

高岡智則
年齢:33歳 性別:男性 職業:Webディレクター(兼ライティング・SNS運用担当) 居住地:東京都杉並区・永福町の1LDKマンション 出身地:神奈川県川崎市 身長:176cm 体系:細身〜普通(最近ちょっとお腹が気になる) 血液型:A型 誕生日:1992年11月20日 最終学歴:明治大学・情報コミュニケーション学部卒 通勤:京王井の頭線で渋谷まで(通勤20分) 家族構成:一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹 恋愛事情:独身。彼女は2年いない(本人は「忙しいだけ」と言い張る)
プロファージ・とは?
プロファージとは、ウイルスのDNAが細菌の染色体に組み込まれた状態のことを指します。ここでいうウイルスは「ファージ」と呼ばれ、細菌を対象に感染します。ウイルスは普通は細菌を壊して増えるのですが、プロファージのときは細菌の中でおとなしく潜んでいます。
この状態は「潜伏状態」とも呼ばれ、細菌のDNAとウイルスDNAが一体となり、細菌の一部として増えます。新しい細菌が生まれるたびにウイルスの遺伝情報も複製され、細胞分裂とともに広がっていきます。
プロファージはなぜ重要なのでしょうか。第一に、細菌の性質が変化することがある点です。プロファージの遺伝子が細菌の性質(例:病原性や耐性)に新しい機能を与えることがあるのです。こうした現象は「水平遺伝子伝播」の一形態で、細菌が他の細菌と情報を交換する手助けになります。
ライフサイクルのしくみ
ファージには大きく分けて2つのライフサイクルがあります。1つは溶原性周期(lysogenic cycle)、もう1つは溶菌性周期(lytic cycle)です。プロファージは通常、溶原性周期で宿主の染色体に組み込まれて潜伏します。外部のストレスを受けると、活性化して溶菌性周期へ進み、ウイルスが大量に作られて宿主を破壊します。
これにより、細菌集団の性質が一変することがあります。新しく現れたウイルスは、再び他の細菌に感染して広がる可能性があるのです。なお、現代の研究ではこのような現象を「水平遺伝子伝播」と呼び、微生物の進化や耐性の拡がりを理解するうえで重要な役割を果たします。
現代の応用と例
現代の研究では、プロファージの存在や活性化の仕組みをヒトの病気対策や微生物の制御に活かす試みが進んでいます。ファージ治療は、抗生物質に耐性を持つ細菌を対象に使われる可能性があり、将来の医療の選択肢として注目されています。遺伝子工学の道具としてもファージを使い、遺伝子の挿入や操作を学ぶ研究が行われています。教育現場でも、プロファージの概念は生物の基本構造や遺伝のしくみを理解するのに役立つ教材です。
表
| 説明 | |
|---|---|
| プロファージ | ウイルスのDNAが細菌の染色体に組み込まれ、宿主細胞の中で長く潜伏する状態。 |
| 潜伏・潜伏感染 | ウイルスDNAが宿主の遺伝子と一緒に増え、まだ外にウイルスを作らない状態。 |
| 溶原性周期 | プロファージが宿主とともに増え、後に活性化して溶菌性周期に移る前の状態。 |
| 溶菌性周期 | 活性化後、ウイルスが新しいファージを作って宿主を破壊する周期。 |
まとめ
プロファージは、ウイルスDNAが細菌の染色体に組み込まれて潜伏する現象です。外部のストレスをきっかけに活性化することがあり、細菌の性質や伝播の仕方にも影響を与えます。中学生にも理解しやすい基本的な生物の仕組みとして覚えておくとよいでしょう。
プロファージの同意語
- 潜伏ファージ
- 宿主細菌のゲノムに組み込まれ、感染性粒子をすぐには作らないファージ。環境変化で再活性化すると溶原化から新しいウイルス粒子を放出することがある。
- 潜伏性ファージ
- 宿主ゲノムへ統合され、潜伏状態をとるファージ。条件が変わると溶原化に移行してウイルスを放出することがある。
- 温潜性ファージ
- temperate phage。リソージェンシー(溶原性)とライシスの両方のライフサイクルをとるファージ。
- リソゲンファージ
- lysogenic phage。宿主ゲノムへ組み込まれ、長期間共存する性質をもつファージ。
- 溶原性ファージ
- lysogenic phage。宿主ゲノムに統合され、誘導されると新たな粒子を放出する。
- プロファージDNA
- プロファージのDNA配列。宿主ゲノム中に存在するファージ由来の遺伝子群。
- プロファージゲノム
- 宿主ゲノム内に統合されたプロファージの全ゲノム情報。
- 統合ファージゲノム
- ファージゲノムが宿主ゲノムへ統合された状態の表現。
- 宿主ゲノム内プロファージ
- 宿主細菌のゲノム内にあるプロファージそのもの。
- 潜伏性プロファージ
