脂肪酸合成・とは？初心者にも分かる基礎と身近な例共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

脂肪酸合成・とは？

脂肪酸は私たちの体のエネルギー源としてだけでなく、細胞膜を作る材料にも使われる大切な分子です。脂肪酸合成とは、体の中で新しく脂肪酸を作る生化学的な過程のことを指します。食事から取った脂肪酸だけでなく、体内で新しく脂肪酸を作ることができる点がポイントです。ここでは中学生にも分かる言葉で、脂肪酸合成の仕組みをやさしく解説します。

脂肪酸合成の主な場所は肝臓や脂肪組織の細胞質です。細胞の中では複数の酵素が連携して働き、長い脂肪酸の鎖を作り上げます。代表的な酵素には脂肪酸合成酵素（FAS）とアセチルCoAカルボキシラーゼ（ACC）があります。

原料と反応の流れを簡単に追いましょう。まず出発原料となるのはアセチルCoAです。ACCという酵素がこのアセチルCoAをマロニルCoAに変えることで反応の準備が整います。その後、FASがアセチルCoAとマロニルCoAを使って鎖を少しずつ延長していきます。ここでNADPHという別の分子が還元力を提供し、反応を進めます。初めにできる脂肪酸は通常パルミチン酸（C16:0）と呼ばれる飽和脂肪酸です。

実際の流れをもう少し詳しく見てみましょう。反応は「連結・還元・脱水・還元」というサイクルを何回も繰り返し、最終的に16個の炭素をもつ鎖が完成します。パルミチン酸ができると、それを必要に応じて他の脂肪酸へと変換します。

体の調節と生活との関係では、ホルモンやエネルギー状態が脂肪酸合成を調節します。インスリンはACCを活性化して脂肪酸合成を促進しやすくします。一方、飽和脂肪酸の合成を抑える働きを持つAMPKなどの経路もあり、エネルギー不足のときには脂肪酸合成を抑えます。

脂肪酸合成と脂肪酸の分解は反対の方向の話です。脂肪酸は体内で貯蔵され、必要なときにはβ酸化でエネルギーとして使われます。脂肪酸合成が進むと「マロニルCoA」はCPT1を阻害する性質を持つため、脂肪酸の分解は一部抑制されることになります。

日常生活のヒントとしては、過剰な糖質の摂取や過度なエネルギー摂取が脂肪酸合成を促進することがあります。反対に適度な運動は脂肪酸の分解を促し、体脂肪を減らす助けになります。

必須脂肪酸とは体が作れない脂肪酸のことで、食事から摂る必要があります。代表的なものにはリノール酸やα-リノレン酸があります。脂肪酸合成で作られる脂肪酸と、必須脂肪酸は役割が違います。

要点を表で整理

要素	説明
Acetyl-CoA	脂肪酸合成の出発原料
Malonyl-CoA	反応の中間物、鎖の延長を始める準備段階
NADPH	還元力を提供し、鎖の延長を進める
パルミチン酸	最初にできる長鎖脂肪酸

要するに、脂肪酸合成は体が必要な脂肪酸を作るための基本的な仕組みです。食べ物から取り入れる脂肪酸と、体内で作られる脂肪酸の両方が私たちの命を支えています。知っておくと、なぜカロリーの取り方が大事か、なぜ糖質を過度に摂ると体に脂肪が付きやすいのかが見えてきます。

