tracepathとは？初心者にもわかる使い方と仕組みの解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

tracepathとは？

tracepathはネットワークの経路を調べるためのコマンドの一つです。主に Linux や Unix 系の環境で使われ、ネットワークのトラブルシューティングや接続経路を知りたいときに役立ちます。tracepath はよく使われる traceroute の代替ツールとして紹介されますが、特徴が少し異なります。特に初心者にはMTUの考え方が学べる点が魅力です。MTU とは通信に使える最大のデータ量のことです。経路上のリンクごとにこの値が異なるため、途中で通信が分割されるとパフォーマンスが落ちたり通信が途切れたりすることがあります。tracepath の結果はこのMTUの差を理解するのに役立ちます。

tracepathの基本的な仕組み

tracepath は宛先へ向けてパケットを送信し、途中の各ルータから返ってくる ICMP メッセージを集めて、経路を表示します。送信するパケットには生存時間を表す TTL の値が段階的に増えるように設定され、各ホップでの応答が取得されます。これにより「このホップはどの機器か」「どれくらい時間がかかっているか」を順番に知ることができます。

特徴のひとつとして、tracepath は パス MTU の推定 を自動で試みます。 probes のサイズを変えながら送信することで、途中のリンクが許容する最大データ長を見積もることが可能です。これによりネットワークのボトルネックを特定しやすくなります。

使い方の基本

基本的な使い方はとてもシンプルです。コマンドラインで次のように入力します。tracepath ホスト名または IP。例としては「tracepath example.com」や「tracepath 93.184.216.34」などです。これだけで経路上の各ホップと応答時間が表示されます。

DNS 名を解決せずに IP アドレスだけを表示したい場合にはオプションを使います。代表的な例として「tracepath -n example.com」が挙げられます。このオプションは名前解決にかかる時間を短縮したい時に便利です。

出力の読み方と注意点

tracepath の出力は、各行がひとつのホップを表します。行の中には「ホップ番号」「IP アドレス（場合によりホスト名）」そして「 RTT の値」が表示されます。途中のホップが「*」になることがありますが、必ずしも故障を意味するわけではなく、応答が返ってこないだけの場合もあります。

また MTU の推定結果は、実際の通信における最適 MTU の目安として使えます。MTU が不足していると大きなデータを送る場合に断片化が起き、通信の遅延やパケット損失が発生することがあります。tracepath の結果を見て、必要に応じて経路の MTU に合わせてアプリケーションのデータサイズを調整することができます。

出力例と解釈

以下はイメージとしてよく見かける出力の例です。実際の数値やアドレスは環境によって異なりますが、構成は似ています:

例：tracepath example.com

1?: 192.168.1.1 0.123 ms

2?: 203.0.113.1 1.234 ms

3?: 198.51.100.5 3.210 ms

4?: example.com (93.184.216.34) 12.345 ms

トラブルシューティングのヒント

ネットワークの経路が思うように表示されない時は、いくつかの点を確認します。まず ファイアウォールやセキュリティ機器が ICMP メッセージをブロックしていないか、次に 宛先のサーバが ICMP に対する応答を抑制していないか、そして多くのケースでは 複数の経路を横断する際のポリシーや経路変更 が原因であることが多いです。

表で見る比較

項目	tracepath	traceroute
主な目的	経路の表示と MTU 推定	経路の表示
主な環境	Linux 等の UNIX 系環境で手軽	多くの OS で利用可
出力の特徴	各ホップと RTT、MTU の関係を示す	各ホップと RTT、場合によっては使用ポート情報

tracepath はネットワークの学習にも役立つ有用な道具です。実務での問題解決にも活躍しますので、使い方を覚えておくと役に立つでしょう。実際の運用では、環境ごとに違いがある点を意識して読み解くことが大切です。

tracepathの同意語

traceroute: 宛先までの経路をホップごとに表示し、各ホップの応答時間を測定するネットワーク診断コマンド。tracepathと同様の目的で使われるが、実装や挙動が異なる場合がある。
経路追跡: ネットワーク上のデータが通る経路を追跡して可視化する行為。宛先までの経路情報を把握するために用いられる概念。
ルート追跡: 通信の経路（ルート）を追跡して、途中の機器と遅延を把握する行為。
経路探索: 宛先へ至る経路を探索し、途中のホップを特定する作業。診断時の情報収集を指す言い換え。
パス追跡: パス（経路）を追跡して、宛先までの道順を可視化すること。
ホップ追跡: 通信経路上の各ホップを追って、応答時間や生存性を確認する作業。
トレースルート: Traceroute の日本語表現の一つ。宛先までの経路を追跡して表示する機能を指す言葉。
トレースパス: tracepath の日本語表現の一つ。ルート経路の探索とホップ情報の表示を指す言葉。
trace route: 英語の表記ゆれ。tracepath と同等の経路追跡機能を指す言葉。
経路調査: 宛先までの経路を調査して、途中のホップと到達性を確認する行為。

tracepathの対義語・反対語

経路追跡を行わない: tracepathの機能である経路追跡を実行せず、宛先までの経路を辿らない状態を指します。
直接到達: 宛先へ直接到達することで、途中の経路探索や表示を省くイメージです。
経路表示を無効化する: 経路情報の表示をオフにする設定・挙動を意味します。
静的ルーティングを使用する: 動的な経路探索を行わず、固定された経路表（静的ルート）を使って到達する状態を指します。
経路情報を公開しない: ネットワークの経路情報を外部へ公開せず、非公開にすることを意味します。
経路探索を拒否する: 新しい経路を探索する機能を停止させることを指します。
ルート発見を行わない: 新しい経路を見つける作業を実施しない状態を表します。
追跡不要モード: tracepathの追跡機能を使わないモード・設定の呼び方です。
直接接続優先: 経路探索を回避して、可能な場合は宛先へ直接接続することを優先する考え方です。

