五代十国・とは？中世中国の歴史をやさしく解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

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高岡智則

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五代十国・とは？

五代十国とは、唐朝の滅亡後に中国を北方と南方に分けて政治が乱れた時代を指します。北方には 五つの王朝、南方には 十の国が存在し、およそ 907年から979年 の間に並立と交替を繰り返しました。この時代は、中央政府の力が弱まり、地方の武将や官僚が地域を治めるようになったことが大きな特徴です。これにより、中央集権の唐朝モデルから離れた「分裂と再統一」の歴史へと移り変わっていきました。

時代の背景と潮流

唐朝が衰退すると、北方の軍閥や地方豪族が力を強め、都を奪い合う状態が続きました。北方には 後梁・後唐・後晋・後漢・後周 の五代が次々と互いを倒していく様子が見られ、政治の実権は地方の有力者へと移動していきました。これに対し、江南を中心とした南方には、十の国が並立しました。南方の国々は沿岸部の交易を活かして経済を発展させ、地方ごとに独自の文化や制度を育んでいきました。

北方の五代と南方の十国

北方の五代は 後梁・後唐・後晋・後漢・後周 と呼ばれ、いずれも短命な王朝として知られています。一方、南方には十国が存在しました。代表的な国としては、呉（吴）・越（吴越）・閩・楚・南漢・荊南・前蜀・後蜀・南唐・北漢 などが挙げられ、それぞれが独自の政治体制や経済を築いていきました。これらの国々は互いに同時代に存在しつつ、時には同盟を結び、時には戦争を繰り返しました。

統一へ向かう道のりと現在への影響

979年ごろ、宋が北方と南方の勢力を統一し、中国は再び一つの国家へと結ばれました。五代十国の時代は、中央集権の強さと地方分権の関係、商業の発展と軍事力のバランスなど、後の宋王朝の制度設計に大きな影響を与えました。この時代を学ぶことで、中国史の「分裂と再統一」という大きな流れを理解できます。

この時代の生活をのぞくと、戦乱の中でも地方の市場や町が生き生きと機能しており、農業・商業・手工業が地域ごとに成長していたことが分かります。仏教や儒教、道教が混ざり合い、文学や美術も発展しました。五代十国は、歴史の中で地方の力がどのように国家の動きを左右し得るかを示す重要な例です。

<th>地域

代表的な王朝・国名
北方	後梁・後唐・後晋・後漢・後周
南方の十国	呉・越・閩・楚・南漢・荊南・前蜀・後蜀・南唐・北漢
時代の期間	おおよそ907年頃〜979年頃

要点のまとめとしては、唐の滅亡後の統治が強い中央政府から弱体化し、地方勢力が力を持つようになったこと、北方と南方の二つの勢力が同時に存在したこと、そして979年の宋による再統一が中国の歴史の新しい章を開いたことです。