脂肪酸合成の同意語

脂肪酸生合成: 脂肪酸を生体内で新しく作る過程のこと。主にアセチルCoAを出発点に、脂肪酸鎖を延長していく反応群を含む。
脂肪酸の合成: 脂肪酸を作る過程の言い換え。脂肪酸合成とほぼ同義の表現。
脂肪酸生成: 脂肪酸を生成すること。一般に脂肪酸合成と同義で使われる表現。
脂肪酸の生成: 脂肪酸を生成する過程の言い換え。脂肪酸合成と同義。
脂肪酸生成経路: 脂肪酸を生成する過程の経路を指す表現。脂肪酸合成経路とほぼ同義。
脂肪酸合成経路: 脂肪酸が合成される一連の反応経路。脂肪酸生合成の具体的な道筋を指す言い換え。
脂肪酸生合成経路: 脂肪酸を生体内で合成する際の反応経路の総称。
デノボ脂肪酸合成: デノボ（新規）から脂肪酸を合成する経路。デノボ脂肪酸合成と同義で使われることがある。
デノボ脂肪酸生成: デノボ経路により脂肪酸を生成する過程。
脂質合成: 脂質全体の合成を指す広い表現。脂肪酸はこの中の一部を成す。
脂質生合成: 脂質の生合成。脂肪酸を含む脂質の生成を指す総称。
脂肪酸新生: 脂肪酸の新規合成を指す表現。主にデノボ脂肪酸合成を指す言葉として使われることがある。
脂肪酸合成代謝: 脂肪酸の合成を伴う代謝経路の総称。脂肪酸生成を意味する場合に使われることがある。
脂肪酸作成: 脂肪酸を作ることの非公式な表現。文脈次第で脂肪酸合成と同義に使われることがある。

脂肪酸合成の対義語・反対語

脂肪酸分解: 脂肪酸を分解してエネルギーを得る代謝過程。脂肪酸合成の反対方向に進む。代表的にはβ酸化が含まれる。
β酸化: 脂肪酸を2炭素ずつ切り離してアセチルCoAへと分解する代謝経路。ミトコンドリアで行われ、NADHやFADH2を生み出しエネルギーを得る。脂肪酸合成の反対方向の主要経路。
脂質分解: 脂質を分解して脂肪酸とグリセロールを遊離させる過程。脂肪酸合成の対になる広義の反対概念。
リポリシス: 脂肪を構成する脂肪酸とグリセロールを解放する反応群。脂肪分解の代表的なプロセス。
脂肪酸分解経路: 脂肪酸を分解する個別の代謝経路の総称。β酸化を中心に、脂肪酸の分解を担う経路群。

脂肪酸合成の共起語

アセチルCoA: 脂肪酸合成の出発物質。細胞質で生成され、脂肪酸の鎖伸長の材料になります。
マロニルCoA: アセチルCoAに炭素を1つ付加した中間体。脂肪酸合成の開始を決定づける重要な中間体です。
アセチルCoAカルボキシラーゼ: アセチルCoAをマロニルCoAに変換する酵素。脂肪酸合成の第一歩を司ります。
脂肪酸合成酵素（FAS）: 複数の触媒反応を1つの酵素複合体が担い、炭素を1つずつ追加して脂肮酸を作る中心的酵素群です。
NADPH: 還元力を供給する電子体。脂肪酸鎖を伸長するときの還元反応に必要です。
ペントースリン酸経路: NADPHを大量に供給する経路。脂肪酸合成の還元力源のひとつです。
クエン酸回路: 糖由来のエネルギーを作る回路。クエン酸シャトルを通じて脂肪酸合成にも関わります。
クエン酸シャトル: ミトコンドリアと細胞質の間でアセチルCoAを運ぶ仕組み。脂肪酸合成の材料供給に関係します。
シトレート: 細胞質へ運ばれてアセチルCoAを生み出す前駆体。脂肪酸合成の入口となります。
ビオチン: 補酵素としてACCを助け、炭酸固定反応を介して脂肪酸合成を進めます。
ビタミンB7: 別名ビオチン。脂肪酸合成を支える重要な栄養素です。
ACC1: 主に細胞質で働くアセチルCoAカルボキシラーゼのアイソフォーム。脂肪酸合成の主要な調節点です。
SREBP-1c: 脂肪酸合成関連遺伝子の発現を促進する転写因子。糖代謝やインスリンの影響を受けます。
ChREBP: 糖質代謝の信号で活性化され、脂肪酸合成を促す転写因子の一つです。
インスリン: 血糖値上昇時に脂肪酸合成を刺激するホルモン。ACCの活性化を促します。
AMPK: エネルギー不足を感知して脂肪酸合成を抑制する Kinase。ACCを抑制します。
CPT1: カルニチンパルミトイル転移酵素I。脂肪酸のミトコンドリア内酸化を開始する入口酵素で、マロニルCoAにより抑制されます。
脂質代謝: 脂肪酸の合成・分解・取り込み・再利用など、脂肪に関わる総合的な代謝経路です。
肝臓: 脂肪酸合成が盛んに行われる主要な臓器。糖質を脂質へ変換する場として重要です。
脂肪酸鎖延長: すでに作られた脂肪酸の鎖を長くする過程。長鎖脂肪酸の生成に関係します。
長鎖脂肪酸: 脂肪酸の鎖長の一つ。脂肩酸合成の最終産物として重要です。

