omniorbとは？初心者にも分かる使い方と基礎解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

omniorbとは？

omniorbは、分散アプリケーションを作るときに使われる「ORB」と呼ばれる仕組みの実装のひとつです。ORBは Object Request Broker の略で、別々の場所にいるプログラム同士がまるで同じ場所にいるかのようにやり取りできる窓口の役割を果たします。omniorbはその窓口となるソフトウェアで、遠くのプログラムが別のプログラムの機能を使えるように橋渡しをしてくれます。初心者の方には、omniorbを「遠くの友だちと話すための中継役」としてイメージすると理解しやすいです。

なぜORBが必要なのかを考えると、複数のプログラムがネットワーク越しに協力する場面で一貫したやり取りができるからです。例えば、あるソフトが別のソフトの機能を使いたいとき、直接呼び出すのではなく、ORBを通して呼び出します。これにより、実装言語が違っても、距離が離れていても、通信の仕組みを統一できます。

CORBAと omniORB の基本

omniorbは、CORBAと呼ばれる規格に沿って動く実装の一つです。CORBAは分散オブジェクト通信の標準で、IDLという言語でオブジェクトのインターフェースを定義します。オブジェクトの呼び出しは、クライアント側のスタブとサーバー側のポートアダプター（POA）を介して行われ、IORという識別子を使ってオブジェクトを探します。omniorbはこの一連の流れを実現するためのツールとライブラリを提供します。

ポイントは次の通りです。IDL で定義したインターフェースを基に、クライアントとサーバーの両方のコードを自動生成することが多い点、リモート呼び出しの際にはパケット化・転送・認証といった処理をomniorbが担当してくれる点、そして異なる言語間でも相互運用が可能な点です。

主な特徴と利点

1) 言語横断の相互運用 omniorb は C++ や Python など複数の言語で動作します。異なる言語で書かれた部品同士を同じアプリケーションとして動かすことができます。

2) IDL によるインターフェース定義 クライアントとサーバーが共有する機能の仕様を IDL で定義します。これにより、実装の詳細を変えずに機能の拡張がしやすくなります。

3) POA によるオブジェクト管理 Portable Object Adapter は、サーバー上のオブジェクトの生存時間やスレッド管理などを取り扱います。これにより、複数のクライアントから同じオブジェクトへ安全にアクセスできます。

使い方のイメージ

基本的な流れは以下のとおりです。まず IDL でインターフェースを定義します。次に IDL から各言語のスタブ/スケルトンを生成し、サーバー側とクライアント側の実装を作成します。サーバーを起動すると、IOR（オブジェクト参照）が出てきます。クライアントはこの IOR を使って、リモートオブジェクトの機能を呼び出します。

具体的な導入の流れの例は次の通りです。1 IDL を定義する、2 omniORB のツールでコードを生成する、3 サーバーを起動してオブジェクトの参照を取得する、4 クライアントからその参照を用いて呼び出す、という順です。

導入の流れと基本構成

下記は導入の基本的な図式です。サーバー側には実装したオブジェクトがあり、POA により管理され、クライアント側にはスタブが用意されます。クライアントは IOR を手掛かりにサーバー上のオブジェクトへリクエストを送り、結果を受け取ります。

役割	説明
IDL	インターフェースの定義言語。機能の仕様を記述します。
IOR	オブジェクト参照情報。クライアントがサーバーのオブジェクトを特定する鍵です。
POA	サーバー側のオブジェクト管理。生存期間やポリシーを制御します。
スタブ/スケルトン	クライアントとサーバーのコード生成物。遠隔呼び出しの橋渡しをします。

実用的なポイント

小さなアプリケーションでは、omniorb のセットアップだけで動くことが多いですが、実際にはネットワーク設定やセキュリティ、エラーハンドリングの設計が必要です。OmniORB は軽量で高速な点が魅力ですが、規模が大きくなると設計の設問が増えます。開発初期は小さなインターフェースから段階的に拡張するのが良いでしょう。

