

高岡智則
年齢:33歳 性別:男性 職業:Webディレクター(兼ライティング・SNS運用担当) 居住地:東京都杉並区・永福町の1LDKマンション 出身地:神奈川県川崎市 身長:176cm 体系:細身〜普通(最近ちょっとお腹が気になる) 血液型:A型 誕生日:1992年11月20日 最終学歴:明治大学・情報コミュニケーション学部卒 通勤:京王井の頭線で渋谷まで(通勤20分) 家族構成:一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹 恋愛事情:独身。彼女は2年いない(本人は「忙しいだけ」と言い張る)
netcdf とは?
netcdf とは、科学データを格納するための標準的なデータ形式です。主に気象・海洋・地球科学の分野で広く使われ、観測データやシミュレーションの結果を効率よく保存するための仕組みを提供します。
自己記述性とは、データ本体に「何が入っているか」が説明情報として含まれることです。netcdf では変数名、次元、単位、測定方法といったメタデータをファイル内に格納するため、ファイルを開くだけでデータの意味を理解できます。
可搬性は、異なる機材や異なるオペレーティングシステム間でもデータの互換性が保たれる点です。netcdf は長年にわたり研究機関で標準として使われてきたため、多くのツールが netcdf の読み書きをサポートしています。
データモデルは「次元(例:時間・緯度・経度)」「変数(例:温度・湿度)」「属性(例:単位・説明)」の三つが基本です。次元があれば変数をその上に配置してデータを格納します。以下の表は典型的なデータ構造の例です。
| 要素 | 次元 |
|---|---|
| 要素 | 変数 |
| 要素 | 属性 |
そして netcdf には大きく二つの系統があります。netcdf-classicは従来の形式で、ファイルの互換性と扱いやすさを重視します。netcdf-4は新しい形式で、HDF5という高機能なデータモデルを使い、圧縮やチャンク化といった大規模データの最適化を可能にします。必要に応じて netcdf-4 を選択すると良いでしょう。
使い方のイメージ
netcdf のデータを操作するには専用のライブラリを使います。C や Fortran の公式ライブラリ(netcdf-c、netcdf-fortran)だけでなく、Python の netcdf4 パッケージや xarray といった高レベルツールを用いると、データの読み書きがぐんと楽になります。以下は「ファイルを開く → 変数を選ぶ → データを読む/書く → ファイルを閉じる」という基本的な流れの一例です。
| 基本的な流れ | ファイルを開く、変数を選ぶ、データを読む/書く、ファイルを閉じる |
|---|---|
| 主な用途 | 気温・降水量・海面高度などの科学データの格納・共有 |
| 学習のコツ | 公式ドキュメントと小さなサンプルから始める |
netcdf の最大の利点は、データの自己記述性と長期保存の安定性です。例えば、あるデータセットには時間・緯度・経度といった次元、単位、測定方法などの情報がファイル内のメタデータとして含まれ、別の研究者がデータを再利用する際にも意味が失われません。
この記事は初心者向けに基本概念と使い方の流れを丁寧に解説しています。もし「どう始めればよいか分からない」と感じたら、公式ドキュメントを手がかりに、まずは小さなデータを読み書きするところから始めてみましょう。
netcdfの同意語
- NetCDF
- ネットCDF(Network Common Data Form)という、多次元データを1つのファイルに格納できるデータ形式。地球科学の研究データで広く使われ、データと属性を一体で管理します。
- NetCDF形式
- NetCDFデータ形式の別表現。ファイル拡張子は通常 .nc で、データとメタデータを同一ファイルにまとめて保存します。
- NetCDFデータ形式
- NetCDFを指すデータ形式そのもの。多次元配列と属性を組み合わせ、異なるソフトウェア間での互換性を高めています。
- NetCDFファイル
- NetCDF形式で保存された実ファイルの総称。データと属性を1つのファイルに含みます。
- NetCDFクラシック形式
- 従来のNetCDF-3クラシック形式。HDF5を使わず、後方互換性を重視した仕様です。
- NetCDF-3
- NetCDFの第3世代。クラシック形式として広く利用され、基本的なデータモデルを提供します。
- NetCDF-3クラシック形式
- NetCDF-3のクラシック形式の別名。まだHDF5非使用の構造です。
- NetCDF-4
- NetCDFの新しいフォーマット。HDF5をバックエンドに使い、データの大規模化や機能拡張を実現します。
- NetCDF-4/HDF5
- NetCDF-4の実装形態のひとつで、HDF5をバックエンドとして動作します。
- HDF5ベースのNetCDF
- NetCDF-4がHDF5を基盤として動作することを指す表現。大規模データの取り扱いに適しています。
- NCファイル
- .nc拡張子のNetCDFファイルを指す略称。日常的に用いられる呼称です。
- Unidata NetCDF
- NetCDFやそのソフトウェアを開発・提供しているUnidata組織に由来する総称。
- CF準拠NetCDFファイル
- CF(Climate and Forecast)規約に準拠したNetCDFファイル。データの意味づけが統一されます。
- netCDFライブラリ
- NetCDFファイルを読み書きするためのソフトウェアライブラリ。C、Fortran、Pythonなど多言語対応です。
- netCDF4-python
