citygml・とは？初心者が知っておくべき3D都市データの基礎共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

citygmlとは何か

citygmlは3D都市モデルを表現するための標準的なデータモデルと、それを表すためのエンコード形式の総称です。正式名は CityGML ですが、一般には citygml という表記で呼ばれることが多く、地理情報システム（GIS）で広く利用されています。citygmlは地形、建物、道路、植生、交通インフラなどを現実の都市空間として階層的に整理します。

なぜcitygmlが必要か

現代の都市計画や防災、環境分析では、2次元の地図だけでは不十分です。3D情報を活用して建物の形状や影響範囲を正確に把握する必要があります。CityGMLはデータの構造を標準化することで、違うソフトウェア間でも同じ意味の情報を正しく扱えるようにします。

構造とモジュール

CityGMLは複数のモジュール（部品）で成り立っています。代表的なものには 建物モジュール、道路モジュール、土地利用モジュール、植生モジュール、交通手段モジュール などがあり、それぞれが建物の外形だけでなく、属性情報（高さ、用途、材質、管理者など）を併せ持つことができます。

データの階層と例

下位のモジュール同士を組み合わせて、ひとつの都市モデルを作れます。以下は代表的な要素の一例です。

モジュール	代表的な要素
建物モジュール	Building、BuildingPart
道路モジュール	TransportationObject、Bridge
土地利用モジュール	LandUse、Woodland

データの表現方法

CityGMLは主にXMLベースの形式で書かれ、階層的なジオメトリと属性情報を組み合わせて保存します。近年ではJSON風の表現やGMLの拡張も登場し、さまざまなツールで扱えるようになってきました。

セマンティクスとLOD

セマンティクス（意味づけ）という概念も重要です。建物の用途、階数、材質、建設年などの属性を別に管理し、検索や分析を容易にします。またLODという階層的な詳細度の概念を使って、粗い外形から細かい内部構造まで表現します。LOD1は大まかな外形、LOD2は形状と大きさ、LOD3は内部構成、LOD4は窓や材料まで表現します。用途に合わせてLODを選ぶことでデータのサイズと処理コストを適切にコントロールできます。

具体的な活用シーン

・都市計画で3Dモデルを使い将来像を検証する。災害対策として洪水や地震時の影響をシミュレーションする。
・教育現場で地域の地理を3Dで学ぶ。
・建築・土木の現場で設計データと地理データを統合して作業を効率化する。

導入のヒント

初学者には、公開データセットを使ってモジュールごとの仕組みを練習するのが効果的です。ソフトウェアのチュートリアルを参照し、建物モジュールと道路モジュールの基本的な関係を試してみましょう。

互換性とツール

CityGMLは国際標準として多くのGISソフトウェアと連携します。QGISやFME、CesiumなどがCityGMLデータを扱えるようになってきています。データを公開する自治体や企業も増え、学習リソースも豊富です。

citygmlの同意語

City Geography Markup Language: CityGMLの正式名称。都市の3DモデルデータをXMLで記述する、OGCが定めた標準の名称です。
OGC標準のCityGML: Open Geospatial Consortiumが定めたCityGML規格を指す表現。公式名称として使われることが多いです。
3D都市モデル標準: 都市の建物・道路・地形などを3Dで統合的に表現するデータモデルの標準で、CityGMLはその代表例です。
GMLベースの都市3Dデータ形式: CityGMLはGML（Geography Markup Language）を土台に、都市の3D要素を記述するデータ形式です。
都市空間データの3D表現標準: 都市の空間情報を3Dで記述・共有するための国際標準のひとつです。
都市情報の3D表現言語: 都市データを立体的に表現するための言語仕様。3D要素の階層や属性を組み合わせて表現します。
3Dシティデータのマークアップ言語: 都市データを3Dで表現するXML系のマークアップ言語という見方です。

citygmlの対義語・反対語

2D地理データ: citygmlは3D都市モデルの標準ですが、対義語として平面情報のみの2D地理データを挙げます。
非都市部データ: 都市部以外の地域を対象とする地理データ・モデル。citygmlが都市・建物を中心に設計されているのに対して、郊外や農村を対象とします。
低詳細データ: 建物や道路の形状・属性が省略された、簡略化されたデータ。citygmlの豊富なジオメトリ表現と対照的。
田園型地理データ: 田園・農村エリアを中心に扱い、建物密度やインフラの情報が少ないデータ。
2D GISデータ: 地理情報を2次元で扱うデータ。3Dモデルを前提としたcitygmlの対極として使われます。
紙地図風データ: 印刷物の紙地図のように平面的・静的な表現をデジタル化したデータのイメージ。
非GMLデータ: GML形式を使わない地理データ・フォーマット。citygmlと違う標準を想定する場合の対義語的表現。
非都市3Dモデル: 都市部を対象としない、郊外・自然地形を対象とした3Dモデル。
地形データのみのモデル: 地形の高さ情報など地表形状だけを扱い、建物・道路などの要素を含まないモデル。
郊外・田舎の地理データ: 都市圏以外の郊外・田舎地域を対象とするデータ。
一般地物データ: 基本的な地物（点・線・面）の情報を最小限にしたデータ設計。
軽量データ形式: 容量を抑えた簡素なデータ形式。3D・豊富な属性を持たないことが多い。

