

高岡智則
年齢:33歳 性別:男性 職業:Webディレクター(兼ライティング・SNS運用担当) 居住地:東京都杉並区・永福町の1LDKマンション 出身地:神奈川県川崎市 身長:176cm 体系:細身〜普通(最近ちょっとお腹が気になる) 血液型:A型 誕生日:1992年11月20日 最終学歴:明治大学・情報コミュニケーション学部卒 通勤:京王井の頭線で渋谷まで(通勤20分) 家族構成:一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹 恋愛事情:独身。彼女は2年いない(本人は「忙しいだけ」と言い張る)
cryo-etとは?基礎から学ぶ
cryo-etは cryo-electron tomography の略で、日本語では「凍結電子断層撮影」と呼ばれます。凍結した生体サンプルをそのまま電子顕微鏡で観察し、細胞の内部を三次元で見ることができる技術です。高い解像度と、観察時の生体状態の保存という二つの長所を併せ持つ点が特徴です。
しくみと流れ
この技術では、まずサンプルを急速に凍結して氷の結晶が大きくならないようにします。次に電子顕微鏡でサンプルを-60度から+60度程度の角度に傾けながら連続して写真(関連記事:写真ACを三ヵ月やったリアルな感想【写真を投稿するだけで簡単副収入】)を撮ります。この一連の写真を tilt series と呼び、さまざまな角度から見た断面像を集めます。
集めた写真を専門のソフトウェアで処理すると、三次元の体積データが得られます。そこから細胞内部の小さな器官やタンパク質複合体の形を再構成します。最近では サブトモグラフィー平均化 などの技術を使って、より細かな構造を見やすくする工夫も進んでいます。
手順の要点
1) サンプルを 急速凍結 して氷の結晶を最小化します。
2) 電子顕微鏡で tilt series を撮影します。傾け角度は装置により -60° から +60° くらいが一般的です。
3) すべての写真を組み合わせて 3D体積 を再構成します。ノイズを減らすための補正や、局所的な特徴を拾いやすくするアルゴリズムが用いられます。
用途と事例
cryo-et は、細胞の中の小さな器官、タンパク質複合体、ウイルスの粒子など、光学顕微鏡や従来の電子顕微鏡だけでは分からなかった場所を解明するのに役立ちます。病気の仕組みを理解する手がかりとなることもあり、薬剤開発や基礎研究で活用されています。
利点と課題
利点は「生の生物状態を保ちながら3D構造を観察できること」と「複雑な内部構造を立体的に捉えられること」です。一方、課題としては高度な装置と操作技術、撮影データが非常に大きくなるためのデータ処理能力が挙げられます。
表での比較
| 技術 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| cryo-et | 凍結サンプルを回転撮影して3D化 | 細胞内の小さな構造の観察 |
| cryo-EM | 凍結電子顕微鏡による観察と解析 | 高解像の個別断片観察 |
| X線結晶構造解析 | 結晶から原子レベルの配置を推定 | タンパク質の原子構造 |
まとめ
cryo-et は生体の凍結状態を活かして内部構造を三次元で可視化する強力な技術です。装置やデータ処理の難しさはありますが、病気の理解や新薬の開発に欠かせない研究ツールの一つとなっています。学習を進めると、科学の現場で実際にどう使われているのかが見えてきます。
cryo-etの同意語
- cryo-ET
- 凍結電子トモグラフィーの略称。凍結させた試料を電子顕微鏡で撮影し、得られたデータから三次元構造を再構成する技術。
- cryo-electron tomography
- cryo-ET の正式名称。凍結した標本を用いて3D構造を再現する電子トモグラフィーの総称。
- cryo-electron-tomography
- cryo-electron tomography の別表記。意味は同じ。
- cryotomography
- cryotomography は cryo-ET の英語表現の変形形。凍結電子トモグラフィーを指す語。
- cryo tomography
- スペースを入れた表記の別名。凍結電子トモグラフィーを指す表現。
- cryo-ET imaging
- cryo-ET を用いた画像化・可視化のプロセスを指す表現。
- cryo-ET data analysis
- cryo-ET で得られたデータの解析・3D再構成、分子位置の推定などの作業を指す語。
- cryogenic electron tomography
- 正式名称の別表現。低温環境下の電子断層撮影を指す英語表現。
- cryo-EM tomography
- cryo-EM 系のトモグラフィー。cryo-ET の広義表現として使われることがある表現。
- 凍結電子断層撮影
- 日本語訳。凍結した標本を電子顕微鏡で撮影し、断層像を組み立てて3D構造を再構成する技術。
- 凍結電子トモグラフィー
- 日本語訳の正式名称。cryogenic electron tomography の訳語。
