bootargsとは？初心者が知っておくべき Linux の起動パラメータ入門共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

bootargsとは？

bootargs は、Linux カーネルへ渡す起動時のパラメータのことを指します。起動時にブートローダーからカーネルへ情報を渡す仕組みで、起動の挙動を細かく制御するために使われます。

具体的には、どのデバイスから起動するか、どのファイルシステムをルートとして使うか、出力の表示方法などを指示します。結論として bootargs はシステムの「出発点」を決める重要な設定です。初心者の人は初めは難しく感じるかもしれませんが、理解のコツは「ブートローダーが kernel に渡す情報の辞書」と考えることです。

bootargs の役割と使われ方

やや専門的には、ブートローダーが起動時に集めた情報を カーネルへ引き渡す仕組みです。よく使われるのは Linux の GRUB や組み込み機器向けの U ブートなどです。これらの bootargs は、起動時の一連の流れの中で カーネルが何をすべきかを指示します。

代表的な bootargs の例と意味

以下に、初心者にもわかりやすい代表例と短い説明を並べます。

root	ルートファイルシステムの場所を指定します。例では root=/dev/sda1 のように書くことが多いです。
ro / rw	ファイルシステムの読み取り専用モードか書き込み可能かを指定します。通常は ro か rw のいずれかを使います。
quiet	起動時の出力を最小限にする設定です。画面をすっきり見せたいときに使います。
splash	起動画像を表示する場合に使います。グラフィックな表示が欲しいときに有効です。
nomodeset	グラフィックモード設定をスキップします。最新のグラフィックドライバの問題を回避するために使われます。
init	起動後に実行する初期プロセスを指定します。例として init=/bin/bash などと書くと特別な環境が起動します。

このような bootargs は、起動時のトラブルシューティングや特定の動作を試すときに役立ちます。実際の運用では、ブートローダーの設定ファイルを編集して bootargs を追加したり変更したりします。初学者は、まず現在の設定をよく確認し、仮想マシンやテスト環境で安全に試すことをおすすめします。

実際の変更の手順のイメージ

実務では、GRUB の設定ファイルや U-Boot の環境設定を編集して bootargs を追加します。例として GRUB の場合は linux という行の末尾に追加しますが、環境によって方法が異なるため、公式ドキュメントや教材を参照してください。重要なのは、変更前に必ず現状をバックアップし、変更後は再起動後の挙動を確認することです。

bootargs を使わないケースと注意点

bootargs の設定は慎重に行うべきです。間違った引数を渡すと起動できなくなることがあります。特に root の指定を間違えるとシステムが起動しなくなる可能性があります。テスト環境で試し、ログを確認することが大切です。

bootargsの同意語

カーネルコマンドライン: カーネルが起動時に受け取るコマンドライン文字列。root=やconsole=などの起動オプションを含み、ハードウェアやデバイスの挙動を指定する。
カーネル起動パラメータ: カーネルを起動する際に渡すパラメータの総称。bootargs の別表現として使われることが多い。
ブートコマンドライン: ブート時にカーネルへ渡すコマンドラインの別名。bootargsと同義で用いられることがある。
起動時引数: 起動時に渡される引数の一般的な表現。カーネルコマンドラインを指すことが多い。
カーネルコマンドライン文字列: カーネルへ渡すコマンドラインを構成する文字列そのもの。複数のパラメータをスペースで区切って並べる形式。
cmdline: Linuxで広く使われる略称。/proc/cmdline に現れる、カーネルコマンドラインの文字列を指す語。
kernel_cmdline: 英語表現。Kernel command line の略で、カーネル起動時のコマンドラインを指す。
ブート引数: ブート時に渡す引数の別名。bootargs の意味を指す場合に使われることがある。
ブートパラメータ: ブート時に指定するパラメータの総称。カーネルの挙動を制御する値を含む。
bootargs変数: ブートローダー（例: U-Boot）などで使用される、カーネル起動時の引数を格納する変数名のこと。

bootargsの対義語・反対語

ランタイム引数: bootargsの対義概念。起動時ではなく、システム実行中に適用・変更される引数。
動的設定: ブート時に固定・静的に設定されるbootargsに対する、実行中に変更できる設定。
実行時設定: 起動時に決まらず、現在の稼働状態で決定・変更する設定。
ユーザー空間パラメータ: カーネルのブート引数とは別に、ユーザー空間のアプリケーションやサービスが扱う設定パラメータ。
静的設定: 起動時にのみ適用され、実行中に変わりにくい性質の設定。
ブート引数なし: ブート時の引数を使わず、デフォルト設定やランタイム設定を利用する状態。
後から適用されるパラメータ: 起動後に変更・適用されるパラメータ。 bootargsとは別の設定経路。