citygmlの共起語

GML: Geography Markup Languageの略。地理情報をXMLで記述する国際標準。CityGMLはこのGMLを拡張して3D都市データを扱います。
OGC: Open Geospatial Consortium。地理空間データの標準化を推進する国際組織。
XML: Extensible Markup Language。データを階層的に記述するマークアップ言語。
XSD: XML Schema Definition。XML文書の構造を定義する仕様。
LoD: Level of Detailの略。CityGMLで地物の詳細度を階層的に表す概念。
LoD0: 最も粗い詳細度。敷地境界と概略的外形のみを表現。
LoD1: ブロック状の建物外形などの初歩的3D表現。
LoD2: 建物外形と壁・屋根などの立体情報を含む中程度の表現。
LoD3: 屋根形状や属性を含む高詳細な3D表現。
LoD4: 非常に高密度の内部構造や詳細を含む最上位の表現。
ADE: Application Domain Extension。標準を拡張して独自データを追加する仕組み。
CityObject: CityGMLの基本的な地物の抽象クラス。建物・道路などの共通属性を定義。
Building: 建物を表すCityGMLの主要カテゴリ。
BuildingPart: 建物の部品。部屋や窓などの要素を分解して表現。
Bridge: 橋を表す地物カテゴリ。
Tunnel: トンネルを表す地物カテゴリ。
Road: 道路を表す地物カテゴリ。
LandUse: 土地利用を表す地物カテゴリ。
Vegetation: 植生を表す地物カテゴリ。
Appearance: 外観情報。材質・色・テクスチャなどを扱う要素。
Texture: テクスチャ情報。表面の見た目を定義。
MultiSurface: 複数の表面を組み合わせるジオメトリ。壁面・屋根などを一体化して表現。
Solid: 閉じた立体ジオメトリ。建物内部を含む場合の表現。
CityFurniture: ベンチ・街路灯など街路設備を表すカテゴリ。
TransportationComplex: 交通インフラの大規模な集合体を表すカテゴリ（道路・鉄道などを含む）。
3DCityDB: 3DCityDB。CityGMLデータを格納・管理するオープンソースのデータベーススキーマ。
WFS: Web Feature Service。地理データを取得する標準的なWebサービス。
EPSG: 座標参照系の標準コード。例: EPSG:4326。
CRS: Coordinate Reference System。座標系の総称。
GML3: GMLの第三世代規格。CityGMLはこのGMLを基盤としている。
ISO19136: GMLのISO規格番号。正式名称はISO 19136。
BIM: Building Information Modeling。建築情報モデル。CityGMLとの連携・データ連携で語られることが多い。
3DCityModel: 3D都市モデルの総称。市街地を3次元で表すデータのこと。
QGIS: QGIS。オープンソースのGISソフトウェアでCityGMLの表示・変換を支援することがある。
FME: FME。データ統合・変換ツールでCityGMLの導入・変換に使われることが多い。
KML: Keyhole Markup Language。地理データの表現フォーマットの一つで、CityGMLと連携する場面もある。
SRS: Spatial Reference Systemの略。座標系の別名として使われることもある。
TextureMapping: テクスチャマッピング。外観表現の一手法。
Annotation: 注釈情報。属性説明などを付加する要素。

citygmlの関連用語

CityGML: OGCが標準化した、都市を3DモデルとしてXMLで表現するデータモデル。建物・道路・水辺などの地物と、それに紐づく属性・関係性を階層化して管理します。
GML (Geography Markup Language): 地理情報をXMLで表現するOGCの基盤標準。CityGMLはこのGMLの考え方を拡張して、都市のオブジェクトを階層化して表現します。
OGC (Open Geospatial Consortium): Open Geospatial Consortiumの略。地理情報の標準化を推進する国際団体で、CityGMLはOGC標準に準拠しています。
LoD (Level of Detail): Level of Detailの略。CityGMLで表現の細かさの階層を示す概念で、LoD1〜LoD4が用いられます。
LoD1: 大まかな外形・位置だけを表現するレベル。建物の外形は大まかな塊として表現されることが多いです。
LoD2: 建物の外形（壁・屋根の形状）を表現します。街区の外観を実感できるレベルです。
LoD3: 建物の3D形状をより正確に再現。屋根形状やファサードの特徴まで表現します。
LoD4: 室内構造まで含める最高レベル。部屋の間取りや内部要素を表現します。
ADE (Application Domain Extension): Application Domain Extensionの略。用途固有のデータをCityGMLに追加する拡張機能で、地域ごとにカスタム属性を持たせられます。
Appearance (外観モジュール): 外観情報を扱うモジュール。色・テクスチャ・マテリアルなど、視覚表現に関するデータを管理します。
Core (コアモジュール): CityGMLの基礎となる共通データモデル。ジオメトリ・属性・トップロジーの基本機能を提供します。
Building (建物): 建物を表す主要クラス。BuildingPartと組み合わせて階層的に表現します。
BuildingPart (建物部位): 建物の部位・サブユニットを表す要素。階層化された建物構造を表現します。
Road (道路): 道路を表す要素。街路網の位置や属性、交通関連データを管理します。
Vegetation (植生): 樹木・草地などの植生を表現する要素です。環境情報の再現に使われます。
WaterBody (水域): 湖・川・海などの水域を表現する要素です。水域の位置や属性を管理します。
Semantic (セマンティック情報): 意味情報（クラス名・属性・関係性）を構造化して、検索・分析を容易にする要素です。
Geometry (ジオメトリ): 形状情報を表す部分。ポリゴン・ライン・ソリッドなどの幾何データを扱います。
CRS / Coordinate Reference System (座標参照系): 座標系の統一と変換を扱います。データの位置を正しく揃えるために重要です。
Exporters/Tools (エクスポータ・ツール): FME・Esri CityEngine・Safe Software など、CityGMLの入出力を支援するツール群です。