- クライオ電子トモグラフィー
- 日本語表記の音訳。
cryo-etの対義語・反対語
- 室温電子顕微鏡法
- cryo-ETの対義語として、試料を凍結させず室温で観察する電子顕微鏡手法。
- 解凍
- 凍結状態を解いて液体状態に戻す処理。cryo-ETの低温状態の反対の温度変化。
- 融解
- 氷が水へ変わる現象。cryo-ETの凍結条件の反対を示す概念。
- 高温条件の電子顕微鏡観察
- 低温の cryo-ET に対し、高温条件で観察するケース。
- 化学固定EM法
- 凍結保存を使わず、化学固定で標本を固定する電子顕微鏡法。cryo-ETの対照的な技法。
- 2D電子顕微鏡観察
- cryo-ETは3Dトモグラフィーだが、対義として2D観察を挙げる。
- 非凍結サンプル準備
- 凍結せずにサンプルを準備する方法。cryo-ETの凍結前提の対極。
- 室温・常温サンプル
- 室温(常温)で扱うサンプルを指す表現。cryo-ETの低温に対する対語。
- 温暖・暖かい状態
- 温度が高く安定している状態を指す一般表現。
cryo-etの共起語
- cryo-ET
- 低温電子トモグラフィーの略称。凍結したサンプルを用い、傾斜シリーズを撮影して試料の三次元構造を再構成する技術です。
- cryo-EM
- 低温電子顕微鏡法の略称。凍結標本を用いて高解像度の2D画像を取得し、3D構造を推定する総称です。
- 電子トモグラフィー
- 電子線を用いて断層状データから三次元情報を復元する技術。cryo-ETの関連分野として使われます。
- トモグラフィー
- 三次元情報を断層状に再構成する技術の総称。X線トモグラフィーや電子トモグラフィーを含みます。
- 傾斜シリーズ
- cryo-ETで用いられる、試料を様々な傾斜角度で撮影した連続画像群のこと。
- ティルトシリーズ
- Tilt seriesの日本語表記の一つ。傾斜シリーズと同義です。
- 三次元再構成
- 2Dの投影画像群から3Dのボリュームデータを作る計算処理のこと。
- トモグラム
- 再構成された3D体積データのこと。cryo-ETで得られる3D像を指します。
- サブトモグラム
- トモグラム内の小さな局所ボリュームのこと。後述のサブトモグラム平均化の対象です。
- サブトモグラム平均化
- 複数のサブトモグラムを平均化して信号を強化し、解像度を向上させる手法。
- 直接電子検出器
- Direct electron detector。高感度・高フレームレートでノイズを低減し、解像度を改善します。
- CCD検出器
- CCD検出器。従来型の検出器で、直接検出器に比べ解像度やノイズ性能で劣る場合があります。
- 解像度
- 構造の細部までどれだけ鮮明に見えるかを示す指標。cryo-ETの評価にも使われます。
- FSC
- Fourier Shell Correlationの略。3D再構成の解像度を評価する指標です。
- Fourier Shell Correlation
- FSCの英語表記。周波数領域での相関を表す指標。
- 電子線用量
- 試料を照射する電子の総量。過度の用量は試料を破壊するため適切に調整します。
- 標本調製
- 試料の前処理。凍結・ブロット・格納など、cryo-ETの前準備作業を含みます。
- ビトリフィケーション
- 水をガラス状に凍結させる過程。ice結晶を抑え、試料の品質を保つために重要です。
- ガラス化
- 水を非晶質のガラス状態に凍結させること。cryo-EM/cryo-ETの基礎プロセスの一つ。
- EMDB
- Electron Microscopy Data Bankの略。電子顕微鏡データのデータベースです。
- PDB
- Protein Data Bank。タンパク質の3D構造データベース。cryo-ETの成果を他のデータと結びつける際に参照されます。
cryo-etの関連用語
- cryo-ET
- 凍結電子トモグラフィー。低温で凍結した試料を電子顕微鏡で連続的に撮像し、得られた断層像を用いて三次元構造を再構成する技術。
- cryo-electron tomography
- cryo-ETの別表現。凍結した試料を用いた電子トモグラフィー。
- cryo-EM
- 低温電子顕微鏡法。凍結した試料の高分解能構造を解く技術の総称。
- vitrification
- 水をガラス状の氷( vitreous ice )へ瞬時に変性させる凍結処理。結晶化を防ぎ、試料の構造を歪みなく保存。
- plunge freezing
- 試料を急速に冷却して vitreous ice を作る凍結法。よく使われる前処理。
- vitreous ice
- ガラス状の氷。水が結晶化せずに凍結している状態。
- tilt-series
- 試料を様々な角度で撮影した連続写真の集合。3D再構成に必要なデータセット。
- tilt-series acquisition
- 傾斜角を変えながら撮影する一連の撮影作業。
- missing wedge
- 回転範囲の制約によりデータの欠落が生じる領域。再構成の解像度と方向性に影響。
- fiducials
- アライメントを正確に行うための目印マーカー。金ナノ粒子などが用いられる。
