

高岡智則
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マルテンサイト相・とは?
マルテンサイト相は鉄鋼の中で生まれる特別な結晶状態のひとつです。名前の通り「マルテンサイト」と呼ばれる相で、鉄と炭素の結晶が急激に変化してできた構造を指します。普段私たちが使う鉄は温度によって性質が変わりますが、マルテンサイト相は特に温度を急に変えると現れやすく、硬さに大きな影響を与えます。
どうして生まれるのか
鉄は高温の状態で「オーステナイト」という相になっています。この状態は比較的柔らかく、粘りがある性質です。ところが鉄を急冷すると、炭素原子が十分に拡がって逃げる時間がなくなり、鉄の格子の中にとどまります。これが結晶構造を強く歪め、マルテンサイト相が形成されます。この過程は急冷(淬火)と呼ばれ、時間をかけずに温度を素早く下げることがポイントです。
特徴と注意点
マルテンサイト相は非常に硬くて耐摩耗性が高い反面、衝撃や変形には弱いという性質があります。そのためそのまま使うと割れやすいことが多いのです。包丁や工具の刃、金属部品の摩耗部分など、硬さが必要な場所に使われることが多い一方で、強い衝撃を受ける部品には適さないことがあります。
テンパリングで性質を調整
硬すぎて脆い性質を少し抑えるために、テンパリングと呼ばれる熱処理を行います。低い温度で短時間温め、その後ゆっくり冷ますと、結晶の中のひずみを落とし、靭性(しなやかさ)を取り戻すことができます。
この概念を知っておくと、鉄鋼の製品設計や品質管理の基本が分かり、なぜ材料が違う用途で選ばれるか理解できます。
実生活でのイメージと用途
刃物や工具の先端の素材としてよく使われます。硬さと耐久性が両立する場面で活躍します。とはいえ、テンパリングを経ずに作られたマルテンサイト相は脆くなるため、用途に応じた熱処理が重要です。
表で整理する特徴
| 硬くて脆い場合が多い | |
| 発生条件 | オーステナイトを急冷すること |
|---|---|
| 影響 | 硬さが高いが靭性は低くなる |
| 対策 | テンパリングで靭性を調整する |
| 主な用途 | 刃物や工具、耐摩耗部品など |
まとめ
マルテンサイト相は鉄鋼の世界でとても重要な概念です。高温から急冷することで生まれ、硬さと脆さのバランスが特徴です。用途に応じて適切に熱処理を組み合わせることで、必要な性質を持つ材料を作ることができます。
マルテンサイト相の同意語
- マルテンサイト相
- 鉄・鋼などの合金において、急冷など拡散を伴わない変態(非拡散変態)によってオーステナイトから直接生成される、硬くて高硬度の相。高い強度と脆さを特徴とします。
- 馬氏体
- マルテンサイト相の漢字表記。鉄・鋼で同じく硬い相を指す名詞。
- 馬氏体相
- マルテンサイト相を漢字表記した別称。マルテンサイトと同じ相を指します。
- マルテンサイト組織
- マルテンサイト相が作る組織構造のこと。これも、マルテンサイト相を示す別称的表現として使われます。
- 非拡散変態相
- 拡散を伴わずに起こる相変態を指す表現。実質的にはマルテンサイト相と同義で使われる説明的な名称です。
- マルテンサイト構造
- マルテンサイト相の結晶構造的特徴を指す表現。マルテンサイト相を示す別称として使われることがあります。
マルテンサイト相の対義語・反対語
- オーステナイト相
- 高温で安定する γ-Fe 相。拡散変態で形成されることが多く、FCC(面心立方)格子を持つ。マルテンサイト相の最も典型的な対義相と見なされることが多い。
- フェライト相
- 低温で安定する α-Fe 相。BCC(体心立方)格子を持ち、拡散変態を経て形成されることが多い。マルテンサイトとは異なる機構で形成されやすい相。
- パーライト相
- 拡散変態によって生じる、フェライトとセメント石(Fe3C)の層状二相組織。拡散を伴う一般的な組織で、マルテンサイトと比べて拡散機構が主役。
- 拡散変態相
- 拡散の過程を伴って形成される相の総称。マルテンサイトの拡散なし変態とは対照的に、拡散を伴う変態で形成される相を指すイメージ。
- 拡散なし変態相
- 拡散をほとんど伴わず、原子が局所的に移動せずに新しい相へ転変するタイプの相。マルテンサイトはこのカテゴリに属する代表例として挙げられることが多い。
- アモルファス金属相
- 結晶格子を持たない非晶質の金属相。マルテンサイトのような結晶性の相とは異なり、長距離の原子秩序が欠如している。
マルテンサイト相の共起語
- 急速冷却
- 溶体化したオーステナイトを短時間に冷却してマルテンサイトを生成する変態プロセスのこと。
- Ms点