初心者向けの学習のコツとしては、まず IDL の基本を理解し、次に簡単なサーバーとクライアントを作ってみることです。公式ドキュメントやチュートリアルを読み進め、試行錯誤を重ねると、ORB の流れが自然に身についていきます。

omniorbの同意語

omniORB: CORBAの実装のひとつで、C++とPython向けの高性能なObject Request Broker(ORB)を提供するミドルウェア。
OmniORB: omniORBの表記ゆれ。正式名称の別表記であり、同じ製品を指します。
ORB: Object Request Brokerの略。分散オブジェクト間のリクエストと応答を仲介する中核ソフトウェア。
Object Request Broker: Object Request Brokerの正式名称。CORBAにおける中心的なミドルウェア機能。
CORBA実装: Common Object Request Broker Architecture（CORBA）規格に準拠した実装の総称。omniORBも含まれます。
CORBAの実装ブランド: CORBAを実現する実装のブランド群の一つ。omniORBは代表的な例です。
分散オブジェクトミドルウェア: 複数の機械上のオブジェクト間通信を仲介するソフトウェアの総称。ORBはこのカテゴリに含まれます。
オブジェクトリクエストブローカ: CORBA用語で、オブジェクト宛てのリクエストを処理・転送する役割を持つソフトウェア。
オムニオーブ表記ゆれ: omniORBの日本語表記や大文字小文字の違いなど、表記の揺れを指す言い回し。

omniorbの対義語・反対語

monoORB: Omni（全て）に対する対義語としての造語。意味は「単一のORB」。複数ノード間の分散処理を前提とせず、1つのORBで完結する設計を指すイメージです。
localORB: 分散処理を前提とせず、局所的に機能するORB。ネットワーク越しのオブジェクト参照を使わず、同一ホスト内で完結するイメージです。
standaloneORB: 他のORBと連携せず、独立して機能するORB。分散協調機能を持たない設計を指します。
limitedORB: 機能・適用範囲が限定されたORB。OmniORB の全機能に対して、特定の用途や制約付きで提供されるORBのイメージです。
minimalORB: 最小限の機能のみを提供するORB。軽量・シンプルを重視する対義語です。
directInvocation: ORBを介さず直接オブジェクトを呼び出す設計。中間ブローカを排除するイメージです。
brokerlessORB: ブローカーを使わない設計のORB。仲介役を排除して、直接参照・呼び出しを行う想定です。
singleHostORB: 単一ホスト内で完結するORB。分散性を前提としない、局所的な実装を示します。

omniorbの共起語

omniORB: CORBA実装の一つで、複数言語対応のORB。クライアントとサーバー間でリモート呼び出しを仲介します。
CORBA: オブジェクト間の相互作用を標準化する分散オブジェクト仕様。omniORBはこの規格に準拠します。
ORB: Object Request Brokerの略。リモートオブジェクト呼び出しの中継役です。
IIOP: Internet Inter-ORB Protocol。ネットワーク越しにORB同士が通信するプロトコル。
GIOP: General Inter-ORB Protocol。IIOPの基盤となる汎用プロトコル。
IDL: Interface Definition Language。オブジェクトのインターフェースとデータ型を定義する言語。
omniidl: omniORB用のIDLコンパイラ。IDLファイルからスタブとスケルトンを生成します。
omniORBpy: Python用のomniORBバインディング。PythonからCORBAオブジェクトを扱えるようにします。
C++: omniORBの主要な言語バインディングの一つ。C++でリモートオブジェクトを操作します。
Python: PythonからCORBAオブジェクトを呼び出すための言語バインディング。
Java: Java向けのCORBAバインディング。Javaからリモートオブジェクトを利用できます。
POA: Portable Object Adapter。オブジェクトの実体管理と呼び出しの受け付けを担当。
CosNaming: Naming Service。オブジェクトを名前で解決して参照を取得します。
CosEvent: Event Service。イベント通知と配布を扱います。
CosTrading: Trading Service。オブジェクトの検索・登録を支援するサービス。
IOR: Interoperable Object Reference。リモートオブジェクトを参照する文字列形式。
OMG: Object Management Group。CORBAなどの標準仕様を策定する組織。
stubs: IDLから生成されるクライアント側コード。呼び出しを仲介します。
skeleton: IDLから生成されるサーバー側コード。実装を受け持つ部分。
bindings: 複数言語間の接続・連携を指す総称。omniORBは多言語対応です。
Linux: Linux環境での実行・開発を想定した導入情報が多い。
Windows: Windows環境での動作・設定情報も提供されます。
LGPL: ライセンス形態。omniORBはLGPLなどの条件で配布されることが多い（詳細はライセンス条項を確認）。
Documentation: 公式ドキュメント。セットアップ手順、APIリファレンス、サンプルが掲載されています。

