

高岡智則
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降伏応力とは何か
降伏応力は、材料が外力を受けたときに「元の形に戻れなくなる境界となる力の強さ」を表す指標です。固体は力を引き伸ばすと最初は弾性変形(元に戻る変形)をしますが、ある力を超えると塑性変形に移ります。この「ある力」を示すのが降伏応力です。
身近な例として、金属の棒をぐっと引っぱると、伸びる方向に少し変形します。力を増やしていくと、弾性域はまっすぐ戻る範囲ですが、降伏応力を超えたときには元の形には戻りにくく、長くなったり曲がったりします。これが設計上の重要ポイントです。
降伏応力と降伏点の違い
一部の材料には「降伏点」と呼ばれるはっきりした点があり、その値をそのまま降伏応力と呼ぶこともあります。しかし多くの材料では降伏ははっきりせず、0.2%のひずみを超える点を降伏応力としてみなすオフセット法などで測定します。
降伏応力の測定方法
最も一般的なのは「引張試験(テンソ試験)」です。試験片を引張り、荷重と伸びを連続的に測定して材料の応力-ひずみ曲線を作ります。曲線には弾性域と塑性域があり、弾性域は直線的に上がり、降伏すると曲線が少し緩やかになります。0.2%オフセット法は、降伏がはっきりしない材料で降伏応力を定義する標準的な方法です。
単位と数値の目安
降伏応力は主に「MPa(メガパスカル)」という単位で表します。1 MPa は 1 N/mm^2 に相当します。身近な金属の目安は次のとおりです。鋼は約250 MPa 前後、アルミ合金は200〜300 MPa 前後、チタンは800〜1000 MPa 程度。材料によって大きく異なるため、用途に合わせて選ぶとよいです。
設計における意味
部品を設計するときには、降伏応力を超えないように設計荷重を決めます。なぜなら、降伏応力を超えると部品は永久変形を起こし、形状や大きさが変わってしまうからです。実務では通常、安全率(ファクター・オブ・セーフティ)を設定し、荷重が降伏応力に近づかないように設計します。
実際の計算のイメージ
例えば、断面積が約78.5 mm^2 の鋼の棒があり、降伏応力が 250 MPa だとします。降伏時に想定される力は F = 降伏応力 × 面積 なので、F ≈ 250 MPa × 78.5 mm^2 ≈ 19.6 kN です。これは設計時に「この棒が地面に引っ張られたとき、何ニュートンまでなら元に戻るのか」を示す目安になります。
材料の例と表での比較
以下は代表的な材料の目安です。数値は材料の状態によって変わります。あくまで目安として捉えてください。
| 材料 | 降伏応力の目安(MPa) | 用途の例 |
|---|---|---|
| 普通鋼(低炭素鋼) | 約250 | 自動車部品、建築部材など |
| アルミニウム合金(例:6061-T6) | 約275 | 航空機部材、自動車部品 |
| 銅系材料 | 約70〜100 | 電気部品、装飾材 |
| チタン合金 | 800〜1000 | 医療機器、航空宇宙部品 |
最後に覚えておきたいポイント
降伏応力は材料の耐力を示す基本的な指標であり、設計や品質管理の根幹を支えます。材料を選ぶときには、仕事で受ける荷重と形状、そして長寿命化の観点から降伏応力をチェックします。また、実際には降伏応力だけでなく、降伏点、極限強度、延性、靭性などの指標も合わせて評価することが大切です。
降伏応力の同意語
- 降伏強度
- 材料が弾性域を抜けて塑性変形を始めるときの応力。英語の yield strength に相当し、JIS や ISO の表で最も一般的に使われる同義語です。
- 降伏点応力
- 降伏点に対応する応力のこと。降伏点はひずみ曲線上の転換点で、そこに対応する応力が降伏点応力です。
- 降伏限界
- 材料が降伏を起こすとみなされる応力の別表現。文献によっては降伏強度と同義で使われます。
- 屈服応力
- 降伏とほぼ同義で用いられる表現。材料が塑性変形を始めるときの応力を指します。
- 塑性変形開始応力
- 材料が塑性変形を開始する時点の応力を、直感的に表現した言い方です。
- 降伏応力値
- 降伏応力の数値そのものを指す表現。設計や仕様書などで用いられます。
降伏応力の対義語・反対語
- 弾性限界
- 材料が弾性の範囲内で変形できる最大応力。これを超えると塑性変形が始まり、元の形状に戻らなくなる。降伏応力とは別の境界概念として対比的に理解されることが多い。
- 弾性域
- 材料が弾性の範囲で変形する領域。応力を取り除けば元の形状に戻る。降伏応力が現れる前の領域として、降伏応力の対局に位置づけられる。
- 引張強度(極限強度)
- 材料が引張り荷重を受けて耐えられる最大応力。降伏後の塑性変形を経た後に到達する最終的なピークではなく、破断前の最大値として扱われることが多い。
- 破断応力
- 材料が破断する直前の応力。降伏後の塑性変形を経た先に到達する、最終的な破壊点の指標となることが多い。
- 延性
- 大きく塑性変形できる性質。降伏後も大きく変形を続けられる柔軟さを示し、脆性の対義概念として語られることが多い。
- 脆性
- 比較的少ない塑性変形で破断する性質。降伏前に急に破断する場合があり、延性とは対照的な挙動を指す。
降伏応力の共起語
- 応力
