vitessとは？初心者向け解説：データベースを拡張する仕組み共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

vitessとは？

vitessは オープンソースのデータベースクラスタリングツール で、主に MySQL を使うウェブアプリを大規模に運用するための仕組みです。小さなアプリなら1台のデータベースで十分ですが、人気のあるサイトはめちゃくちゃ多くの人が同時にアクセスします。そうなると、1台のデータベースでは処理が追いつかなくなることがあります。そんなとき vitess は「どうデータを分けて管理するか」「どうやって多くの接続をさばくか」を手助けしてくれます。

vitess は MySQL に対して新しいレイヤーを追加することで、複数の物理的なデータベースサーバを1つの論理的なデータベースとして扱えるようにします。ここがポイントで、開発者はデータの格納場所を意識せずにアプリを書けるようになります。さらに シャーディングと呼ばれるデータ分割、接続数の管理、クエリの再作成、障害時のリトライなどの機能を提供します。

vitess の主な機能

<th>機能

説明
シャーディング	データを複数の物理サーバに分割して格納することで、負荷を分散させます
負荷分散とルーティング	vtgate がクエリを適切なシャードへ振り分け、同時実行を効率化します
接続プール	同時接続数を抑え、データベースへの負担を軽減します
障害対応とリトライ	障害時に自動で別のノードへ切り替え、処理を継続します
監視と管理	vtctld などのツールでクラスタの状態を一元管理します

基本的な構成要素

vitess の中心的な役割は以下の3つです。

役割	説明
vtgate	クエリを受け取り、適切なシャードへ転送します
vttablet	各シャードのデータを実際に格納するMySQLインスタンスを管理します
vtctld	クラスタの状態を監視・管理するコントロールプレーンです

vitess の導入で得られる利点には、スケーラビリティの向上、運用の簡略化、リスクの分散などがあります。初めて学ぶときは小さな構成から始め、徐々にシャードを増やしていくのがコツです。実務では、クラウドの環境での運用や、PlanetScale のような商用サポートを活用するケースも増えています。

はじめの一歩

もし興味があれば、公式ドキュメントのガイドを追いながら、ローカル環境で Vitess を体験してみましょう。最初はシンプルな1つのシャードから始め、少しずつ複数のシャードへ拡張していくと理解が深まります。

元々は YouTube によって開発され、現在はコミュニティと企業の協力で維持されています。現在は PlanetScale のような企業が商用サポートや追加機能を提供しています。

vitessの同意語

Vitess: 英語表記の名称。MySQL用の分散スケーリングミドルウェアのオープンソースプロジェクト。
ビテス: 日本語表記の名称。MySQLの分散スケーリングを実現するミドルウェアの名称。
MySQL分散スケーリングミドルウェア: MySQL環境を横断してデータを分散管理・スケールさせる中間層の総称。
MySQLシャーディングソリューション: MySQLのデータを複数のシャードに分割して運用する機能やソリューションを指す表現。
分散データベースミドルウェア: データベースの分散運用を可能にする中間層としての役割を表す一般的な語。
分散SQLレイヤー: SQLクエリを分散処理・ルーティングする層を指す概念表現。
シャーディングプラットフォーム: データをシャード化して処理・管理するためのプラットフォームという意味。
データベースクラスタリングミドルウェア: 複数のデータベースを一つのクラスタとして運用する機能を指す表現。
データベースシャーディングソリューション: データをシャード化して管理するソリューション全般を指す表現。
MySQLプロキシ/ルーティングミドルウェア: MySQLへのクエリをシャードへ適切にルーティングする機能を含む中間層。
オープンソースVitessプロジェクト: Vitessはオープンソースのプロジェクトである点を指す表現。
分散SQLデータベースフレームワーク: 分散SQLの設計・運用を支えるフレームワーク的位置づけを表す語。
Vitessクエリエンジン: Vitessが提供するクエリ処理・ルーティング機能を指す表現。
Vitessエコシステム: Vitessに関連するツール群やコンポーネント全体を指す表現。
Vitessプロダクト群: Vitessの機能・モジュールの集合体を指す表現。

vitessの対義語・反対語

モノリシック: データを1つのデータベースで運用し、分割や分散を行わない状態。Vitessは大規模な分散・シャーディングを前提とした設計に対して、モノリシックは対極に近い概念です。
シャーディングなし: データを複数のデータベースに分割せず、すべてを1つの場所で管理する状態。Vitessのシャーディング機能とは反対の考え方です。
シングルデータベース運用: 全データを単一のデータベースで扱う運用形態。分散・ルーティングの要素を使わないため、Vitessとは異なる設計思想になります。
自動ロードバランシングなし: 負荷分散を自動化せず、手動でリクエストを分散する運用。Vitessは自動的なルーティング・分散を提供する点と対照的です。
直接MySQL接続: アプリケーションがVitessを介さず、直接MySQLと接続してクエリを送る運用。Vitessの抽象化・ルーティング機能を使わない場合の対義です。
クラスタリングなし: 複数ノードで構成するクラスタを使わず、単一ノードで完結する状態。Vitessはクラスタ的運用を前提とするケースが多い点と対比されます。
スケールアウト不要: 水平拡張（ノードを追加して拡張する）をしない設計。Vitessはスケールアウトを容易にする機能を提供することが多いため、対義になります。
高可用性なし: 障害時の自動復旧・冗長構成による高可用性がない状態。Vitessの可用性向上機能と対照的です。
アプリケーション任せのルーティング: データベースへのルーティングをアプリケーション側で自前実装する運用。Vitessの中核機能であるルーティングの対極となります。
複雑なクエリリライトなし: Vitessはクエリのリライト機能を提供しますが、それを使わずオリジナルのクエリをそのまま使う運用。対義として挙げられます。

