hateoasとは？初心者にも分かるRESTの新しい仕組み共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

hateoasとは？

hateoas は REST API の設計思想のひとつで、クライアントとサーバーのやり取りを「リンクを辿る」形で進める仕組みです。従来の API ではクライアントがURL を決めてリクエストを送ることが多かったのですが、hateoas を使うとサーバーが返す応答の中に、次に何をすれば良いかを示すリンクが含まれます。これによりクライアントは URL の構造を事前に覚える必要がなくなり、サーバー側の変更にも強くなります。

例えば、あるユーザーの情報を取得したときのレスポンスには、自己参照のリンクや関連する操作へのリンクが混ぜられます。rel という関係性の名前と href という URL がセットで提供され、それをたどることで次の操作へ進むことができます。こうしたしくみは、クライアントが新しい機能に気づきやすく、API の利用方法を自動的に導く力をもちます。

HATEOAS の仕組みをかんたんに解説

要点は次の三つです。第一に リンク中心のやりとり。リソースの表現にはリンクが含まれ、そこからできることがひと目で分かります。第二に rel と href。rel はリンクの意味を示し、href は次に進む URL です。第三に 自己完結的なレスポンス。クライアントは受け取った情報だけで、次の操作を選ぶことができます。

実際の例をひとつだけ文字で説明します。ユーザーの情報を取得すると、レスポンスには self リンクと orders リンクが含まれます。self は現在のリソースへのリンク、orders はこのユーザーの注文ページへのリンクです。クライアントは orders のリンクを選ぶことで、次に進むべきアクションを決定します。

導入のメリットは以下の通りです。変化に強い API、自己説明的なメッセージ、そして クライアントの実装を後方互換性を保ちながら進化させられる点です。

実務での使い方のヒント

初心者にとっての最初の一歩は、HAL や JSON:API などの標準的な形式を参考にすることです。まずは簡単なリソースに対して、自己参照と関連操作のリンクを返す小さな API を作成してみましょう。テストにもリンクの整合性を確認するチェックを追加します。導入初期はリンクの命名規約を統一することが重要です。

小さな表で要点を整理

要素	説明
self	現在のリソースへのリンク
rel	リンクの意味を示す関係性の名前
href	実際の操作先URL
links	複数のリンクを集めた集合

最後に、hateoas の導入は「使い物になる API を作る」ための道具立てです。クライアントがどう使うかを知ろうとサーバーが導くことで、将来の仕様変更にも対応しやすくなります。

hateoasの同意語

HATEOAS: REST API設計の原則の一つ。レスポンスにハイパーメディア（リンクやフォーム）を含め、クライアントがサーバー提供のリンクをたどって次の操作を決定する。状態遷移の手掛かりをクライアントに委ねる。
Hypermedia as the Engine of Application State: HATEOASの正式名称の英語表記。ハイパーメディアがアプリケーションの状態遷移を推進するという意味。
Hypermedia-driven REST API: REST APIをハイパーメディアを駆動源として設計するアプローチ。レスポンス内のリンク情報で次の操作を決定する。
Hypermedia-driven API: 同様の考えを指す表現。APIの操作がハイパーメディアのリンクに従って進むことを強調する言い方。
RESTful Hypermedia API: RESTの原則を満たしつつ、ハイパーメディアを活用したAPI。HATEOAS要素を組み込んだ設計。
Hypermedia-enabled REST API: ハイパーメディアを有効活用しているREST API。クライアントはサーバー提供のリンクで操作を進める。
Link-based API: APIの操作がリンク（URLや関連情報）を介して導かれる設計思想。HATEOASを実装する際によく使われる表現。
Hypermedia controls API: レスポンス内のリンクやフォーム（コントロール）を用いて、クライアントの次のアクションを指示するAPIの設計。
Hypermedia-driven API design: API設計全体をハイパーメディア駆動で行うアプローチ。状態遷移の手掛かりをリンクとして提供。

hateoasの対義語・反対語

ハイパーメディアなし: HATEOASの核心である遷移リンクの提供を前提とせず、クライアントは事前に決められた仕様だけでリクエストを作る設計。
リンクレスAPI: レスポンスに次の遷移リンクを含めず、クライアントが固定的にエンドポイントを知って操作する設計。
固定エンドポイント設計: リソースごとに固定のエンドポイントのみを提供し、動的なリンク探索を行わない設計。
RPCスタイルAPI: 関数呼び出しのように操作を直感的に表現する設計で、ハイパーメディアによる状態遷移の案内を前提としない。
静的API設計: API仕様が静的で、クライアントがリンク情報を発見する必要がなく、事前知識で利用する設計。
リンク発見不要設計: レスポンス内にリンクを含めず、遷移は固定ルールで行う設計。