- gold fiducials
- 金ナノ粒子を用いた fiducial マーカーの代表例。
- defocus
- 像の焦点位置のずれ。CTF推定・コントラストに影響を与える要因。
- CTF
- コントラスト伝達関数。電子顕微鏡像の周波数成分の伝わり方を表す特性。
- CTF estimation
- 傾斜ごとにCTFを推定して補正する作業。
- phase plate
- 位相プレート。像のコントラストを高めるための追加部材。
- energy filter
- エネルギーフィルター。不純電子を除去して信号を改善。
- direct electron detector
- 直接電子検出器。高感度・高フレームレートでノイズを低減。
- K3
- 代表的な直接電子検出器の一つ。高性能な検出能力を持つ。
- Falcon
- Direct electron detectorの別ブランド名の一つ(例:Falcon系)。
- dose
- 試料に照射する総電子線量。過剰だとダメージが大きくなるため管理が必要。
- dose fractionation
- 線量を複数の短い露光に分けて撮影する方法。ダメージの分散を狙う。
- dose-symmetric tilt scheme
- 傾斜角の線量割り当てを対称的に設計する撮影方式。ダメージ分布を均等化。
- tilt geometry
- 傾斜の配置・角度の設計。撮影計画の基礎となる。
- reconstruction
- 三次元ボリュームへ再構成する処理。代表的手法にはWBPやSIRTなど。
- weighted back projection
- 加重バック投影。古典的な3D再構成アルゴリズム。
- WBP
- Weighted Back Projection の略。3D再構成の基本手法。
- SIRT
- Simultaneous Iterative Reconstruction Technique。反復的に密度を推定する再構成法。
- FSC
- Fourier Shell Correlation。解像度評価の指標。
- resolution
- 再構成データの有効解像度の指標。FSCやPCTFなどで評価される。
- subtomogram averaging
- トモグラム中の小さなサブボリュームを多数平均化して信号を強化する手法。
- subtomograms
- トモグラムから抽出した局所的な3Dボリュームデータ。
- template matching
- 既知の形状テンプレートと照合して物体の位置を同定する手法。
- Dynamo
- cryo-ETのサブトモグラム解析・可視化を行うソフトウェア群。
- EMAN2
- 電子顕微鏡データ処理の総合ソフトウェア。多様なツールを提供。
- IMOD
- トモグラフィー用の主要ソフト群。再構成・アライメント・可視化を統合。
- Etomo
- IMOD に含まれるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)ツール。
- TOMO3D
- トモグラフィー再構成・解析のツールセット。
- RELION
- ベイズ統計に基づくcryo-EM/cryo-ETデータ解析ソフトウェア。高精度なリファインメントに使用。
- CLEM
- Correlative Light and Electron Microscopy。蛍光顕微鏡と電子顕微鏡を連携して同じ領域を同定・解析。
- in situ cryo-ET
- 生体内の構造をそのまま凍結して観察する形のcryo-ET。
- cryo-FIB milling
- 低温状態でのイオンミリングにより薄片(lamella)を作製する技術。
- lamella
- 薄片状の試料。cryo-ETで観察可能な薄膜構造。
- lamella creation
- 薄片作成の工程。cryo-FIB milling が主流。
- grid
- 試料を保持する格子。
- Quantifoil
- cryo-EMで広く使われる格子ブランド。
- C-flat
- 別ブランドの格子。
- 3D density map
- 再構成から得られる三次元密度のマップ。
- tomogram
- 3Dトモグラム。3次元ボリュームデータそのもの。
- subvolume
- トモグラムから切り出した局所的な三次元データ。
- anisotropic resolution
- 欠落楔の影響で方向によって解像度が異なる現象。
- tilt axis
- 傾斜の回転軸。
- cryo-ET sample types
- 細胞、細菌、ミトコンドリアなど、凍結電子トモグラフィーで観察される標本種別。
- in situ
- その場の状態での観察・解析。
- correlative microscopy
- CLEMの別表現。蛍光と電子の情報を統合する考え方・手法。
- volume rendering
- 再構成データを3Dとして視覚化する技術。
- particle picking
- cryo-ETではサブトモグラムの抽出作業の一部。



















