累積罹患率とは?初心者でも分かる基本と計算のしかた共起語・同意語・対義語も併せて解説!

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累積罹患率とは?初心者でも分かる基本と計算のしかた共起語・同意語・対義語も併せて解説!
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高岡智則

年齢:33歳 性別:男性 職業:Webディレクター(兼ライティング・SNS運用担当) 居住地:東京都杉並区・永福町の1LDKマンション 出身地:神奈川県川崎市 身長:176cm 体系:細身〜普通(最近ちょっとお腹が気になる) 血液型:A型 誕生日:1992年11月20日 最終学歴:明治大学・情報コミュニケーション学部卒 通勤:京王井の頭線で渋谷まで(通勤20分) 家族構成:一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹 恋愛事情:独身。彼女は2年いない(本人は「忙しいだけ」と言い張る)


はじめに

このページでは累積罹患率の意味、計算方法、解釈の仕方を中学生にも分かるように丁寧に解説します。健康や医療のニュースを読んで、「累積罹患率」という言葉を初めて見た人でも、どういう数字なのかを理解できるように、身近な例を使って説明します。

累積罹患率とは何か

累積罹患率とは、ある一定の期間にその観察対象の人の中で新しく罹患した人の割合を表す指標です。釈義としては「期間中に罹患した人の総数を、期間の最初に観察していた人の総数で割る」という意味になります

この指標は「これまでにその病気になった人の総数」ではなく、「期間内に新しく病気になった人」に焦点を当てます。たとえばある学校で一年間に風邪にかかった人数を調べた場合、累積罹患率はその一年間に罹患した新規の生徒の数を、一年間の出席している生徒の総数で割って求めます。

計算のしかた

式としては次のとおりです。累積罹患率 = 新規罹患数 ÷ 期間開始時の観察集団の総人数 × 100%。ここで重要なのは「期間開始時の総人数」を正確に把握することです。観察期間の途中で転校や喪失が多いと、実際の割合が変わってくることがあります。したがって、データを使うときには追跡の完遂率や欠測データの扱いにも注意します。

次の表は具体例です。期間は1年間、観察集団は1000人、新規罹患数は50人とします。計算を行うと、累積罹患率は5.0%になります。

期間観察集団の人数新規罹患数累積罹患率
1年間1000505.0%

累積罹患率と罹患割合の違い

混同されやすい点として「累積罹患率」と「有病率(罹患割合)」の違いがあります。累積罹患率は観察期間中の新規発生に焦点を当てる指標で、ある期間を通じて新しく病気になった人の割合を示します。一方、有病率(現在の罹患数の割合)は観察期間のある時点で病気を持っている人の割合を表します。両者は似ているようで、時点や期間の取り方によって結果が変わるため、新聞記事や研究報告を読む際には「期間」と「定義」を確認することが大切です。

このような違いを理解すると、ニュースで見かけるグラフの読み方も変わってきます。例えば「1年間の罹患率」と「今の時点の罹患率」を同じものとして比較してはいけません。表現が違えば意味も異なるからです。

実務での使い方のヒント

医療の現場や公衆衛生の研究では、累積罹患率を使って「ある病気がどれくらい広がる可能性があるか」を予測します。介入前後での変化を比較する場合や、地域ごとに差を比べる場合に役立ちます。データがまとまっていれば、政策の効果を評価する指標としても使えます。

まとめ

累積罹患率は、ある期間に新しく病気になった人の割合を示す指標です。計算のコツは期間開始時の総人数を正しく把握することと、欠測データの取り扱いに注意することです。ニュースを読むときや研究を理解するときには、期間と定義を確認する癖をつけましょう。これで「累積罹患率とは何か」がぐっと身近なものになります。


累積罹患率の同意語

累積発生率
一定期間において、研究対象の集団の中で初めてその病気を発症した人の割合。時間経過を通じて罹患を累積した指標。
発生割合
期間内に罹患した人の割合を表す指標。文脈により累積罹患率と同義で使われることがある。
発症割合
病気の発症を起点とする新規罹患の割合を示す指標。累積罹患率と同様の意で用いられることがある。
罹患割合
特定期間において罹患した人の割合を表す指標。累積的な罹患の度合いを表す言い換えとして使われることがある。
累積リスク
時間の経過とともに、まだ発症していない人が罹患するリスクを積み上げた指標。累積罹患率とほぼ同義で使われる。
罹患リスクの累積
期間内に生じる罹患リスクを累積して表す表現。累積罹患率と同義で用いられることがある。
累積発病率
一定期間における病気の発病が起きた人の割合を、期間全体で積み上げた指標。

