

高岡智則
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はじめに
このページではドナー準位とは何かを、初心者向けに丁寧に説明します。半導体の勉強を始めたばかりの人にとっては、用語が難しく感じることがありますが、図や例を交えながらかんたんに理解できるように進めます。
ドナー準位とは
ドナー準位は 半導体の中にある不純物が作るエネルギー準位のことです。不純物を加えることをドーピングといい、これによって材料の電気の流れ方が変わります。
理科で習うエネルギー準位は、価電子帯と伝導帯というふたつの帯に分かれています。ドナー準位はこのうち、伝導帯のすぐ下に位置します。ここに電子が入ると、電子はすぐに伝導帯へと跳ぶことができ、材料の電気を流す力が強くなります。
なぜ伝導に寄与するのか
不純物原子が持つ電子のエネルギーは、純粋な材料の電子よりも少し高めに設定されています。これを利用して、「電子を借りる」ことで、常温でも電子が動けるようになります。ドナー準位のエネルギーは、まれに数十ミリeV ほどで、温度が高くなると電子がこの準位から簡単に解放され、伝導電子として自由に動けるようになります。
実際の例と応用
半導体の代表的な不純物として、SiへPなどの元素を混ぜることがあります。これをN型半導体と呼びます。Pは電子を1個ずつ提供できるため、材料全体の自由電子が増え、電流が流れやすくなります。逆に、受容体準位の働きをする不純物を加えると、電子の代わりに「穴」が増え、N型とP型の違いが生まれます。これらの性質を組み合わせることで、ダイオードやトランジスタといった基本的な電子部品が作られています。
温度と濃度の影響
ドナー準位の影響は温度と不純物の濃度に左右されます。温度が高いほど電子が伝導帯へ動く確率は高くなり、電気を流す力が強まります。一方、低温になると、ドナー準位にある電子が伝導帯へ移る数が少なくなり、同じ濃度でも電気の流れが弱くなることがあります。濃度が高いと、より多くの電子が供給され、デバイスの性能が向上します。
重要なポイントのまとめ
| 準位の名称 | ドナー準位 |
|---|---|
| 位置 | 伝導帯のすぐ下付近 |
| 役割 | 電子を供給して伝導を助ける |
| 主な不純物の例 | Siへ対するPやAsなどのn型不純物 |
| 温度の影響 | 温度が高いほど電子が解放されやすい |
用語の対比
ドナー準位と受容体準位は別の働きをします。ドナー準位は電子を放出して伝導性を高めますが、受容体準位は電子を受け取って穴を増やす働きをします。これらの組み合わせが、電子機器の基本動作を支えています。
身近なつながり
身の回りのスマートフォンやコンピュータ、テレビなどの電子機器は、ドナー準位の働きによって電気をうまく流すことができます。難しい用語に見えるかもしれませんが、要は「不純物を入れると材料の性質が変わり、電気を流しやすくなる仕組み」です。理解のコツは、伝導帯と価電子帯の間にある小さなエネルギーの差と、その差を使って電子を動かす仕組みをイメージすることです。
よくある質問
Q1 ドナー準位はどうやって作られるのですか。 不純物原子が材料の中に入ることで作られます。
Q2 どうして温度が重要ですか。 温度が上がるとエネルギーの差を越えやすくなり電子の動きが活発になります。
最後に
今回紹介したドナー準位の考え方は半導体デバイスの基本となる重要な考え方です。中学生でも、エネルギー帯の話とドナー準位の役割を押さえれば、なぜ身の回りの機器が動くのかが見えてきます。
ドナー準位の同意語
- 供与準位
- 半導体中に存在する不純物由来のエネルギー準位。ドナー不純物が電子を伝導帯へ供与する性質を持つことで、電気伝導に寄与します。
- ドナーエネルギー準位
- donor energy level の直訳表現。ドナー準位と同義として使われ、エネルギー面を強調した言い方です。
- 供与レベル
- ドナー準位の別表現。読みやすい文献や講義ノートで見かけることがあります。
- ドナー準位エネルギー
- ドナー準位を指す表現の一種。エネルギー準位としての性質を強調した言い方です。
- 不純物準位(ドナー準位の一種)
- 半導体中の不純物由来エネルギー準位の総称のうち、ドナー準位はその一種として位置づけられます。
ドナー準位の対義語・反対語
- アクセプター準位
- ドナー準位の対になるエネルギー準位。アクセプター不純物が電子を受け取り、材料中に正孔を作ることで、半導体のP型導電性を生み出すときに関与します。
- 正孔準位
- 正孔(ホール)を形成するエネルギー状態。ドナー準位が電子を供給するのとは逆の役割で、材料中の欠陥が正孔を受け入れやすくする位置づけです。
- 受容体準位(アクセプター準位の別表現)
- アクセプター準位を別名として使う表現。読みは同じく“アクセプターじゅんい”で、電子を受け入れる性質を示します。
- 空孔準位
