freertosとは？初心者にもやさしいリアルタイムOS入門ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

freertosとは何か

freertosは固有の名前を持つオープンソースのリアルタイムOSカーネルです。リアルタイム性を重視する組み込み機器で使われることが多く、マイコンや小さなボード上で動作します。オープンソースであるため開発者が自由にソースコードを見ることができ、必要に応じて自分たちの用途に合わせて変更できます。

このOSは一つのタスクが複数の作業を同時に進められるマルチタスクの仕組みを提供します。各タスクは自分の優先度を持ち、優先度の高いタスクがまず実行されるように動作します。これにより、センサの読み取りとデータ処理を別々のタスクに分けて、全体を滑らかに動かすことが可能です。

使われる場面と特徴

freertosはIoT機器、家電の制御ボード、ロボットの基盤、センサネットワークなど幅広い場面で利用されます。小さなメモリ容量でも動作するように設計されており、組み込み向けに必要な機能が絞られています。基本機能にはタスク管理、タイマー、キュー、セマフォ、 mutex などの同期と通信の仕組みが含まれます。

また freertosには単一のカーネルだけでなく、複数のボードや MCU に対応するためのポータビリティの高さがあります。コードの再利用性が高く、教育の場面でも人気があります。

基本的な構成要素

freertosの核心は以下のような要素です。タスクで作業を分割、スケジューラで実行順序を決定、キューやセマフォでタスク間の協調と同期を取ります。これらを組み合わせることで、複雑な処理を安定して動かすことができます。

機能	説明
タスク管理	複数の処理を同時に進めるための単位を作成
スケジューリング	タスクの実行順序を決定する仕組み
キュー	メッセージやデータを安全に送受信する仕組み
セマフォ	資源の同期や相互排他を実現
メモリ管理	動的確保やスタックの扱いをサポート

使い方の流れの概要

ステップ1 開発環境の準備: 適切なツールチェーンとIDEを用意し、ターゲットボードに合わせて設定します。初心者は公式のチュートリアルやサンプルコードを活用すると理解が進みます。
ステップ2 タスクの設計: 解決したい問題を小さな処理に分け、それぞれをタスクとして実装します。優先度の設計を先に決めておくと後のデバッグが楽になります。
ステップ3 APIの利用: vTaskStartScheduler でスケジューラを開始し、xTaskCreate で新しいタスクを追加します。キューやセマフォを使ってタスク間の通信を行います。
ステップ4 デバッグと最適化: 実行時間の測定、ログ、トレースツールを使い、リアルタイム性が満たされているかを確認します。

よくある注意点

リアルタイム性を保つためにはタスクの設計と優先度の管理が重要です。長時間動作する処理を別のタスクに分割し、ブロック時間を短く保つよう心がけましょう。またメモリ不足にも注意が必要です。

まとめと学び

freertosは組み込み機器向けの軽量で拡張しやすいリアルタイムOSです。タスクと同期の基本を理解し、段階的に自分のボードで動かしてみると、複雑な制御も安定して実現できるようになります。特に初心者は小さなプロジェクトから始め、徐々に複数タスクや通信の機能を追加していくと良いでしょう。

freertosの同意語

freertos: 組み込み機器向けのオープンソースリアルタイムOS（RTOS）で、マイクロコントローラ向けに設計された軽量なOSです。
FreeRTOS: freertosの正式ブランド名。広く使われているオープンソースのリアルタイムOSの代表格です。
Free RTOS: FreeRTOSのスペース区切り表記。実質的には同じOSを指す表現です。
フリーRTOS: FreeRTOSの日本語表記・音写。日本語検索や解説で見かける表現です。
フリーリアルタイムOS: FreeRTOSを日本語で表現した別表記。リアルタイムOSのカテゴリであることを示します。
組み込み向けRTOS: 組み込み機器で動作するリアルタイムOSの総称。FreeRTOSはこのカテゴリの代表例です。
マイコン向けRTOS: マイクロコントローラ（MCU）向けのリアルタイムOSの呼称。FreeRTOSがよく使われます。
マイクロコントローラ向けリアルタイムOS: MCU向けのリアルタイムOSという説明表現。FreeRTOSはその実装の一つです。
Amazon（関連記事：アマゾンの激安セール情報まとめ） FreeRTOS: FreeRTOSをベースにしたAmazonの派生ブランド。IoT機器向け機能を追加して提供されるOSです。