累積罹患率の対義語・反対語

有病率
特定の時点または期間において、病気を患っている人の割合。累積罹患率が新規発生のリスクを時間の経過とともに積み上げて表すのに対し、有病率は現在の病気の保有状況を示します。
累積無罹患率
一定期間内に罹患していない割合。累積罹患率の補集合にあたる対概念で、期間終了時点までに病気を発症していない人の割合です。
発生率
一定期間中の新規罹患数を人口の総人数や人年で割った頻度。累積罹患率が「発生する確率」を示すのに対して、発生率は「罹患が起きる速さ(頻度)」を表します。
発症リスク
一定期間に病気を発症する可能性。累積罹患率の意味と近い概念ですが、リスクという表現が用いられることがあります。
未罹患割合
期間の終わり時点でまだ罹患していない人の割合。CIの反対側を表す表現として使われることがあります。
非罹患率
病気をまだ罹患していない割合を示す表現。文献上の代替表現として用いられることがあります。
ハザード(発生ハザード)
一定時間あたりの新規罹患リスクを表す指標。CIとは時間依存性の異なる別の指標として対比されることがあります。

累積罹患率の共起語

新規罹患数
期間中に新たに罹患した人数。累積罹患率を算出する際の分子として使われることが多い。
基礎人口
観察開始時点で罹患のリスクがあるとみなされる対象人数。分母として使われることが多い。
観察期間
追跡して罹患を観察する期間。累積罹患率はこの期間を対象として計算します。
無病者
観察開始時点ですでに病気にかかっていないと判断された人の集団。
感受性人口
罹患のリスクがあると見なされる人の集合。基礎人口の中で無病者として扱われる対象群。
コホート研究
同じ集団を長期間追跡して新規罹患を調べる研究デザイン。
発生率
一定期間あたりの新規罹患の割合。累積罹患率と異なるタイプの指標。
新規罹患率
期間中の新規罹患を、観察期間中の人年で割って表す割合(人年換算)。
有病率
一定時点における病気の有病者の割合(点在有病率)。
期間有病率
一定期間中に病気が存在した割合を示す指標。
生涯罹患率
生涯を通じて罹患するリスクを表す概念。
リスク
病気に罹る可能性のこと。
リスク比
曝露群と非曝露群の累積罹患率を比較した相対指標。
リスク差
曝露群と非曝露群の累積罹患率の絶対差。
脱落/追跡損失
長期追跡で参加者が研究から外れること。累積罹患率の推定に影響する可能性あり。
カプラン-マイヤー法
時間経過に応じた生存確率・累積イベント率を推定する統計手法(よく疫学分析で用いられる)。
年齢標準化
年齢構成の差を調整して群間を比較する手法。累積罹患率の比較を正しく行うために使われる。

累積罹患率の関連用語

累積罹患率
期間内に新しく罹患した人の割合。初期の対象集団の人数を分母、期間中に罹患した人数を分子として計算され、蓄積された新規罹患の割合を表します。
発生割合
期間内の新規罹患の割合で、一般に累積罹患率と同義で使われますが、厳密には期間を限定した発生確率を指す場合があります。
発生率
単位時間あたりの新規罹患数を表し、分母は人時間(例: 人年)などの観察時間。時間の経過を考慮します。
生存分析
イベント発生までの時間を扱う統計手法で、検閲データを適切に扱えます。
プラン・マイヤー法
生存曲線を推定する代表的な方法で、脱落があってもデータを活用して罹患・死亡の累積確率を描きます。
競合リスク
同じ人が複数のイベント候補のうちひとつを経験する可能性がある状況で、他のイベントが罹患の機会を奪うことを指します。
累積発生曲線
時間経過に伴う新規罹患の累積割合を視覚化する曲線です。
ハザード比
時間あたりの罹患リスクの比で、曝露群と対照群など二つの群を比較する指標です。
相対危険
暴露群と非暴露群の罹患リスクの比で、RRとも呼ばれます。
罹患リスク
一定期間内に罹患する確率のことです。
個人時間
観察データの分母として使われる、個々人の観察時間の総和(例: 人年)。
フォローアップ期間
対象を追跡する期間で、罹患の発生を観察する基準となります。
コホート研究
特定の集団を出発点で分類し、時間を追って罹患を観察する研究デザインです。
センサリング(打ち切りデータ)
追跡期間の途中でデータが終了すること。観察喪失や死亡などが理由です。
ロス・トゥ・フォローアップ
追跡不能となること。累積罹患率の推定に影響を及ぼす可能性があります。
年齢標準化罹患率
年齢構成が異なる集団を比較する際に、年齢別罹患率を標準人口で重みづけして調整した指標です。
年齢標準化
年齢別罹患率を用いて集団間の比較を公平にする方法で、主に年齢層ごとに補正します。
標準化罹患率
年齢標準化を含む、異なる集団間で比較しやすいよう調整した罹患率の総称です。
標準化比(SIR)
観測された罹患数と、年齢分布が同じ集団で期待される罹患数の比です。介入効果の比較にも用いられます。
ケース同定バイアス
病気のケースをどのように同定・診断するかによって生じる偏りで、累積罹患率の推定に影響します。
信頼区間
推定値の不確実性を表す区間で、通常95%CIなどと表記します。
地域差
地域ごとに罹患頻度が異なること。比較する際には地域影響を考慮します。
観察期間
データを観察する期間全体を指し、研究の範囲や期間を明示します。
追跡完了率
フォローアップ期間の途中まで追跡できた割合で、欠測が推定に影響します。

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