- マルテンサイトが初めて析出して形成される温度。℃で示し、冷却履歴によって変化する。
- Mf点
- マルテンサイトが完全に安定化して消える温度。℃で示される。
- オーステナイト相
- マルテンサイトの母相で、高温で安定した鉄-炭素合金の相。
- フェライト相
- 鉄系合金の低温で安定する相。マルテンサイトとともに微細構造を決定する。
- ベイナイト
- マルテンサイトとは異なる他の変態相の総称で、低温域で現れることがある。
- 体心正方格子
- マルテンサイトの結晶構造。体心立方格子の変形である正方格子格子系。
- 炭素含有量
- マルテンサイト形成に大きく影響する炭素の割合。
- 合金元素
- Cr、Ni、Mn、Moなどの添加元素がマルテンサイトの安定性・硬さ・靭性に影響を与える。
- 熱処理
- 熱処理の一環として実施され、急冷・焼戻しなどでマルテンサイトを制御する。
- 冷却速度
- 冷却の速さの指標。速いほどマルテンサイトが発生しやすい。
- 硬さ
- マルテンサイトは多くの場合硬さが高くなる特性をもつ。
- 強度
- 抗張強度など機械的強度が向上する場合が多い。
- 靭性
- 硬さの上昇と靭性の低下がトレードオフとなることが多い。
- 体積変化
- マルテンサイト形成時に結晶体積が変化することがある。
- 相変態
- 相がオーステナイトからマルテンサイトへ変化するような相変態を指す総称。
- X線回折
- 結晶構造を同定するための分析手法。マルテンサイトの存在を確認できる。
- EBSD
- 電子ビームによる結晶方位の分布を測定する手法。マルテンサイトの分布解析に用いられる。
マルテンサイト相の関連用語
- マルテンサイト相
- オーステナイトが急冷など拡散を伴わずに変態してできる、体心正方格子に近いBCT構造の鋼の硬質な相。非常に硬く脆いが、後処理で靭性を調整できる。
- オーステナイト
- 高温で安定するFCC構造の鉄-炭素相。マルテンサイトの母相で、十分に加熱してオーステナイト化させた後、急冷してマルテンサイトを作る。
- フェライト(α-鉄)
- 低炭素領域のBCC構造の鉄相。常温で安定しており、パーライトの一部を構成する。
- セメンタイト
- Fe3C。鉄と炭素の化合物で、パーライトを構成する鉄炭素化合物。含炭素量が多いほど存在量が増える。
- パーライト
- フェライトとセメンタイトが等しい割合で交互に層状に並んだ微細組織。遷移温度が低い領域で見られ、硬さと靭性のバランスを生む。
- ベイナイト
- オーステナイトが別の冷却経路で変態する拡散を伴う組織。マルテンサイトより靭性が高く、耐摩耗性も高い場合がある。
- 拡散なし変態
- 原子が拡散せず格子の欠陥の伝播だけで相が変わる機構。マルテンサイトは典型的な拡散なし変態の例。
- 過冷却オーステナイト
- 高温から急冷して過冷却状態にしたオーステナイト。これから急冷でマルテンサイトへ変態することがある。
- Ms温度
- マルテンサイトの変態開始温度。これより上ではマルテンサイトは生じづらい。
- Mf温度
- マルテンサイトの変態終了温度。温度が低下する過程で、全てのオーステナイトがマルテンサイトへ変態するとは限らない温度域。
- TTT図
- 時間-温度変換図。オーステナイトがパーライト・ベイナイト・マルテンサイトへ変わる温度と時間の関係を示す図。
- CCT図
- 連続冷却変換図。現実の連続冷却条件下での相変化の挙動を示す図。
- 淬火
- オーステナイトを急冷してマルテンサイトを作る熱処理。硬さを高める目的で行われる。
- 焼入れ
- 淬火と同義。急冷による硬化処理。
- テンパリング
- マルテンサイトの靭性を高めるため、低温で再加熱して格子欠陥を緩和する処理。
- テンパードマルテンサイト
- 焼戻し後のマルテンサイト。靭性が改善される。
- マルテンサイト系ステンレス鋼
- クロムを主成分とする、マルテンサイト相を安定させた鋼。高硬度・耐摩耗性が特徴(例: 420、440C 系)。
- オーステナイト化
- 鉄を高温下でオーステナイト相へ変化させる工程(オーステナイト化処理)。
- 冷却速度
- 冷却の速さ。速いほどマルテンサイト含有量が増え、硬さが上がる傾向がある。
マルテンサイト相のおすすめ参考サイト
- マルテンサイト相とは - レーザー加工機導入ガイド
- 熱処理におけるマルテンサイトとは? - 株式会社ウエストヒル
- 熱処理におけるマルテンサイトとは? - 株式会社ウエストヒル
- マルテンサイト相(まるてんさいとそう)とは? 意味や使い方
- 形状記憶合金とは(SMAの動作機構) - 宮崎・金研究室



















