exportコマンド・とは？初心者が知るべき使い方と基礎知識共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

exportコマンドとは？

exportコマンドは UNIX 系のシェルを使っていると頻繁に登場する基本的な機能です。環境変数と呼ばれる名札のようなものを設定して、別のプログラムに情報を渡す役割を果たします。環境変数はプログラムの動作を変えたり、場所を知らせたりするために使われます。たとえば PATH という変数には実行できるコマンドの場所が並んでいます。export を使うとその変数の値と情報を子プロセスにも引き継がせることができます。

環境変数とは何か、そして export の意味を正しく理解することが大切です。環境変数はシステム全体の設定ではなく、現在のシェルとその子プロセスのみで有効な情報です。新しいプログラムを起動するとき、そのプログラムはこの環境変数を参照して動作を決めます。export を使わない場合、子プロセスにはその変数の情報が渡されません。

基本的な考え方

まず覚えてほしいのは VAR=value の形だけでは現在のシェルだけで有効で、子プロセスには渡らないという点です。これを解決するために export を使います。export VAR=value と書くと、その値を「現在のシェルとその派生するすべての子プロセス」に渡すことができます。すなわち export は環境変数を子プロセスへ伝える橋渡しの役割を果たします。

使い方の具体例

以下に代表的な使い方を紹介します。コマンドはそのまま実行してOKです。例を参考に自分の環境に合わせて読み替えてください。

コマンド	意味	例
export PATH=/usr/local/bin:$PATH	実行可能なコマンドの探す場所を追加する	export PATH=/usr/local/bin:$PATH
export JAVA_HOME=/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-17.jdk/Contents/Home	Java の実行環境を指す場所を設定する	export JAVA_HOME=/Library/Java/JavaVirtualMachines/jdk-17.jdk/Contents/Home
export EDITOR=vim	デフォルトの編集ツールを指定する	export EDITOR=vim

ここで PATH の変更は特によく使われる例です。PATH に新しいディレクトリを追加すると、そのディレクトリ内の実行ファイルをコマンドとして呼び出せるようになります。

すでに定義されている変数を export するには

すでに変数 VAR が定義済みの場合、export VAR とするだけでその変数を子プロセスにも伝えることができます。値を変えずに伝えるだけならこの形が使われます。

永続的に設定するには

現在のセッションだけではなく、次回以降も同じ設定を使いたい場合はホームディレクトリにある設定ファイルに追記します。代表的なファイルは以下のとおりです。bash系なら ~/.bashrc または ~/.bash_profile、zsh 系なら ~/.zshrc。これらのファイルに export の行を追加しておくと、端末を再起動したときにも自動的に設定が読み込まれます。

Windows や他の環境との違い

export は主に UNIX 系のシェルで使われる命令です。Windows の CMD では set や setx が同様の役割を果たします。WSL（Windows Subsystem for Linux）や macOS、Linux のターミナルでは export が一般的に使われます。

よくある注意点

環境変数の名前は大文字で書くのが一般的です。小文字でも使えますが、他の人が見たときに混乱しやすくなります。値にはスペースを入れるときはクオートで囲むなど工夫が必要です。例えば export GREETING="こんにちは世界" のようにします。ただし引用符は文字列全体を含むようにしてください。

まとめると export は環境変数を子プロセスへ伝えるための基本的な手段であり、使い方を覚えるとプログラムの動作を柔軟に制御できるようになります。新しいソフトウェアを導入したときや、開発環境を整えるときにはこのコマンドを活用しましょう。

exportコマンドの同意語

exportコマンド: シェルで環境変数を子プロセスへ引き継ぐよう設定する基本的なコマンド。現在のシェルで定義した変数を、起動する別のプログラムにも伝える役割を持つ。
環境変数をエクスポートするコマンド: 環境変数を“エクスポート可能”として指定し、子プロセスへ受け渡すための操作を指す表現。
環境変数のエクスポート: 環境変数を現在のシェルから子プロセスへ伝えるための設定・操作全体を表す一般的な表現。
子プロセスに環境変数を渡すコマンド: 現在のシェルから起動される別のプログラムに環境変数を渡す目的のコマンド。
シェルのエクスポート機能: シェルに備わる、環境変数をエクスポートする機能全体のこと。
環境変数の伝播を行うコマンド: 環境変数を現在のシェルから子プロセスへ伝える操作を指す表現。
export命令: bash などのシェルでの“export”コマンドを指す日本語表現の別称。
環境変数を外部プロセスに渡すコマンド: 外部プロセス（通常は子プロセス）へ環境変数を渡す目的のコマンドという意味。
現在のシェル変数を子プロセスに伝える命令: 現在のシェルで定義した変数を、起動する別のプログラムへ伝える操作を表す表現。

exportコマンドの対義語・反対語

importコマンド: exportで環境変数を外部へ出力する動作の反対方向をイメージする語。実際の標準コマンドとしては“import”は存在しないことが多く、文脈上の対義語として使われることがあります。環境の流れを“外部→現在のシェル”に転換するニュアンスです。
unsetコマンド: 設定済みの環境変数を削除して、現在のシェルの環境を元に戻す操作。exportで設定した変数を解消したいときに使います。
export -nコマンド: 既に設定済みの変数を“エクスポート対象”から外す、エクスポートの取り消し操作。特定の変数を子プロセスに渡さないようにする時に使います。
unsetenvコマンド: Cシェル派生のコマンドで、環境変数を削除します。exportの対義語として使われることがあります。
sourceコマンド: ファイル内の設定を現在のシェルに読み込み、環境を“取り込む”操作。exportの対比として、変数を外部へ出すのではなく“内部へ取り込む”イメージです。
エクスポート取り消し: すでに設定したエクスポートを撤回し、変数を子プロセスへ伝えない状態にする操作や概念。