bootargsの共起語

bootargs: Kernel起動時に渡される引数の総称。カーネルの挙動を細かく制御するパラメータの集合です。
kernelコマンドライン: bootargsと同義の表現。カーネルへ渡されるコマンドラインを指します。
root=: 起動時にマウントするルートファイルシステムのデバイスやパスを指定します。例: root=/dev/mmcblk0p2, root=PARTUUID=...
rootwait: ルートデバイスが利用可能になるまで起動を待機します。デバイスが遅れて認識される環境で有用です。
rootdelay: rootデバイス検出前に待機する秒数を設定します。例: rootdelay=2
rootfstype: ルートファイルシステムの種類を指定します。例: rootfstype=ext4
console=: カーネルが出力するメッセージの出力先を指定します。例: console=ttyS0,115200
mem=: 利用可能メモリの上限を設定します。例: mem=512M
maxcpus: 起動時に使用するCPUの最大数を制限します。例: maxcpus=2
quiet: 起動時のログ出力を抑制します。出力を減らすことで起動時間を短縮することもあります。
splash: 起動中にスプラッシュ画面を表示します（グラフィカル起動の設定）。
ro: ルートファイルシステムを読み取り専用でマウントします。
rw: ルートファイルシステムを読み書き可能でマウントします。
initrd: 初期RAMディスクのファイル名やパスを指定します。古い形式の bootargs です。
initramfs: initramfs の使用を指示します。initrd と同等の役割を持ちます。
init: 起動後に実行される初期プロセスを指定します（通常は /sbin/init）。
earlyprintk: 起動初期段階の早期ログ出力を有効にします。
loglevel: カーネルログの出力レベルを設定します。0〜7など。
nomodeset: グラフィックモード設定を起動時に無効化します。グラフィックドライバの問題回避に使われます。
acpi: ACPIの有効/無効を設定します。例: acpi=off
fdtfile: 使用するDevice Tree Blobのファイル名を指定します。主にARM等で使われます。
fdt_addr_r: Device Tree BlobをロードするRAMアドレスを指定します。ARM などで必要です。
video=: ビデオ出力の設定を指定します。例: video=HDMI-1:1920x1080@60
dtb: Device Tree Blobの指定に関する情報。boot時にデバイスツリーを読み込む際に使われます。

bootargsの関連用語

bootargs: Linuxカーネルに渡す起動時のコマンドライン文字列。rootやデバイス、デバッグ設定などのパラメータが並ぶ。
kernelコマンドライン: カーネルが起動時に解釈するパラメータ群。root=、console=、init= などが含まれる。
cmdline: bootargsと同義で使われる表現。kernel に渡す文字列のこと。
ブートローダー: 初期ハードウェアの初期化とOS起動を管理するソフトウェア。UEFI/BIOSやU-Boot、coreboot など。
U-Boot: ARMなどで代表的なオープンソースのブートローダー。bootargsを環境変数として設定することが多い。
initrd: 初期RAMディスク。カーネル起動時に仮想的なルートとして使われる小さなファイルシステムイメージ。
initramfs: initrdの現代版。圧縮されたRAMディスクとしてカーネルに渡され、初期処理を支援します。
ramdisk: RAM上に展開されるディスクイメージ。initramfs/initrd の目的と似ています。
root=: カーネルが使用するルートファイルシステムの場所を指定します（例: /dev/mmcblk0p2、UUID=...）。
rootwait: rootデバイスが利用可能になるまで起動を待つオプション。
rootfstype: root ディスクのファイルシステム種別を指定します（ext4, btrfs, f2fs など）。
console: カーネルの出力先デバイス。シリアルコンソールやコンソールデバイスを指定します。
init: 起動時に実行される初期プロセスを指定します（例: /sbin/init, systemd）。
quiet: 起動時のカーネル出力を抑制します。
splash: 起動時のスプラッシュ画面を表示します（GUI風の起動画面を有効化する場合が多い）。
mem: 利用可能メモリ量を制限・指定します（例: mem=1024M）。
crashkernel: クラッシュ時のダンプ用に予約するメモリ領域を指定します。
earlyprintk: 起動初期の早期ログを有効化するデバッグ用設定。
fdtfile: Device Tree Blob のファイル名を指定します。ARM 系でハードウェア情報を伝えます。
デバイスツリー: デバイスツリーは機器の構成情報を木構造で表現するデータ。カーネルにハードウェアの情報を伝えます。
fdt_addr: Device Tree Blob のメモリアドレスを bootargs で指定します。
Android_boot_image: Android の boot.img の中には kernel、ramdisk、bootargs が含まれ、kernel へ渡されるコマンドラインも含まれます。
cmdline.txt: Raspberry Pi などで /boot/cmdline.txt に kernel コマンドラインを記述します。