脂肪酸合成の関連用語

脂肪酸合成: 体内でアセチルCoAから長鎖脂肪酸を作る代謝経路。主に肝臓・脂肪組織の細胞質で進行し、最終的にパルミチン酸（C16:0）などの飽和脂肪酸を作ります。還元力としてNADPHを使います。
アセチルCoA: 脂肪酸合成の出発物質。ミトコンドリアで生じ、細胞質へはクエン酸シャトルで運ばれ、ATP-クエン酸リカーゼでアセチルCoAになります。
マロニルCoA: アセチルCoAがビタミンB群の補酵素のもとカルボキシル化されてできる中間体。脂肪酸合成の二炭素追加ユニットの供給源であり、同時にβ酸化の入口を抑制します。
アセチルCoAカルボキシラーゼ: 脂肪酸合成の律速酵素。アセチルCoAをマロニルCoAに変換します。ビオチンを補酵素として使い、リン酸化・脱リン酸化で活性が調整されます。
脂肪酸合成酵素（FASN）: 細胞質に存在する多機能酵素複合体。マロニルCoAとアセチルCoAを繰り返し結合・還元・脱水・再還元して、パルミトン酸を作ります。
パルミトイルCoA: FASNが作る最初の長鎖脂肪酸のCoAエステル。パルミチン酸合成の直前の中間体です。
パルミチン酸: 最初に合成される飽和脂肪酸（C16:0）。体内で多くの脂肪酸の前駆体になります。
クエン酸シャトル: ミトコンドリア内のクエン酸を細胞質へ輸送する経路。ACLを介してアセチルCoAを供給する重要な機構です。
ATP-クエン酸リカーゼ（ACLY）: クエン酸シャトルの末端でクエン酸を分解し、細胞質でアセチルCoAとオキサロ酢酸を作る酵素。脂肪酸合成に必須です。
NADPH: 脂肪酸合成の還元反応に使われる還元力。PPPや他の経路で供給されます。
ペントースリン酸経路（PPP）: NADPHを大量に生み出す代謝経路で、脂肪酸合成を支える重要な供給源です。
脂肪酸延長酵素（ELOVL）: ERで働く一群の酵素。パルミルCoAや短鎖脂肪酸をさらに長い脂肪酸へ延長します。
脱飽和酵素（Δ9-デサチュラー / SCD1）: 飽和脂肪酸に二重結合を導入する反応を担う酵素。代表例としてΔ9-デサチュラーが挙げられます。
脱飽和反応: 飽和脂肪酸に不飽和結合をつくる反応全般のこと。
β-酸化: 脂肪酸を分解してエネルギーを取り出す代謝経路。脂肪酸合成と逆の方向のプロセスです。
細胞質: 脂肪酸合成が主に進む細胞の部位。ミトコンドリアではβ-酸化が起こります。
インスリン: 脂肪酸合成を促進するホルモン。ACCを活性化して脂肪酸合成を促します。
グルカゴン: 脂肪酸合成を抑制するホルモン。ACCの活性を低下させます。
AMPK（AMP活性化プロテインキナーゼ）: エネルギー不足時に活性化し、ACCを抑制して脂肪酸合成を抑えます。
ビオチン: ACCの補酵素。カルボキシル化反応に必要なビタミンB7の形で働きます。
植物の脂肪酸合成（プラスチド）: 植物では脂肪酸合成が葉緑体のプラスチドで行われます。動物の脂肪酸合成とは部位が異なります。
脂肪酸の飽和度の違い: 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の区別。脂肪酸合成後の加工で起こる性質の違いです。
不飽和脂肪酸の供給元: デサチュレーターの働きで飽和脂肪酸に二重結合を導入して作られます。
ステップの反応サイクル: 脂肪酸合成では、二炭の単位を連結し、還元・脱水・再還元を繰り返す反応サイクルが1周します。