hateoasの共起語

REST: Representational State Transfer の略。Web API の基本設計思想で、資源をURLで識別し、返す表現とリンクを通じて状態遷移を駆動します。
Hypermedia: ハイパーメディア。データ内に次に辿るべきリンクを含めることで、クライアントが自動的に操作を見つけられる仕組みです。
HAL: Hypertext Application Language の略。HATEOASを実現するためのリンク表現を規定したJSON/XMLの規格のひとつです。
JSON HAL: HAL形式のJSON。リソースと、そのリンク（rels）を標準の JSON 形式で表現します。
リソース: API が提供する対象。URL で一意に識別され、データや機能を表します。
リンク: 別のリソースへ遷移する参照。HATEOAS の核心要素であり、次の操作を案内します。
リレーション: リンクが示す関係性の名称（rels）。self、next、prev などが代表例です。
発見性: サーバーが返すリンク情報を通じて、クライアントがAPIの使い方を自然に見つけられる性質。
クライアント駆動: クライアントがリンクを辿って機能を進める設計の考え方。サーバーの都合に依存しすぎません。
状態遷移: リンクを介して、アプリケーションが次の状態へ遷移する道筋を示す考え方。
疎結合: クライアントとサーバーの結合を弱く保つことで、変更の影響を最小限にします。
メディアタイプ: 返却データの形式を示す規格名。HAL+JSON など、HATEOASに適した形式を選択します。
ハイパーメディアコントロール: リンクやフォームなど、ハイパーメディアを介して行える操作要素の総称。
CURIE: HALでリレーション名を短く表すための接頭辞の仕組み。curies を使って rel を短縮します。
自己参照リンク: 現在のリソース自身を指すリンク。通常 rel が self として表現されます。

hateoasの関連用語

HATEOAS: Hypermedia As The Engine Of Application State の略称。クライアントはサーバーが提供するリンク（ハイパーメディア）をたどることで、次に何をすべきかを発見・決定します。自動化可能なアプリケーションの挙動をリンクの指示で制御します。
REST: Representational State Transfer の頭文字。HTTPを用いたWeb APIの設計原則の集まりで、リソース指向、状態をサーバーに保持しない設計、統一インターフェースなどを含みます。
Hypermedia: ハイパーメディア。リソースの表現内にリンクや操作の情報が含まれていて、クライアントがそれを使って次のアクションを決定します。
Hypermedia Controls: リンク、フォーム、ボタンなど、API を操作するための制御要素。HATEOAS ではこれを通じて状態遷移を導きます。
Link (rel) / Rel: リンクの関係を示す指標。rel 属性で“次へ(next)”や“自己(self)”などの意味を定義します。
CURIES: Compact URIs の略。リンクの rel を短縮するためのプレフィックス定義。HAL などで用いられます。
IANA Link Relations Registry: 公式の rel 値の登録簿。一般に使われる rel の意味がここで標準化されています。
RFC 5988 / RFC 8288: Web Linking の仕様。Link ヘッダの規格と Rel の使い方を定義しています。
Link Header: HTTPの Link ヘッダ。複数のリンクをレスポンスに含め、発見可能な操作を知らせます。
HAL: Hypertext Application Language の略。リソースの表現とリンクを一定の JSON 形式で表すハイパーメディアフォーマット。
JSON HAL: HAL の JSON 表現形式。_links にリンク情報を格納します。
Collection+JSON: ハイパーメディア API の別の表現形式。コレクションのリンクや操作を整理して扱います。
Siren: JSON ベースのハイパーメディアフォーマット。クラス、アクション、リンクを組み合わせて表現します。
JSON API: JSON API 仕様。リソースの表現と共に links/relationships を明確に規定します。ハイパーメディアを活用した設計にも対応。
HAL-FORMS: HAL の拡張で、リンクと共にフォーム情報を提供してクライアントが入力を行えるようにします。
Media Type / Content-Type: 実データの型を示すヘッダ。application/hal+json など、ハイパーメディアの形式を識別します。
Resource: REST における対象となるデータの現実世界のエンティティ。表現はそのリソースの状態を表します。
Representation: リソースの現在の状態を表すデータの形式。JSON、XML、HAL などの形式があり得ます。
Discoverability: API 内のリンクや文書化された関係性を通じて、クライアントが新たな機能を発見できる性質。
State Transitions: ハイパーメディアを介して、現在のリソース状態から次に可能な遷移を示す情報。