- 潜伏状態のプロファージ、宿主ゲノムへ統合されている状態。
- 溶原化ファージ
- 溶原化(lysogenization)を引き起こすファージ、潜伏性ファージの一種。
プロファージの対義語・反対語
- 裂解性ファージ
- 宿主細胞を溶解させて増殖するライフサイクルをとるファージ。プロファージが宿主ゲノムへ組み込まれて潜伏する状態の対義語として、活発に増殖して宿主を破壊するイメージです。
- 自由ファージ粒子
- 宿主ゲノムへ組み込まれていない、遊離したファージ粒子のこと。プロファージ状態の対義として“組み込まれていない状態”を示します。
- 非プロファージ状態
- 宿主ゲノムにファージDNAが組み込まれていない状態のこと。プロファージが形成されていない、またはすでに解放された状態を指します。
プロファージの共起語
- バクテリオファージ
- 細菌を感染させるウイルスの総称。プロファージはこのファージのゲノムが宿主ゲノムに潜伏している状態を指す。
- 噬菌体
- ファージの別称。細菌を感染するウイルス。
- ファージ
- 細菌を感染するウイルスの総称。プロファージはこのファージのゲノムが宿主ゲノムに潜伏している状態を指す。
- ライソゲン
- 宿主ゲノムにプロファージが統合され、潜伏している状態。ライソゲン化とも呼ばれる。
- ライソゲン状態
- 宿主ゲノムにファージゲノムが統合され、潜伏している状態のこと。
- 宿主ゲノム
- プロファージが統合される宿主細菌の全DNA。
- 宿主細胞
- プロファージの宿主となる細菌の細胞。
- 統合
- ウイルスゲノムが宿主ゲノムの一部として組み込まれる現象。
- エクシシオン
- 潜伏したプロファージが活性化の際に宿主ゲノムから分離され、独立したファージゲノムとなる過程。
- 誘導
- DNA損傷などの刺激でプロファージが活性化し、溶原状態から新たなファージを産生する現象。
- 潜伏感染
- ウイルス遺伝子が宿主細胞内に潜伏している状態で、外部刺激で活性化することがある。
- ウイルスゲノム
- ウイルスの全遺伝情報。プロファージは宿主ゲノム中にファージゲノムの一部を保持する。
- 遺伝子発現
- プロファージ遺伝子が宿主の転写・翻訳経路で発現することがあり、宿主の機能に影響を与える。
- 再組換え
- 宿主ゲノムとプロファージ遺伝子の間で遺伝子の再配置が起こること。
- CRISPR-Cas
- 細菌の免疫系の一種。ファージの感染を防ぐ仕組みで、宿主側の防御とプロファージの関係性が研究される話題。
プロファージの関連用語
- プロファージ
- 細菌のゲノム中にファージ由来のDNAが組み込まれ、潜伏的に宿主と共存している状態。
- 潜伏感染周期
- ファージのDNAが宿主ゲノムに組み込まれ、宿主の分裂とともに伝えられる長期的なライフサイクル。
- 温性ファージ
- 潜伏感染と裂解感染の両方を選択できるファージの性質。
- λファージ
- 大腸菌で広く研究される代表的な温性ファージ。プロファージと宿主の相互作用を研究するモデル系。
- リゾゲン株
- プロファージを宿主ゲノムに保持している細菌株。条件次第で誘導して溶裂させることがある。
- インテグラーゼ
- ファージと宿主ゲノムの特定部位を組み込み・切断する酵素。
- attP
- ファージ側の組み込み部位(attachment site)で、宿主ゲノムへの組み込みの出発点となる。
- attB
- 宿主ゲノム側の組み込み部位。attPと組み合わさってプロファージの統合を可能にする。
- attL
- 組み込み後に生じる左境界の部位。
- attR
- 組み込み後に生じる右境界の部位。
- エクシジョナーゼ(Xis)
- プロファージを宿主ゲノムから切り離す際に働く補助因子。
- cIリプレッサー
- 潜伏感染を維持する転写抑制タンパク質。
- Croタンパク質
- 裂解感染を促進する転写因子。
- 超感染免疫
- 同じ宿主細胞に対する別のファージの再感染を抑える免疫機構。
- リゾゲン変換
- プロファージの保持中に宿主の表現型が変化し、新しい機能を獲得する現象の総称。
- クリプトプロファージ
- 機能を欠く等の理由で活発な誘導ができない痕跡的プロファージ。
- 欠損プロファージ
- 機能を欠いたプロファージのこと。
- SOS応答
- DNA損傷時の細菌の応答経路。RecAの活性化によりプロファージ誘導を促進する。
- RecA依存誘導
- RecAの活性化がプロファージを溶裂へ誘導する機構。
- 誘導因子
- ミトマイシンC、紫外線などストレスがプロファージを誘導する要因。
- 溶菌サイクル
- ファージが宿主を破壊して新たなファージ粒子を作るライフサイクル。



















