ケースシリーズとは？初心者にも分かる基本ガイドと活用のコツ共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

ケースシリーズとは何かを知ろう

ケースシリーズとは、同じ病態を持つ複数の患者の事例を集めて観察する研究デザインです。1人の症例だけを詳述するケースレポートと違い、2件以上の症例をまとめて傾向や特徴を見つけようとします。

ケースシリーズとケースレポートの違い

ケースレポートは「1例」を詳しく記述します。これに対して ケースシリーズは複数の症例を並べて示します。そのため、症例ごとの個別性だけでなく、共通点や変化の傾向を把握することが目的です。

活用の場面と目的

新しい疾病の特徴の初期把握、治療の効果や副作用の探索、研究の出発点として使われます。エビデンスの階層ではケースシリーズは比較的低い位置にあるため、臨床判断の唯一の根拠にはせず、他の研究デザインと組み合わせて使うのが基本です。

作成の基本的な流れ

まず研究の目的を決め、次に対象とする症例の基準を設定します。続いて患者の年齢・性別・病名・治療内容・転帰などのデータを標準化して収集します。収集したデータは表や図に整理して可読性を高め、個人が特定されないように匿名化を徹底します。

<th>項目

説明
対象症例数	ケースシリーズとして含めた症例の総数
データ項目	年齢、性別、病名、治療、転帰、フォロー期間など

読み方のポイント

読者は 症状の一致・差異、安全性の情報、転帰の傾向 を中心に探します。データは観察的で因果関係を証明するものではないことを理解しましょう。

ケースシリーズと研究の階層

以下の表は、ケースシリーズと他の研究デザインの違いをまとめたものです。

デザイン	例	エビデンスの強さ
ケースレポート	1例の詳述	低い
ケースシリーズ	2–数十例の集合観察	低–中程度
コホート研究	追跡観察の集団研究	中程度

結びに

ケースシリーズは、臨床現場の情報を共有し、新しい仮説を立てる手助けになります。ただしエビデンスの基盤としては限界がある点を忘れずに、他の研究デザインと組み合わせて考えることが大切です。

ケースシリーズの同意語

症例シリーズ: 複数の症例を連続して報告・分析する研究デザインの表現。主に医学雑誌で、同じテーマの症例をまとめて扱う形式。
症例群研究: 複数の症例をまとめて観察・分析する研究の一種。個別報告を超えた集合的報告を指すことが多い。
症例集: 複数の症例を集めて一つの資料・報告集としてまとめた形態。教育資料や総説的要素を含むことがある。
症例報告シリーズ: 同じ病態・治療に関する症例報告を連続して公表する形式のまとめ。
連続症例報告: 連続して報告された複数の症例を一連として提示する表現。
症例報告集: 複数の症例報告を一冊または一連の記事としてまとめたもの。
ケースレポート集: ケースレポートを集めた刊行物・章立ての名称として用いられる表現。
症例報告連載: 医療雑誌などで症例報告を連載形式で掲載することを指す表現。
症例シリーズ論文: 症例シリーズとして得られた知見を論文としてまとめたもの。
症例群報告: 複数の症例をグループとして報告する形式の表現。

ケースシリーズの対義語・反対語

ケースレポート: 単一の症例を詳しく報告する文献。ケースシリーズのように複数の症例をまとめず、1例のみを取り扱います。
単一症例報告: 1名の患者の事例を詳しく記述する報告。複数例を扱わず、個別の症例に焦点を当てる点が特徴です。
ランダム化比較試験（RCT）: 介入の効果を厳密に評価する実験的研究。参加者を無作為に介入群と対照群に割り当て、因果関係を明確にします。
ケースコントロール研究: 病気の有無を基準に過去の暴露や要因を比較して因果関係を探る観察研究。ケースシリーズより対照群を設け、比較を行います。
コホート研究: 曝露の有無や特徴を基準に群を追跡し、発生率の差を比較する長期の観察研究。対照群を設定することが多く、因果推定に強みを持ちます。
横断研究（クロスセクショナル研究）: 特定の時点で集団の特徴を一度に評価する観察研究。個別事例の連続報告であるケースシリーズとは異なり、広い母集団の特徴を同時に把握します。
総説・レビュー: 複数の研究結果を統合して結論を読み解く記事。個々の症例報告であるケースシリーズとは性質が異なり、総合的な知識の整理を目的とします。
非介入性観察研究: 介入を伴わず、現実の臨床データを観察して結論を導く研究設計。ケースシリーズより広い母集団の情報を扱うことが多いです。