vitessの共起語

VTGate: VitessのSQLルーターとして、クライアントのSQLを適切なシャードへ振り分けて実行する中核コンポーネントです。
vttablet: 各シャードのデータを格納・管理するタブレットサーバ。データの読み書きとレプリケーションを担います。
vtctld: Vitessのコントロールプレーン。シャードの管理やトポロジーの運用を行います。
vtctl: Vitessをコマンドラインから操作する運用ツールです。
シャーディング: データを複数のシャードに分割して横方向にスケールさせる技術・設計思想です。
シャード: データの分割単位。複数のシャードが協調して1つのキー空間を提供します。
MySQL: Vitessは主にMySQLと連携して動作します。
データベース: データを保存する基本単位。Vitessは複数シャードのデータベースをまたいで動作します。
Kubernetes: Kubernetes上でVitessを運用するケースが多く、クラウドネイティブ対応が進んでいます。
クラウドネイティブ: クラウド環境での運用・スケーリングを意識した設計・運用のこと。
Keyspace: Vitessでデータを論理的に区分する領域。1つのKeyspaceは複数のシャードを含みます。
トポロジー: Vitessのデータ配置情報を管理する構造。シャードやキー空間の所在を把握します。
VStream: Vitessが提供するリアルタイムのデータ変更ストリーム機能で、アプリへ変更を伝播します。
レプリケーション: データを他のノードにコピーして冗長性と可用性を高める仕組みです。
オンラインDDL: データ定義の変更をシャードに対してオンラインで適用する機能です。
水平スケーリング: ノードを追加して横方向に処理能力を拡張する手法。
SQLルーター: クライアントのSQLを適切なシャードへ振り分ける役割を果たす機能。
クエリルーティング: SQLをシャード間で適切に分解して実行するルーティング機能。
負荷分散: 複数のシャード間でクエリ負荷を分散させる仕組み。
パフォーマンス: 全体の処理速度や応答性の指標。Vitessはパフォーマンス最適化を目指します。
Go: Vitessは主にGo言語で開発されたオープンソースソフトウェアです。
オープンソース: 誰でも使用・改良・再配布できる自由なソースコードの性質です。
etcd: Vitessのトップロジー情報のストレージとして使われることがある分散キー値ストアです。
Vitess Operator: Kubernetes向けの管理自動化ツールで、Vitessクラスタのデプロイを簡素化します。

vitessの関連用語

Vitess: MySQLを横方向にスケールさせるためのオープンソースの分散データベースプラットフォーム。シャーディング、クエリルーティング、運用管理機能を一つのシステムで提供します。
vtgate: Vitessのクエリルーティング層。クライアントからのSQLを受け取り、適切なシャードへ振り分けて実行します。
vttablet: Vitessのデータノード。実データを格納するMySQLインスタンスを管理し、主ノードとレプリカを含む役割を担います。
vtocc: Vitessのオペレーション・コントローラ。クラスタのルーティング情報の提供と現状監視を担います。
vtctld: Vitessのクラスタ管理サービス。Topologyの管理、スキーマ変更、移行作業の調整などを行います。
vtctl: Vitessクラスタを操作するコマンドラインツール（vtctl/vtctlclient）。移行、バックアップ、ノード管理などを実行します。
VReplication: Vitessのデータレプリケーション機能。シャード間やマスター/レプリカ間のデータ同期を実現します。
VDiff: オンラインのスキーマ変更を安全に適用するための差分ツール。複数シャードにまたがるスキーマ変更を検証・適用します。
VSchema: 仮想スキーマ（vschema）。論理的なテーブル定義と、どのシャードへどのデータを格納するかのマッピングを定義します。
Keyspace: Vitessの論理的なデータ空間。1つのKeyspaceに複数のシャードを持つことができます。
Shard: Keyspaceを分割した物理的なデータ領域。特定のデータ範囲を担当します。
ShardingKey: データをどのシャードへ割り当てるかを決めるキー。例: user_id。
Topology: クラスタの構成情報・メタデータの集合。どのノードが何のデータを持つかを示します。Topologyはetcd/ZooKeeper/Consul等のバックエンドで管理されます。
Tablet: vttabletの役割を指す総称。実データを格納するデータノードの単位です。
MySQL: Vitessが動作する基盤データベース。VitessはMySQLを背後で利用します。
Sharding: データを複数のノードやテーブルに分割して格納・処理する手法。横方向スケーリングの前提です。
HorizontalScaling: データ量やトラフィックの増加に対して、ノードを追加して処理能力を拡張する設計思想です。
Backup/Restore: データのバックアップと復元。災害対策や運用のための基本機能です。
AutoSplitting: データ量に応じて自動的にシャードを作成・拡張する機能。
Resharding: シャードの再配置。データ量の変化に応じてシャード構成を再設計します。
QueryRouting: SQLクエリを適切なシャードへ振り分ける経路。主にvtgateが担当します。
QueryPlanner: クエリを実行計画へ変換する仕組み。シャード間の最適な実行方法を決定します。
ConsistentRead: 一貫性のある読み取りを保証する読み取りモード。リードレプリカ間の遅延を考慮して動作します。
Kubernetes: Kubernetes上でVitessクラスタを運用する方法。StatefulSetやリソース管理を活用します。
VitessOperator: Kubernetes上でVitessクラスタを宣言的に管理する公式/準公式のオペレーター。
Etcd: Topologyのバックエンドとして用いられる分散キー値ストア。クラスタの状態を保存します。
ZooKeeper: Topologyのバックエンドとして使われる分散コーディネーションサービス。Etcdと同様の役割を担います。