freertosの対義語・反対語

非リアルタイムOS: リアルタイム性を厳密に保証しないOS。期限付きタスクの厳密な予定管理が必要でない用途に適し、デスクトップやサーバーOSと同様の一般用途向けに使われることが多い。
一般用途OS（GPOS）: 日常的なアプリケーションを対象とするOS。リアルタイム性の保証を重視せず、柔軟性とソフトウェアエコシステムの豊富さを重視する。
デスクトップ・サーバーOS: グラフィカルなUIや大量のソフトウェアを前提に設計されたOS。リアルタイム性よりも安定性・互換性・使い勝手を重視することが多い。
大規模/高機能OS: 高機能でリソースを多く必要とするOS。大量の機能や並行処理を扱う一方、組み込み向けの小型RTOSとは対照的に設計されている。
リアルタイム性を要しない組込みOS: 組み込み機でもリアルタイム性を前提としない、軽量性よりも別の目的を優先するOS。FreeRTOSの対極として使われることがある。

freertosの共起語

リアルタイムOS: FreeRTOS自体がリアルタイムOSで、タスク管理と割り込み処理をタイムクリティカルに行うOSの総称です。
タスク: FreeRTOSで実行される基本的な処理単位。複数のタスクを同時にスケジューリングします。
スケジューリング: どのタスクをいつ実行するかを決定する機能。プリエンプティブと協調の2種類が一般的です。
プリエンプティブ: 高優先度タスクが自動でCPUを奪い取るスケジューリング方式。
協調スケジューリング: タスクが自分の実行を終えるまでCPUを返さない方式。
割り込み: 外部イベントを処理するための中断処理。FreeRTOSと連携して動作します。
セマフォ: 共有資源のアクセスを同期させるための信号機。binaryや counting などの形態があります。
ミューテックス: タスク間の排他制御と優先度適用を組み合わせた同期機構。
キュー: データを順序立ててやり取りする通信手段。タスク間のメッセージ渡しに使われます。
イベントグループ: 複数のイベント状態を組み合わせて待機・通知を行う機能。
ソフトタイマー: ソフトウェアで動作するタイマー。ハードウェアタイマーの補助として使われます。
タイマー: 経過時間を測定してイベントを発生させる機能。
ヒープ: 動的メモリ領域の管理に関する概念。FreeRTOSのメモリ割り当てに関わります。
メモリ管理: タスク・スタック・ヒープの割り当てと解放を管理する仕組み。
heap_1: 最もシンプルなヒープ実装。固定割り当て前提で断片化が起きにくい設計です。
heap_2: 動的割り当てに対応するヒープ実装の一つ。
heap_3: 断片化対策や比較的柔軟な割り当てを提供するヒープ実装。
heap_4: より高度なメモリ管理を実現するヒープ実装。
heap_5: 複雑な動的メモリ要件に対応する柔軟なヒープ実装。
ポート: 特定のMCU/アーキテクチャ向けの移植レイヤー。
移植: FreeRTOSを別のハードウェアやツールチェーンへ適用する作業。
公式サイト: 公式ドキュメント・ダウンロード・サポート情報が集まる情報源。
ライセンス: ソフトウェアの利用条件・再配布のルールを示す法的枠組み。
MITライセンス: FreeRTOSカーネルの主なライセンス形態のひとつ。比較的オープンな条件です。
LwIP: 軽量TCP/IPスタック。FreeRTOSと組み合わせてネットワーク通信を実現します。
FreeRTOS+FAT: FreeRTOS向けのファイルシステム拡張。SDカードなどのファイル操作に対応。
FatFs: 汎用ファイルシステムの実装の一つ。FreeRTOSと併用されることがあります。
ESP32/ESP-IDF: ESP32向け公式開発環境。FreeRTOSが基盤として組み込まれています。
STM32: ARM Cortex-M 系などで広く使われるMCU。FreeRTOSと高い互換性があります。
CMSIS-RTOS: ARM CMSIS標準のRTOS API。FreeRTOSはこのAPIにも対応しています。
API: FreeRTOSが提供する関数群。タスク作成・待機・通信などを行います。
xTaskCreate: 新しいタスクを生成する代表的なAPI。
vTaskDelay: 一定時間待機するタスク遅延API。
タスク通知: 別のタスクへ信号を送って同期をとる機能。
タスクスイッチ: 現在のタスクから別のタスクへ実行権を移す仕組み。
デバッグ/トラブルシューティング: 挙動を検証・修正する作業。
トレーシング/プロファイリング: 実行時間やリソースの可視化・分析を行うツール群。
configMINIMAL_STACK_SIZE: 各タスクに割り当てる最小スタックサイズの設定項目。