tracepathの共起語

tracepath: Linux系のネットワーク診断コマンドの名称。経路を調べるために使われる traceroute に似たツールです。
traceroute: tracepath と同様に経路検査を行うコマンド。TTLを段階的に上げて各ホップの応答を測定します。
TTL（Time To Live）: パケットが生存できる最大ホップ数の指標。0になると破棄され、ICMP Time Exceeded が返されることがあります。
ICMP: インターネットコントロールメッセージプロトコル。経路検査時のエラーメッセージや応答に使われます。
UDP: ユーザデータグラムプロトコル。tracepath/ traceroute のプローブとして使われることがあり、宛先ポートに到達不能エラーを返す場合があります。
IPv4: インターネットプロトコルの第4版。現在も多くの通信で使われる基本規格です。
IPv6: 次世代のIP規格。IPv6経路検査にも対応するツールがあります。
ホップ: 経路上の中継点となるルータのこと。tracepathは各ホップの情報を表示します。
ホップ数: 経路上を通過するホップの総数。経路の長さを示す指標です。
遅延: パケットが目的地へ到達するまでに要する時間。経路検査でよく観察される指標です。
応答時間: ホストやルータからの返答が返ってくるまでの時間。遅延と同義で使われます。
パケット: ネットワーク上で送受信されるデータの最小単位。検査時には小さめのパケットが使われます。
パケット損失: 途中で届かなかったパケットの割合。経路の品質を示す重要な指標です。
ルータ: 受信したパケットを次の宛先へ転送する中継機器。経路検査で最も頻繁に現れます。
ファイアウォール: 不正アクセスを遮断するセキュリティ機器。検査の結果に影響を与えることがあります。
ミドルボックス: NAT、IDS、プロキシなど、ルータとエンドホストの間にある機器。経路検査にも影響します。
MTU: 最大転送単位。リンクごとに制限があり、経路検査で断片化の有無に影響します。
Path MTU Discovery: 経路全体の最適なMTUを動的に検出する仕組み。検査の断片化を回避するのに役立ちます。
ネットワーク診断: 通信経路や状態を調べる技術全般。tracepathはその一部です。
トラブルシューティング: ネットワークの問題を特定・解決する作業全般。
経路情報: 送信元から宛先までの経路に関する情報全体。ホップ、遅延、損失などを含みます。

tracepathの関連用語

tracepath: 宛先までの経路を調べるネットワーク診断コマンド。パケットに TTL を適用して各ホップの応答を表示し、往復時間と経路 MTU の推定を提供します。通常は IPv4 の経路探索に使用され、IPv6 には tracepath6 が用意されています。
tracepath6: tracepath の IPv6 対応版。IPv6 アドレスを対象に経路と RTT、経路 MTU の推定を行います。
traceroute: tracepath とよく似た経路探索ツール。TTL の制限をつけてパケットを送出し、各ホップの IP アドレスと RTT を表示します。実装により UDP/ICMP/TCP のプローブが使われます。
path MTU discovery: 経路 MTU 発見。宛先までの経路で許容される最大パケットサイズを推定する仕組みで、途中のノードが大きなパケットを通せるかを確認します。
MTU: 最大転送単位の略。1 パケットに含められるデータの最大量を指します。
TTL (Time To Live): パケットがネットワーク内を跳べる最大ホップ数を示す IP ヘッダの値。値が 0 になると途中の機器が破棄してエラーメッセージを返します。
ICMP: Internet Control Message Protocol。エラーメッセージや診断用メッセージを送るためのプロトコルです。
ICMP Time Exceeded: TTL が 0 になった際に返される ICMP メッセージ。経路探索で次のホップを知らせるのに使われます。
ICMP Destination Unreachable: 宛先に到達できない場合に返される ICMP メッセージ。パケット拒否の理由を伝えます。
UDP: User Datagram Protocol。信頼性のないデータグラム配送のプロトコルで、Traceroute 系のプローブとして使われることがあります。
UDP probe: 経路探索で使用される UDP プローブ。高いポート番号へ送信し Port Unreachable の応答を測定に利用します。
RTT: 往復時間。プローブを送ってから応答が戻るまでの時間を測定します。
Hop: 経路上の中継点。ルータやゲートウェイなどを指します。
Probe packets: 経路探索のために送られる測定用パケットの総称です。
DNS resolution: ホスト名を IP アドレスに変換する処理。tracepath は宛先名を解決して表示することがあります。
IPv4: Internet Protocol の第四版。概念的には 32 ビットのアドレス空間を使用します。
IPv6: Internet Protocol の第六版。128 ビットのアドレス空間を使用します。
Firewall / NAT interference: ファイアウォールや NAT がプローブを遮断・書き換え、経路計測の結果に影響を与えることがあります。
Maximum hops: 探索可能な最大ホップ数。コマンドラインで設定することがあります。
MTR: 連続的に各ホップの応答を表示するネットワーク診断ツール。tracepath/traceroute の補助として使われることがあります。