dentry・とは？初心者が押さえる基礎解説と使い方ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

dentry・とは？

結論から言うと、dentry（ディentry? と読みます）はディレクトリエントリの略称で、ファイル名とファイルの場所を結ぶ“橋”のような役割を持つ仕組みです。OSがファイルを開くとき、名前から実体へと導く途中経路を管理する重要な要素です。

dentryの役割とは

ファイルを開くとき、OSはパスを左から右へと読み解きます。その過程でdentryが登場し、各ディレクトリ名とその位置情報を結び付けることで、次の段階へスムーズに進むことができます。これにより、同じファイルを何度も開く場合でも効率よく処理が進みます。

inodeとの違い

inodeはファイルそのものの情報を持つデータ構造で、権限・サイズ・作成日などを保持します。一方、dentryは名前と場所の解決情報をキャッシュする役割を持つもので、ファイルそのものの情報はinodeが管理します。

仕組みとパス解決

パス解決の流れを簡単に描くと、/で始まる階層を左から右へ順にたどり、各段階で対応するdentryを探します。キャッシュにヒットすればすばやく次の段階へ進み、ヒットしなければディスクから情報を読み込み新しいdentryを生成します。

キャッシュのメリットと注意点

メリットとして、頻繁なパス解決を避けられるため、ファイルアクセスが速くなります。特にサーバーや多くのファイルを扱う場面で効果が高いです。

注意点として、ディレクトリやファイルが移動・削除されてもキャッシュを正しく更新し続ける必要があります。OSは通常自動的に整合性を保ちますが、運用者は挙動を理解しておくとトラブルを減らせます。

実務で覚えておきたいポイント

以下のポイントを覚えておくと、ファイルシステムの理解が深まります。

用語	説明
dentry	ディレクトリエントリ。ファイル名と場所を結ぶ橋の役割。
inode	ファイル自体の情報を保持する構造体。
dcache	dentryのキャッシュ。パス解決の高速化に寄与。

dentryの実例と誤解を解く

実務では「dentryはゲームのような名前付けの世界だ」と勘違いされがちですが、実際にはOSの内部キャッシュの一部です。人間が使うツールではないので、開発者はその挙動を理解しておくことで、ファイルシステムのパフォーマンス調整やトラブルシューティングがしやすくなります。

まとめ

dentryはファイル名とファイル実体を結ぶ道具立てであり、inodeと組み合わせることで、OSは私たちが普段使うファイルを高速かつ安定して扱えるようにしています。パス解決の過程で何度も登場する概念なので、基本を押さえておくと、Linuxの仕組みやシステムの動きを理解する手助けになります。

dentryの関連サジェスト解説

dentry cache とは: dentry cache とは、Linux の仮想ファイルシステム（VFS）の中で、ファイル名の検索を速くするための仕組みです。私たちがファイルを開くとき、OS はまず「このパスはどの場所にあるのか」を探します。これにはディスクを何度も読む作業が伴い、時間がかかります。そこで dentry cache（ディレクトリエントリキャッシュ）という場所に、直近に使われたパスの情報を覚えておき、同じ名前を再度たどるときにはすぐに対応する inode（ファイル本体の情報）を取り出せるようにします。dentry は「ディレクトリ内のファイル名とそれに対応する inode の情報」を指す札のようなものと考えるとわかりやすいです。キャッシュには、実際に存在するファイルの情報（正のエントリ）だけでなく、その名前が存在しないことを記録する負のエントリもあり、今後の同名検索を速くします。これにより、同じファイルを頻繁に開く場合や長いパスをたどる場合の処理が大幅に速くなります。

dentryの同意語

ディレクトリエントリ: ディレクトリ内の1つのエントリで、名前とそれに対応するファイル情報を管理する情報。dentry の別表記として使われることが多い。
dirent（ディレクトリエントリ）: POSIX のユーザー空間で使われる概念に近い、ディレクトリ内のエントリを表す英語表記。ファイル名とファイルID（inode など）への参照を含む情報のセットとして扱われる。
ディレクトリ・エントリ: 上記と同じ意味の別表記。ディレクトリ内のファイル名と対応するファイル情報を結びつけるエントリのこと。

dentryの対義語・反対語

inode（アイノード）: ファイルそのもののメタ情報とデータブロックの所在を管理する、ディスク上の実体データ構造。dentry が名前解決とキャッシュ的役割を担うのに対して、inode はファイルの本体情報を保持します。対義語というより、役割の対比として挙げられる概念です。
ファイル本体データ: 実際のファイルの中身（バイト列）。dentry はファイル名と inode の対応を管理する“名前解決の記録”であり、ファイルの中身そのものとは別物です。
データブロック: ファイルデータが実際に格納されている物理的な最小単位。dentry はその具体的なデータを直接参照するわけではなく、inode を介して間接的にファイルを特定します。
削除済みディレクトリエントリ: すでに削除・解放されて無効になったディレクトリエントリ。有効な dentry（存在する名前解決の結果）と反対の状態を示すイメージとして挙げられる概念です。