freertosの関連用語

タスク: FreeRTOSの実行単位。xTaskCreateで作成され、優先度・スタック領域・状態を管理する。Ready/Running/Blocked/Suspendedなどの状態を持つ。
タスクスケジューラ: タスクの実行順序を決定する仕組み。プリエンプティブモードか協調モードかを設定で選択できる。
プリエンプティブスケジューリング: 実行中のタスクを他の高優先度タスクが待機なく上書きして実行させる機構。
ポート: 特定のCPUアーキテクチャ向けの実装層。ARM Cortex-M などのポートが用意されている。
タスク通知: タスク間で軽量にイベントを送る機構。データを整数値として送ることができる。 xTaskNotify系APIで操作。
ソフトウェアタイマー: バックグラウンドで動くタイマー。指定時間が経過するとコールバック関数を呼ぶ。
キュー: データをFIFOで他タスクと安全にやり取りするためのバッファ。xQueueSend/xQueueReceiveで送受信。
セマフォ: リソースの同時アクセスを制御する同期機構。カウント制御を提供する。
ミューテックス: リソースの排他制御を目的とするセマフォ。優先度の問題を回避する仕組みを備える。
バイナリセマフォ: 0か1の状態を持つセマフォ。イベントの有無を示す用途に使われる。
カウントセマフォ: リソースの在庫数を管理するセマフォ。複数リソースの同時制御に向く。
イベントグループ: 複数のイベントフラグをビットとして管理し、任意の組み合わせを待機できる同期機構。
ストリームバッファ: 連続データをストリームとして送受信するバッファ。大容量データの搬送に適する。
メッセージバッファ: 個別の固定長メッセージを送受信するバッファ。ストリームバッファとは用途が異なる。
ヒープ: 動的メモリ領域。pvPortMalloc/vPortFreeで管理され、malloc/freeのFreeRTOS版とも言える。
heap_1: 最も単純な動的メモリ実装。断片化対策は最低限。
heap_2: 断片化対策を含む実装。
heap_3: 外部メモリを前提とする実装。
heap_4: デバッグ支援を強化した実装。
heap_5: 複数エリアを組み合わせる高度な実装。
configMINIMAL_STACK_SIZE: タスク作成時に割り当てる最小スタックサイズのデフォルト値。
configTOTAL_HEAP_SIZE: FreeRTOSが動的割当で使用できるヒープ総量を設定する。
configTICK_RATE_HZ: システムティックの周波数。1秒あたりのティック回数を指定。
vTaskDelay: 指定時間だけ現在のタスクをブロックして待つ。
vTaskDelayUntil: 前回の呼び出し時刻を基準に一定間隔で待機する周期実行用API。
xTaskCreate: 新しいタスクを作成する主要API。
xTaskDelete: 作成済みのタスクを削除するAPI。
vTaskSuspend: タスクを一時的に停止させるAPI。
vTaskResumeFromISR: ISRからタスクを再開・再スケジュールするAPI。
xQueueSend: キューへデータを送信するAPI。
xQueueReceive: キューからデータを受信するAPI。
xSemaphoreTake: セマフォを取得してリソースを占有開始。
xSemaphoreGive: セマフォを解放してリソースを開放。
xSemaphoreCreateMutex: ミューテックスを作成するAPI。
xSemaphoreCreateBinary: バイナリセマフォを作成するAPI。
xSemaphoreCreateCounting: カウントセマフォを作成するAPI。
xEventGroupSetBits: イベントグループのビットを設定するAPI。
xEventGroupWaitBits: イベントグループのビットが指定条件になるまで待機するAPI。
xTaskNotify: タスク通知を送る軽量の通知機構。
xTaskNotifyFromISR: ISRからタスク通知を送るAPI。
ulTaskGetStackHighWaterMark: タスクが使用したスタックの残量を測定するデバッグ支援API。
traceTASK_SWITCHED_IN: タスクが実行に切替わった時のトレース用マクロ。
traceTASK_SWITCHED_OUT: タスクが実行を離れた時のトレース用マクロ。
Timer Service Task: ソフトウェアタイマーを実行する背後タスク。
xTimerCreate: ソフトウェアタイマーを作成するAPI。
xTimerStart: ソフトウェアタイマーを開始するAPI。
xTimerStop: ソフトウェアタイマーを停止するAPI。
xTimerDelete: ソフトウェアタイマーを削除するAPI。
pdPASS: 操作が成功したことを表す返り値（FreeRTOS APIの成功値）
pdFALSE: 操作が失敗したことを表す返り値
pvPortMalloc: FreeRTOSの動的メモリ割り当て関数。malloc相当の機能を提供する。
vPortFree: FreeRTOSの動的メモリ解放関数。mallocで割り当てた領域を解放する。
StaticTask_t: 静的割り当て用のタスク管理構造体。静的タスクの作成に使用。
TaskHandle_t: 作成済みタスクを識別するハンドル型。
QueueHandle_t: 作成済みキューを識別するハンドル型。
TimerHandle_t: 作成済みソフトウェアタイマーを識別するハンドル型。
StackType_t: タスクスタックのデータ型。
configUSE_DYNAMIC_ALLOCATION: 動的メモリアロケーションを有効化する設定。
configSUPPORT_STATIC_ALLOCATION: 静的メモリアロケーションを有効化する設定。