exportコマンドの共起語

環境変数: OSやアプリが参照する値を格納する変数。exportを使うと、子プロセスにもこの値を引き継ぎます。
変数: データを名前で扱うための箱。文字列・数値などを格納します。
構文: exportコマンドの書き方全般を指す用語。どのように書くかを示します。
VAR=value: 変数名に値を割り当てる基本形。VALUEは任意の文字列を入れます。
PATH: 実行ファイルを探す場所を並べた環境変数。コマンド名を実行時に検索する順番を決めます。
シェル: コマンドを解釈して実行する環境。対話型でもスクリプトでも使われます。
bash: 最もよく使われるPOSIX準拠のシェルの一つ。exportもサポートします。
zsh: 補完機能が充実した高機能なシェル。
sh: 古い Bourne Shell に由来するシェル。多くの環境で互換性があります。
子プロセス: 現在のシェルから派生して実行される別の処理。exportした環境変数はこれに渡ります。
ローカル変数: 現在のシェル内でのみ有効な変数。exportされていなければ子プロセスには表示されません。
永続化: ログイン後も設定を保持させたい場合の設定のこと。ファイルに追記して保存します。
rcファイル: シェル起動時に読み込まれる設定ファイルの総称。
~/.bashrc: bash起動時に実行される設定を記述するファイルの一つ。
~/.bash_profile: ログイン時に読み込まれる設定ファイル。
~/.profile: POSIX準拠の設定ファイル。
~/.zshrc: zshの設定ファイル。
export PATH: PATHに新しいディレクトリを追加して、実行ファイルの探索場所を制御する使い方。
echo: 変数の中身を確認するのに使うコマンド。例: echo $PATH
envコマンド: 環境を指定して別のコマンドを実行するためのツール。
printenvコマンド: 現在の環境変数を一覧表示するコマンド。
unsetコマンド: 変数を未設定に戻すコマンド。
引用符: 値にスペースが含まれる場合など、文字列を囲む記号の総称。
ダブルクォート: 値を展開して扱う場合に用いる引用符。例: VAR="path with spaces"
シングルクォート: 展開を抑制して文字列をそのまま扱う引用符。
大文字命名規則: 環境変数は慣例として大文字で書くことが多いです。
セキュリティ注意: 機密情報を環境変数に設定する場合、他者に見られないよう取り扱いに注意します。
実用例: 実際の運用例を示します。例: export JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/java-11-openjdk

exportコマンドの関連用語

exportコマンド: Unix系シェルの組み込みコマンドの一つで、現在のシェルで設定した環境変数を子プロセスにも引き継ぐようにする命令です。変数を宣言した後に export するか、同時に VAR=value を設定して export します。
環境変数: プログラムやシステムに影響を与える設定値を格納する変数。子プロセスにも引き継がれ、プログラムの挙動を左右します。
ローカル変数: 現在のシェル内でのみ有効な変数。export していない場合、子プロセスには引き継がれません。
サブシェル: 親シェルから派生して起動する別のシェル。エクスポートされた変数は受け継がれますが、サブシェルでの変更は親シェルに影響しません。
子プロセス: 親のシェルから起動される別のプログラムやスクリプト。環境変数は親から受け継がれます。
シェル組み込みコマンド: bash や zsh などのシェルに最初から用意されているコマンドで、外部プログラムを起動せず機能を実現します。export もその一つです。
PATH環境変数: 実行可能ファイルを探すディレクトリのリスト。PATH を変更すると、どの順番でコマンドが見つかるかが変わります。
HOME環境変数: ユーザーのホームディレクトリを指す環境変数です。
declare -x / export の代替表現: 変数をエクスポート可能にする別の書き方。declare -x VAR は export VAR と同等です。
export -f: 関数を子プロセスにも渡すためにエクスポートするオプションです。
export -n: すでにエクスポート済みの変数のエクスポートを解除します。
set -a: シェルのオプションで、すべての変数を自動的にエクスポートするモードにします。
unset: 環境変数やシェル変数を削除します。export していても解除できます。
printenvコマンド: 現在エクスポートされている環境変数を一覧表示します。
envコマンド: 新しい環境でコマンドを実行する際に、環境変数を一時的に設定するツールです。
env -i: 空の環境からコマンドを実行します。必要な変数だけを設定して実行できます。
起動時設定ファイル: ログイン時や新しいシェルの起動時に読み込まれ、export の設定や PATH の追加などを自動化します。
POSIX準拠: export は POSIX 仕様にも含まれる標準的な機能で、多くのシェルで共通して動作します。
セキュリティ注意点: 環境変数には機密情報を含めない。パスワードやAPIキーは子プロセスに渡さないよう管理します。
実務例: JAVA_HOME / PATH の設定: 例として、export JAVA_HOME=/usr/lib/jvm/java-17-openjdk; export PATH=$JAVA_HOME/bin:$PATH などとします。
スクリプト間の環境共有: シェルスクリプト間で変数を渡すには export を使います。呼び出される子スクリプトはこの環境を受け継ぎます。
サブシェルと環境の影響: サブシェル内で行った変数の変更は親シェルには影響しません。