化
- 等温条件下での結晶化過程の解析。
- 結晶度
- 材料中の結晶成分の占める割合。
- 分解温度
- 熱分解が始まる温度(DSCと併せて推定されることがある)。
- ベースライン補正
- 基線のずれを補正してデータを正確に解釈する処理。



















