定言命法・とは？中学生にもわかるやさしい解説と実例共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

定言命法とは何か

定言命法（ていげんめいほう）とは、倫理の中の大切な原則のひとつです。イマヌエル・カントという哲学者が提唱しました。定言命法は「無条件に正しいとされる行動のルール」を指します。つまり、何かをしたいときの理由や目的がどうであっても、それ自体が正しいとされるべき行動規則のことです。

反対に、仮言命法（かぎんめいほう）は「〜したい場合に限って成り立つ命令」です。例えば「お金が欲しいなら働こう」というように、目的があって成り立つ指示です。これらは状況や目的によって変わります。これに対して定言命法は「条件なしに守るべきルール」として考えます。

普遍化のテスト

定言命法を実践的に使うときの代表的な考え方が「普遍化のテスト」です。自分のする行動の“最大化”（どうしてその行動を自分が正しいと思うのか）を取り出し、それを世界中の人が同じようにするとしたら、その社会は成り立つかを自問します。もしその行動が普遍的に広がると、世界がうまくいかなくなるなら、その行動はやめるべき、という結論になります。

例を見てみましょう。うそをつくことを普遍化したら、誰もが嘘をつくようになります。結果として、情報は信用できなくなり、約束も守られなくなります。そんな世界では、うそをつくことが正しいとは言えません。だから、うそをつかないというのは、普遍化のテストで「正しい行動」となりやすいのです。

他者をどう扱うか

「人を手段として扱わない」というのも定言命法の大切な点です。人を「目的そのもの」として尊重し、利用するだけの道具として使ってはいけません。誰かの利益のために自分だけが得をしようとするのは、この原理に反します。

日常への応用と注意点

この考え方を毎日の行動に落とし込むと、友だちとの約束を守る、他の人を傷つけない言い方をする、困っている人を助けるといった小さな決断にも使えます。ただし、現実には複雑な状況もあり、すべてが一つの正解に収まるわけではありません。哲学的な議論として理解しておくと良いでしょう。

表で見る基本ポイント

項目	説明
定言命法	無条件で従うべき道徳法則。どんな目的があっても成立するという考え方。
仮言命法	条件付きの命令。目的があるときだけ成り立つ。
普遍化のテスト	行動規則を自由に普遍化して世界がどうなるかを考える方法。

まとめ

定言命法は、私たちの行動が“だれにも害を与えず、誰かを手段として扱わない”ようにするための指針です。この考え方を知ると、友だちとの関係や日常の小さな選択にも、より良い判断がしやすくなります。

よくある誤解と注意点

定言命法は厳格に聞こえることがあります。「何をしてもいいわけではない」という意味ですが、実際には状況に応じた解釈の余地が哲学の議論にはあります。単純に“正しいか間違っているか”だけに分けるのではなく、なぜその判断になるのかを考える練習が大切です。

覚え方のコツ

三つのポイントを覚えると理解が進みます。普遍化のテスト、人を手段として扱わない、無条件に従うべき規則。これらを日常の小さな選択に当てはめてみると、自然と定言命法の考え方が身についてきます。

定言命法の同意語

カテゴリー的命令: カントの倫理学で用いられる、無条件・普遍的な道徳命令。自分の行為の規範が全ての人に対して同じように適用されるべきだという原理を表します。
無条件命令: 状況や欲望に左右されず、常に成立するとされる命令。定言命法の核心的特性を示す表現です。
絶対命令: 例外なく従うべきとされる倫理的命令。定言命法の別称として使われることもあります。
普遍的命令: 全ての人に普遍的に適用可能な命令を指します。定言命法と同義語として用いられることがあります。
普遍化可能性原理: 自分の行為の動機や規範を、誰に対しても普遍的に適用できるかを判断する基準。定言命法の中心的判定条件の一つです。
道徳法の普遍的要求: 道徳法則が全人類に対して普遍的に求められる性質を説明する表現。定言命法の理解を補助します。
条件なしの道徳命令: 条件が付かず成立する道徳的指令。定言命法の無条件性を強調する言い換えです。

定言命法の対義語・反対語

仮言命法: 定言命法に対する主要な対義語。ある目的を達成するために成り立つ、条件付きの命令です。例: もしお金を増やしたいなら節約せよ（といったように、欲望・目的が前提になります）。
条件付き命令: 特定の条件や欲望が満たされる場合にのみ成立する命令。普遍的な義務ではなく、状況次第で変わる指示です。定言命法の対比として位置づけられます。
相対的命令: 倫理的指示が特定の状況・目的に依存する考え方。普遍的な法則ではなく、相対性を重視します。
状況倫理: 倫理判断が具体的な状況によって変わるとする立場。定言命法の“絶対性”に対する代表的な代替概念です。
結果主義（功利主義）: 行為の善悪を結果や幸福の総量で判断する倫理観。普遍的義務より結果を重視します。
絶対倫理: 普遍的で不変の道徳法を重視する立場。全ての状況で同じ義務を適用する考え方です。
主観的規範: 個人の欲望・価値観・信念に基づく規範。客観的・普遍的基準を欠くとされ、定言命法の対比として使われることがあります。