- 材料に外部から加えられる力の状態を表す物理量。降伏応力はこの応力の値のうち、材料が塑性変形を開始する点を指します。
- ひずみ
- 材料の長さや形状の変化の割合を表す量。降伏前後でひずみの挙動が大きく変わることがあります。
- 降伏点
- 材料が弾性変形から塑性変形へ転換する点を表す値。降伏応力の目安となるポイントです。
- 降伏強度
- 降伏応力の別名。降伏という現象を示す力の大きさを指します。
- Rp0.2
- 0.2%のひずみを基準とした降伏応力の指標。鋼などで広く用いられる標準値です。
- 0.2%オフセット法
- 降伏応力を定義する標準的な方法の一つ。曲線を0.2%のひずみだけ外挿して求めます。
- オフセット法
- 降伏応力を決定するための基準法の総称。0.2%オフセットが代表例です。
- 弾性限界
- 材料が完全に元の形状へ戻ることができる最大応力のこと。降伏点より前の領域です。
- 弾性領域
- 応力-ひずみ曲線の直線部分。ここでは材料は元に戻る性質を示します。
- ヤング率
- 材料の剛性を表す指標。弾性領域の曲線の傾きを決定します。
- 弾性模量
- ヤング率の別名。材料の剛性を示す物理量です。
- 応力-ひずみ曲線
- 材料に荷重をかけたときの応力とひずみの関係を表す曲線。降伏点はこの曲線上の特徴点です。
- 材料力学
- 材料の強度・変形を扱う学問分野。降伏応力は重要な指標の一つです。
- 金属材料
- 鉄・鋼・アルミニウム・銅など、金属で構成される材料の総称。降伏応力は材料種によって大きく異なります。
- 鋼
- 鉄を主成分とし炭素量などを調整した材料。Rp0.2 などの指標で降伏強度が評価されます。
- アルミニウム
- 軽量金属で、鋼に比べ降伏強度は一般に低めですが加工性に優れます。
- 加工硬化
- 塑性変形を受けると材料が硬くなる現象。降伏応力を高める要因の一つです。
- 熱処理
- 焼入れ・焼戻しなどで降伏応力を調整する処理。材料の機械的性質を大きく変えます。
- 温度依存性
- 温度が変わると降伏応力も変化します。高温では一般に降伏強度が低下します。
- ひずみ率
- ひずみの変化速度。ひずみ率が大きいと降伏応力が変化することがあります。
- 引張試験
- 材料の機械的性質を測定する基本的な試験。降伏応力はこの試験から求められることが多いです。
- 降伏比
- 降伏応力と引張強度の比率。材料の安全性・性能の比較指標として用いられます。
降伏応力の関連用語
- 降伏応力
- 材料が弾性変形を終え、塑性変形を始めるときの代表的な応力値。実務では多く0.2%ひずみオフセット降伏強さで定義される。
- 降伏点
- 応力-ひずみ曲線上での降伏が起こる点。鋼などでは上降伏点と下降伏点が現れることがある。
- 弾性限
- 材料が元の形に戻る弾性変形の限界となる応力。これを超えると塑性変形が始まる。
- 比例限界
- 応力とひずみが線形に比例する範囲の限界点。これより下はフックの法則が成立する。
- 0.2%オフセット降伏強さ
- ひずみ0.2%を基準に、基準直線を引いてその交点の応力を降伏強さとする定義。実務で広く用いられる。
- 上降伏点
- 材料の降伏が最初に起きて、応力が一時的に上向きになる点。
- 下降伏点
- 降伏が続く中で、応力が再び低下して塑性変形が進む点。
- 応力-ひずみ曲線
- 材料に荷重をかけたときの応力とひずみの関係を示す図。弾性域・降伏・塑性・最終強度が分かる。
- 引張試験
- 試験片を引っ張って材料の機械的特性を測定する標準試験。降伏応力・耐力・伸びなどを得る。
- 弾性係数(Young係数)
- 応力とひずみの直線部分の勾配。材料の剛性を表す。
- 弾性領域
- 荷重を加えても形状が元に戻る領域。
- 塑性領域
- 荷重を戻しても形状が元に戻らない領域。永久変形が起きる。
- 延性
- 材料が大きく伸びて破断する性質。降伏強さと関連する信頼性指標。
- 加工硬化
- 塑性変形を繰り返すことで材料の強度・降伏応力が上がる現象。
- 降伏比
- 降伏応力を引張強さで割った比。材料特性の指標として用いられる。
- ひずみ
- 材料の伸びや変形の度合いの量。無次元の量で表される。
- 応力
- 単位面積あたりの力。材料が受ける荷重の強さを表す。
- オフセット法
- 降伏強さを求める方法の総称。0.2%オフセットが最も一般的。
- 温度効果
- 温度が上がると降伏強さは低下することが多く、低温で高くなることもある。
- ひずみ速度効果
- ひずみの変化速度(速さ)が降伏強さに影響を与える現象。
- 熱処理
- アニーリング・焼入れ・焼戻し等で材料の降伏強さを変える処理。
- 応力集中
- 欠陥や形状から局所的に応力が高くなり降伏を促進する現象。
- フォン・ミーゼス降伏条件
- 多軸応力下で降伏を判断する代表的な降伏条件。
- Tresca降伏条件
- 別の降伏条件。実務・解析で使われる。
- UTS(引張強さ)
- Ultimate Tensile Strengthの略。引張試験で材料が耐えることのできる最大応力。
- 設計応力 / 許容応力
- 構造物設計で用いる、材料が安全に耐えるべき最大応力の目安。
- 合金・鋼種別の降伏強さ
- 鋼種や合金の組成により降伏強さは大きく異なる。
- 硬さと降伏強さの関係
- 硬さが高いほど降伏強さと相関することが多いが、必ずしも同一ではない。



