omniorbの関連用語

omniORB: omniORBは、C++とPythonで利用できる高性能なCORBA（分散オブジェクト）ORBです。IIOP/GIOPの通信、IDLによるインタフェース定義、POAによるオブジェクト管理などをサポートします。
omniORBpy: omniORBのPythonバインディング。PythonからCORBAオブジェクトへアクセスするためのラッパーとAPIを提供します。
CORBA: Common Object Request Broker Architectureの略。分散オブジェクト間の相互作用を標準化するOMGの仕様群の総称です。
ORB: Object Request Brokerの略。クライアントとサーバの間でリモートオブジェクト呼び出しを仲介する中核部です。
IIOP: Internet Inter-ORB Protocolの略。異なるORB間の通信に用いる実装プロトコルです。
GIOP: General Inter-ORB Protocolの略。IIOPの基盤となる共通規格で、複数のI/Oバックエンドを含みます。
OMG: Object Management Groupの略。CORBAなどの標準を策定する業界標準化団体です。
IDL: Interface Definition Languageの略。CORBAオブジェクトのインタフェースを言語非依存で定義する言語です。
omniidl: omniORBのIDLコンパイラ。IDLで定義したインタフェースからC++/Pythonのスタブ・スケルトンを生成します。
POA: Portable Object Adapterの略。オブジェクトの生成・活性化・宛先解決などを管理する現代的なオブジェクトアダプタです。
CosNaming: 命名サービスの標準。オブジェクトを名前で参照・解決する機能を提供します。
Naming Service: CORBAの名寄せ機能全般。CosNamingが代表的な実装です。
Interface Repository: IRの略。オブジェクトのインタフェース情報をランタイムで参照・照会できる仕組みです。
DII: Dynamic Invocation Interfaceの略。スタブを使わずに動的にリモートメソッドを呼び出す仕組みです。
DSI: Dynamic Skeleton Interfaceの略。サーバ側で動的にスケルトンを生成・処理する仕組みです。
CosEventChannel: イベントサービスの代表例。非同期イベント伝達をCORBAオブジェクト間で行います。
CosTrading: オブジェクトの探索・取引を行うTrading Serviceの略。オブジェクトの発見や動的な取引をサポートします。
IOR: Interoperable Object Referenceの略。リモートオブジェクトを一意に識別する参照情報です。
Stub: クライアント側のダミー実装。リモート呼び出しのためのコードの雛形です。
Skeleton: サーバ側の受け口の実装。スタブと対になる概念で、リモート呼び出しを処理します。
Servant: 実際のサーバ実装クラス。オブジェクトの振る舞いを提供します。
RTORB: Real-time CORBAの略。リアルタイム性を高める拡張機能セットです。
CosLifeCycle: Life Cycle Serviceの略。オブジェクトの生成・生存期間・消滅を管理します。
CORBA Security: CORBAのセキュリティ機能全般。認証・暗号化・アクセス制御などを提供します。