ケースシリーズの共起語

症例: 個別の患者1件を指すケース。ケースシリーズ全体の構成要素となる基本単位。
症例報告: 1件以上の症例を詳述・公開する文献形式。ケースシリーズの前段階となることが多い。
臨床: 医療現場の実践的な医療・診療の領域。臨床研究や臨床データと結びつく語
研究: 仮説検証や知識拡大を目的とした体系的な調査・分析の活動全般。
論文: 学術的な発見や分析結果をまとめて公表する出版物の総称。
医療: 病気の予防・診断・治療・ケアを含む医療行為の領域。
データ: 観察・測定から得られる情報の集合。分析の素材となる数値・記録。
統計: データを要約・比較・推定する数理的方法。結論の裏付けとなる分析。
データ解析: 収集したデータを整理・検討して結論を導く計算的処理全般。
観察研究: 介入を伴わず現象を観察・記録して分析する研究デザインの総称。
後向き: 過去のデータやカルテ記録を用いたレトロスペクティブな研究設計。
前向き: 将来発生するデータを追跡して収集するプロスペクティブな設計。
多施設: 複数の施設からデータを集めて行う研究。外部妥当性が高まりやすい。
単一施設: 1つの施設のみからデータを集めて行う研究。一般化可能性は限定的になりがち。
病名: 対象となる疾患・病態の名称。ケースシリーズでは病名別の整理が行われることが多い。
治療: 症例に対して実施された治療法・介入内容。
診断: 検査結果や臨床判断に基づく病名の確定・推定。
患者: ケースシリーズの対象となる人々。複数の患者を総称して扱う。
症状: 患者が感じる主訴・徴候。症例の特徴として詳述されることが多い。
年齢: 患者の年齢分布。分析対象として重要なデモグラフィック情報。
性別: 患者の性別分布。分析対象として重要なデモグラフィック情報。
エビデンス: 科学的根拠の程度を示す指標。ケースシリーズは比較的低位のエビデンスとされることが多い。
ガイドライン: 医療行為の推奨基準を示す文書。ケースシリーズは独立したエビデンスとしては扱われにくいことが多い。
介入: 治療以外の手技・薬剤・行為など、研究対象に対して行われる何らかの介入。

ケースシリーズの関連用語

ケースシリーズ: 複数の症例をまとめて共通点や傾向を記述する観察研究の一種。新しい仮説の提示や臨床的特徴の整理に有用だが、対照群がなく因果関係を証明できない点が限界。
ケースレポート: 単一の患者の臨床経過を詳しく報告する文献。診断、治療、経過、検査結果、画像などを詳述することで、希少な現象や新しい知見を共有する用途がある。
病例報告: ケースレポートと同義で、1症例の詳細を記述する報告。倫理的配慮や個人情報の保護にも留意する必要がある。
観察研究: 介入を伴わず、現状のデータを観察して記録・分析する研究デザイン。症例の分布や関連を記述・探索するが因果性の証明には限界がある。
記述研究: 現象の特徴を記述する研究。データの要約や特徴の整理が中心で、因果関係の検証は基本的に行わない。
レトロスペクティブ研究: 過去の診療記録などを後から取り出して分析する研究設計。データはすでに存在しているため収集が容易だが、記録の欠落や不完全さが課題になることがある。
プロスペクティブ研究: 研究開始時点からデータを収集し、将来発生する事象を追跡する設計。設計が厳格でバイアスを抑えやすい利点がある。
多施設ケースシリーズ: 複数の施設から症例を集めたケースシリーズ。規模を拡大することで結果の一般性を高める試み。
小規模研究: 症例数が少ない研究の総称。ケースシリーズは多くが小規模で、一般化には慎重さが求められる。
対照群不在: ケースシリーズには通常対照群がなく、他集団との比較や因果性の検証が難しい点が特徴。
エビデンスの階層: 医学研究の証拠の強さを階層で示す考え方。ケースシリーズは通常低いレベル（IV・V）とされ、ランダム化比較試験などが高いレベルとされる。
選択バイアス: 標本を選ぶ方法によって結果が歪む偏り。症例選択の仕方が結果に影響することがある。
報告バイアス: 報告する症例の選択や報告の仕方で、全体像と異なる印象を与える偏り。
内的妥当性: データから因果関係を正しく推定できるかどうかの信頼性。ケースシリーズは制約が大きく高くないことが多い。
外的妥当性: 結果を他の集団や設定に一般化できるかどうかの度合い。ケースシリーズは一般化が難しい場合がある。
統計解析: ケースシリーズでは主に記述統計を用い、推測統計の適用は限定的。大規模ケースシリーズでは回帰分析などを検討することもある。
倫理的配慮: 患者の同意取得、個人情報の保護、研究倫理審査の適用、報告時の匿名化など、倫理基準への配慮が必要。
出版と信頼性: 査読付きジャーナルでの掲載が一般的。研究の質は方法論の透明性と再現性で左右される。