- 価電子帯で生じる正孔のエネルギー状態のこと。ドナー準位の反対イメージとして、正孔を供給する役割を連想させます。
ドナー準位の共起語
- ドナー濃度
- 半導体中に存在するドナー原子の総濃度。ドープ量の目安となり、自由電子の供給源になります。
- 有効ドナー濃度
- 補償や電離の実際の効果を考慮した、自由電子を供給できるドナーの濃度。温度依存性があります。
- ドナー原子
- 格子中に取り込まれ、ドナー準位を生み出す不純物原子。例: Si に P をドープした場合の P 原子。
- 格子置換型ドナー
- ドナー原子が格子サイトを置換して取り込まれるタイプのドナー。
- イオン化エネルギー
- ドナー原子を自由電子として電離させるのに必要なエネルギー。温度や光によって変化します。
- 温度依存性
- ドナーの電離状態が温度によって変化する性質。高温ほど自由電子が増えやすくなります。
- 活性ドナー
- 電子を自由に供給できる実質的なドナー原子のこと。
- 自由電子密度
- 伝導帯に自由に動く電子の密度。ドナーの電離によって増減します。
- 伝導帯
- 自由電子が振る舞うエネルギー帯。ドナー準位から電子がここへ移動すると伝導性が生まれます。
- 禁制帯
- 伝導帯と価電子帯の間のエネルギーギャップ。半導体の基本的な帯構造です。
- 受容体準位
- 不純物が作るエネルギーレベルで、価電子帯寄りに位置し、電子を捕捉してホールを作ることがあります。
- アクセプター準位
- 受容体準位の別称。ドナーとは反対に、電子を引き寄せずにホールを作る不純物準位。
- N型半導体
- ドナー準位を持つ不純物を添加して、自由電子が多数を占める半導体のタイプ。
- 光電離
- 光を吸収してドナー準位から電子を伝導帯へ励起する現象。温度だけでなく光照射でも起こります。
- 補償効果
- 複数種類の不純物がお互いを打ち消し合い、実効ドナー濃度を低下させる現象。
ドナー準位の関連用語
- ドナー準位
- 半導体内のドナー不純物が作るエネルギー準位。通常、伝導帯の底付近に位置し、ドナー準位から電子が熱励起で伝導帯へ移動することで自由電子が増え、n型の導電性が生じます。浅いドナー準位ほど常温で電離しやすいです。
- アクセプター準位
- 受容体(アクセプター)不純物が作るエネルギー準位。通常、価電子帯のすぐ上に位置し、価電子帯から電子を捕捉して空孔(ホール)を作ることで、p型の導電性が生じます。浅い準位ほど常温で電離しやすいです。
- 伝導帯
- 半導体中で自由電子が移動できるエネルギー帯。ここに電子が集まると電気が伝わります。
- 価電子帯
- 結合電子が占有しているエネルギー帯。電子が奪われるとホールが生じ、電気を運ぶことができます。
- 禁制帯
- 伝導帯と価電子帯の間のエネルギー領域。ここにバンドギャップがあります。
- バンドギャップ
- 伝導帯と価電子帯のエネルギー差(禁制帯の幅)のこと。材料ごとに異なり、半導体の性質を決めます。
- 浅いドナー準位
- 伝導帯に近い位置にあるドナー準位。小さな活性化エネルギーで電離しやすく、室温で自由電子を生み出しやすいです。
- 深いドナー準位
- 伝導帯から離れた位置にあるドナー準位。活性化エネルギーが大きく、室温では電離しにくいことがあります。
- イオン化エネルギー
- ドナー準位から伝導帯へ電子を解放(イオン化)するのに必要なエネルギー。
- 活性化エネルギー
- ある反応や現象を進めるのに必要なエネルギー。ドナーの電離にはこのエネルギーが関わります。
- 熱活性化
- 温度を上げてドナーの電離を促す現象。温度が高いほど電離が進みやすくなります。
- ドナー濃度
- 結晶中に含まれるドナー不純物の濃度。濃度が高いと自由電子の数が増え、n型が強くなります。
- ドーピング
- 半導体へドナー・アクセプターなどの不純物を添加する加工・処理のこと。
- n型半導体
- ドナーが多く、自由電子が主要な電荷キャリアとなる半導体。
- p型半導体
- アクセプターが多く、正孔が主要な電荷キャリアとなる半導体。
- フェルミ準位
- 半導体の統計的な最高占有エネルギー準位。ドーピングにより伝導帯寄り(n型)または価電子帯寄り(p型)へ移動します。
- 電子
- 負の電荷をもつ基本的なキャリア。ドナー準位から伝導帯へ移動して電気を運びます。
- ホール
- 正孔のこと。価電子帯の欠損として現れ、電気を正孔として運ぶキャリアです。
- キャリア濃度
- 自由に動く電子と空孔(ホール)の数。ドーピング量や温度で変わります。
- 補償
- ドナーとアクセプターの両方が存在すると、自由キャリアの数が相殺され、全体の導電性が抑制される現象。
- 補償型半導体
- 補償の影響を受ける半導体。ドナーとアクセプターの平衡によりキャリア濃度が抑えられます。
- ドナー不純物
- ドナーとして機能する不純物原子。例: シリコン中のリンなど。
- アクセプター不純物
- アクセプターとして機能する不純物原子。例: シリコン中の硼素など。



