- PythonからNetCDFファイルを操作する代表的なライブラリのひとつ。
netcdfの対義語・反対語
- テキストファイル
- 人間が読みやすいプレーンテキスト形式のデータファイル。NetCDFのような自己記述の多次元データモデルとは異なり、メタデータの表現が限定的で、読み取り・解釈がアプリ側の工夫に依存することが多い。
- CSVファイル
- カンマ区切りの表形式データファイル。多次元配列の情報を直接持たず、メタデータも限定的な点がNetCDFと対照的。
- TSVファイル
- タブ区切りの表形式データファイル。CSVと同様に多次元情報を直接表現せず、メタデータが少ない点がNetCDFの特徴と反対。
- JSONファイル
- テキストベースの階層データ表現。可読性は高いが、NetCDFのような多次元配列の効率的格納には向かない場合が多い。
- XMLファイル
- マークアップ言語ベースの階層データ表現。柔軟だがデータの科学計算向けの圧縮・アクセス機能はNetCDFと異なる。
- 固定長レコードファイル
- 固定幅でデータを格納する伝統的な形式。データの柔軟な多次元表現には向かず、メタデータ整理も難しいことが多い。
- 生データファイル
- 加工されていない未処理データ。メタデータが不足し、データの解釈には追加情報が必要になることが多い。
- 1次元データファイル
- 1次元データに特化したフォーマット。NetCDFの多次元データ表現には対応しづらい。
- 自己記述性の低いデータ形式
- データの構造をファイル自身が説明していない形式。データを解釈するために外部仕様が必要になることが多い。
- 非階層的データ形式
- 階層構造や多次元の属性情報を前提としない平坦なデータ形式。NetCDFの多次元モデルとは異なる設計思想。
- テーブル指向データ形式(RDBMSのテーブル等)
- リレーショナルデータベースのテーブルのようにデータを表形式で管理する形式。多次元配列の自己記述性や豊富なメタデータには適さないことが多い。
- マルチメディアデータ形式(画像・音声・動画など)
- 画像・音声・動画などのデータ形式。構造化された科学データの格納・解析には向かず、数値配列の格納には一般的ではない。
netcdfの共起語
- CF規約
- Climate and Forecast Conventions の略。NetCDF データの意味づけを標準化するメタデータ規約で、長さのある説明名や単位などを統一して解釈を揃えます。
- NetCDF-4
- HDF5 上に構築された NetCDF の新世代フォーマットで、圧縮・チャンク化・拡張性が向上しています。
- HDF5
- NetCDF-4 が内部で採用するデータモデル。大規模データの格納で効率性が高い形式です。
- NetCDF-3 / クラシック形式
- 従来の NetCDF 形式。互換性が高く古いツールでも広くサポートされます。
- OpenDAP
- Open-source の遠隔データアクセス技術。URL 経由で NetCDF データを取得・部分参照できます。
- ニーズ別用語: データアクセス
- リモートデータ参照やサブセット取得など、データを効率的に扱う関連語。
- NCO
- NetCDF Operators の総称。データの抽出・結合・変形などを行うツール群です。
- ncdump
- NetCDF ファイルの中身を人間が読みやすいテキスト形式で表示するツール。
- ncgen
- NetCDF ファイルを生成するツール。データモデルに応じたコード生成にも使われます。
- ncks
- NCO の基本コマンド。ファイル間の抽出・結合・再編成などを行います。
- ncrcat
- 複数ファイルを時間軸に沿って連結する NCO のツール。
- ncrename
- 変数名・次元名などを一括で変更する NCO のツール。
- ncwa
- 加重平均や積分の演算を実行して新しい NetCDF ファイルに書き出します。
- ncatted
- 属性の追加・変更を行う NCO のツール。
- ncpdq
- 次元の順序を入れ替える(パーミュート)機能を提供する NCO ツール。
- ncflint
- 欠損値の検出・補完・差分処理を行う NCO ツール。
- ncra
- 時間平均などの集計計算を行う NCO のツール。
- ncml
- NetCDF Markup Language。メタデータの記述を XML で表現する方式。
- chunking
- NetCDF-4 のデータ格納方式。データをチャンクと呼ばれる小さなブロックに分割します。
- deflate / gzip
- データ圧縮。NetCDF-4/HDF5 でサポートされ、ファイルサイズを縮小します。
- shuffle
- データの並び替え処理。圧縮効率を高める前処理として使われます。
- zlib
- 圧縮アルゴリズムの一種。NetCDF の圧縮で使われることがあります。
- _FillValue
- 欠損値を表す特別な値を格納する属性。
- missing_value
- 欠損値を表す従来の表現。CF規約では推奨されず、互換性のため残ることがあります。
- units
- 変数の単位を示す属性(例: 'm', 'K')。
- long_name
- 変数の説明的名称を格納する属性。
- dimensions
- データの次元。例: time, lat, lon。
- coordinate variable
- 座標を表す変数。緯度・経度・時間などを格納します。
- unlimited dimension
- データの末尾へ新しい値を追加できる次元。
- global attributes
- データセット全体に適用される属性。タイトル・歴史・作成者などを含む。