dentryの共起語

inode: ファイルやディレクトリのメタデータを格納するデータ構造。ファイルサイズ、権限、所有者、タイムスタンプなどを管理します。
dcache: dentryキャッシュ。最近参照したディレクトリエントリを記憶して、再度の名前解決を速くする仕組み。
d_inode: dentryと対応するinodeの結びつきを指すポインタで、実ファイルの情報とディレクトリエントリを結ぶ役割をします。
d_parent: このdentryの親ディレクトリを指すdentry。パスを辿るときの上位参照。
d_name: dentryが表す名前文字列。ファイル名そのものを保持します。
d_hash: dentryをハッシュ検索する際に用いられる値。dcache内の高速検索を可能にします。
negative_dentry: 実体のinodeを持たず、存在しないファイルを表すdentry。ネガティブキャッシュの一部。
d_revalidate: キャッシュの有効性を保つため、ファイルシステムに対して再検証を行う関数。
d_add: 新しいdentryをdcacheへ追加する操作。名前解決の結果をキャッシュに保存します。
d_lookup: dentryを検索・取得する操作。見つからなければ新規作成することもあります。
path: 構造体path。パスの情報をまとめて保持する、名前解決の途中経過を表すデータ。
namei: 名前解決の実装エントリ。パスをinodeに結びつける処理を担います。
nameidata: 名前解決時の状態を保持するデータ構造。入力情報と結果を格納します。
path_lookup: ユーザーが指定したパスを解決してpathを得る処理。
vfsmount: 仮想ファイルシステムのマウント点情報。どのファイルシステムがどこに掛かっているかを示します。
vfs: 仮想ファイルシステム。複数の実ファイルシステムを統一的に扱う層。
dentry_operations: dentryに対する操作群。d_releaseなど、キャッシュ管理や整合性維持のための関数群。
dget: dentryの参照を1つ増やす操作。参照カウントを管理します。
dput: dentryの参照を1つ減らす操作。参照数が0になると解放されます。
mount_point: ファイルシステムがマウントされている地点。ディレクトリツリー内の接続点。
root_directory: ファイルシステムの最上位ディレクトリ（ルート）。/ に対応するdentryです。
namecache: 名前キャッシュの古い用語。dcacheと同様の概念を指すことがあります。
cache: キャッシュ全体の意味。dentryキャッシュを含む様々なデータの一時保存領域。

dentryの関連用語

dentry: ファイル名をディレクトリ内のエントリとして表す、VFSの基本データ構造。inodeとの対応づけやパス解決の際のキャッシュとして機能します。
dcache: dentryキャッシュ。最近使用されたディレクトリエントリの情報をメモリ上に保存して、名前解決を速くする仕組みです。
inode: ファイル自体の実体で、権限・サイズ・タイムスタンプなどのメタデータを保持します。dentryはinodeへの参照を持ちます。
vfs: 仮想ファイルシステム。実際のファイルシステムに依存せず、共通のインターフェースでファイル操作を提供する枠組みです。
namei: パス名を解決してinodeに結びつける名前解決のルーチン。dentry/dcacheの利用を含みます。
nameidata: namei実行時に使われるデータ構造。パスの各要素を解決する状態を保持します。
positive_dentry: 実在するファイル・ディレクトリを指す有効なdentryのことです。
negative_dentry: 存在しない名前を指すdentry。ネガティブキャッシュとして機能し、再探索を抑制します。
d_inode: dentryが参照するinodeへのポインタです。
d_parent: 親ディレクトリを指すポインタ。階層構造の参照に使われます。
d_name: dentryが表す名前情報。名前文字列を保持します。
d_hash: dentryのハッシュ表。名前解決を高速化するための索引として機能します。
dget: dentryの参照カウントを増やして生存を保証します。
dput: dentryの参照カウントを減らし、不要になれば解放します。
path: 現在のファイルパスや、あるファイルへのパス情報を表す構造です。
vfsmount: ファイルシステムをマウントする際の情報を表す構造です。
mountpoint: ファイルシステムのマウント点。ディレクトリツリーの接続点です。
autofs: 自動マウントを行う仕組み。dentryキャッシュと連携して動作します。
d_revalidate: キャッシュの整合性を保つため、古くなっていないかを検証します。
d_add: 新しいdentryをdcacheに追加します。
d_lookup: 名前に対応するdentryをdcacheから探す関数です。
reference_counting: dentryの生存期間を管理する参照カウントの仕組みです。
lookup: 名前解決の過程全般を指す動作です。
negative_cache_hits: ネガティブキャッシュがヒットした場合の再探索を省略する挙動です。
namespace: 名称空間。複数のマウントや名前解決範囲を管理する概念です。
rename_and_move: 名前の変更・移動（リネーム）操作時のdentryの扱いです。
dcache_coherence: dentryキャッシュの整合性を保つ仕組みです。
name_cache: 名前解決結果をキャッシュする仕組み。dcacheの前段にあり、同じ名前の再検索を高速化します。
path_lookup: ディレクトリ内の名前を順次解決して、目的のdentry/inodeへ導く処理の総称です。
dentry_operations: dentryの操作群を定義する構造体。キャッシュの検証・ハッシュ・比較などをカスタマイズ可能にします。