- compression
- データ圧縮の設定全般(圧縮方法・レベルなど)。
- OpenDAP / DAP
- リモートデータアクセスのプロトコル。URL で NetCDF を取得可能。
- netCDF-C
- C 言語向け NetCDF ライブラリ。最も基本的な API セット。
- netCDF-Fortran
- Fortran 向け NetCDF ライブラリ。
- netCDF-C++
- C++ 向け NetCDF ライブラリ。
- netCDF-Java
- Java 用 NetCDF ライブラリ。ucar.nc2 などを提供。
- netCDF4-python
- Python から NetCDF を操作するためのライブラリ(netCDF4 モジュール)。
- xarray
- Python の高レベルデータ操作ライブラリ。NetCDF の読み書きや処理を容易にします。
- Panoply
- NetCDF データの可視化・閲覧を行うデスクトップツール。
- dimension
- NetCDF の基本的な軸。例: time、latitude、longitude。
netcdfの関連用語
- netCDF
- 多次元配列データを格納・共有するためのファイルフォーマットと、それを操作するライブラリの総称。科学データの標準的な入出力ソリューションとして広く使われています。
- netCDF-3 (Classic format)
- 従来のクラシック形式。HDF5をバックエンドにせず、互換性を重視したデータモデル。大規模データには制約が生じることがあります。
- netCDF-3 64-bit offset
- 大容量ファイルに対応する拡張形式。従来形式より巨大データの取り扱いが可能です。
- netCDF-4
- HDF5をバックエンドに用いる新しいデータモデル。グループ、チャンク化、圧縮などの機能を提供します。
- HDF5
- Hierarchical Data Format 5。netCDF-4のバックエンドとして使われる高機能なデータ格納フォーマット。
- Groups
- netCDF-4で導入された階層構造。ファイル内を階層的に整理できる機能です。
- Dimensions
- データの軸を定義する要素。サイズを指定し、無制限次元(unlimited)を設定することがあります。
- Unlimited dimension
- 新しいデータを後から追加できる可変長の軸。主に時間軸などの記録データに使われます。
- Variables
- データ本体を格納する要素。各変数は次元とデータ型を持ち、数値配列として格納されます。
- Attributes
- データに関する説明情報。変数属性とグローバル属性があり、unitsやlong_nameなどを含みます。
- Global Attributes
- ファイル全体に適用されるメタデータ。データセット全体の説明や作成情報などを格納します。
- Variable Attributes
- 特定の変数に付与されるメタデータ。units、_FillValue、valid_range などが代表例です。
- Coordinate variables
- 座標軸を表す変数。CF規約における緯度・経度・時間などの座標情報を格納します。
- CF conventions
- Climate and Forecastの略で、netCDFファイルのメタデータを統一的に記述する規約。データの互換性と再利用性を高めます。
- CDL (NetCDF Description Language)
- netCDFのテキスト表現。データ構造や属性を CDL 形式で記述します。
- ncgen / ncdump
- ncgenはCDLからnetCDFファイルを生成するツール。ncdumpはnetCDFファイルをCDL形式で表示します。
- NCO (NetCDF Operators)
- コマンドラインツール群。データの切り出し・結合・属性編集などを行います。
- CDO (Climate Data Operators)
- 気候データ処理のためのツール群。netCDFを対象にさまざまな演算を提供します。
- PnetCDF
- MPIを使った並列netCDFライブラリ。大規模データの並列I/Oを可能にします。
- netCDF-C / netCDF-C++ / netCDF-Fortran
- 公式の言語別ライブラリ群。C、C++、Fortran向けのAPIを提供します。
- netCDF-Java
- JavaからnetCDFデータを扱うためのライブラリ。NcMLの利用なども支援します。
- netCDF4-python
- PythonからnetCDFデータを扱う人気ライブラリ。NumPyとの連携が強力です。
- xarray
- Pythonで多次元配列データを扱う高機能ライブラリ。netCDFと組み合わせてラベル付きデータ操作を容易にします。
- Chunking
- データをチャンクと呼ばれる小さなブロックに分割して格納する方法。I/O性能の最適化に役立ちます。
- Compression (deflate / zlib, shuffle)
- データを圧縮してファイルサイズを削減します。deflate (zlib) が一般的で、shuffleは圧縮効率を高める前処理です。
- NcML
- NetCDF Markup Language。XMLでnetCDFデータのメタデータを定義・適用する仕組みです。
- NetCDF-4 Classic Model
- netCDF-4の機能を使いながら、クラシックデータモデルの互換性を保つモード。HDF5バックエンドを使いますが従来の構造を維持します。



















