貸倒引当金繰入額とは？初心者向けに仕組みと仕訳を分かりやすく解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

貸倒引当金繰入額とは？

貸倒引当金繰入額は、売掛金や貸付金などの回収不能リスクを見越して費用として計上する会計の科目です。企業は将来の貸倒リスクを事前に想定し、損益計算書の費用としてその分を計上します。これを繰入と呼び、繰入額が増えるほど当期の利益は小さく見えますが、財務状況を現実的に示す目的があります。

なぜ「貸倒引当金繰入額」が必要なのか

売掛金や貸付金は回収不能になるリスクを抱えています。たとえば取引先が倒産したり、長期間回収が難しくなることもあります。将来のこのような損失を事前に見積もって費用として計上することで、実際の貸倒が発生したときの影響を平準化し、財務諸表の信頼性を高めます。

繰入額の仕組みと仕訳の基本

繰入額は、期末時点での売掛金残高や回収リスクの見込み、過去の実績などをもとに算定します。繰入額が決まると、以下のような仕訳を行います。借方に費用科目の「貸倒引当金繰入額」、貸方に「貸倒引当金」を記録します。これにより費用として計上され、貸倒引当金という勘定科目が増え、資産の控除（貸倒引当金控除後の売掛金残高）を反映します。

科目	意味と役割	代表的な仕訳の方向
貸倒引当金繰入額	将来の貸倒見積額を費用として計上する科目	借方: 貸倒引当金繰入額 / 貸方: 貸倒引当金
貸倒引当金	資産の控除のための引当金。回収不能に備えるための準備金	貸方に増加（繰入額が対象）

実務での具体的な例

例1: 期末時点で売掛金残高が1000、回収不能と見積もる額を60とする場合、繰入額は60になります。仕訳は次のとおりです。

借方貸倒引当金繰入額 60 / 貸方貸倒引当金 60

例2: 期首にすでに引当金が30あり、期末の新たな見積もりが90になった場合、繰入額の増加分は60です。仕訳は次のとおり。

借方貸倒引当金繰入額 60 / 貸方貸倒引当金 60

例3: 実際に貸倒が発生した場合は、引当金を用いて処理します。売掛金100のうち30が回収不能と判明した場合の仕訳は以下のとおりです。

借方貸倒引当金 30 / 貸方売掛金 30

この処理により、実際の損失は貸倒引当金繰入額として既に見込まれ、売掛金は減額されます。

実務上のポイント

・繰入額は過去の経験値や、回収リスク、売掛金の性質をもとに設定します。過大な繰入は利益を過小評価し、過少な繰入は財務の健全性を過大評価します。

・実際の貸倒が発生した際には、適切に引当金を使い、未回収分を正しく処理します。これにより財務諸表の信頼性が維持されます。

結論

貸倒引当金繰入額は、企業が将来の貸倒リスクを見越して費用化する重要な会計手続きです。適切な繰入額を設定し、実際の貸倒時には引当金を適切に充当することで、財務状態を現実に近い形で示すことができます。初心者の方は、まず「繰入額が何のための費用か」「仕訳の基本は借方費用・貸方引当金」という点を押さえましょう。

貸倒引当金繰入額の同意語

貸倒引当金繰入費用: 当期に計上される、貸倒引当金を繰り入れることによって生じる費用の金額。
貸倒引当金の繰入高: 貸倒引当金を増額する会計処理で計上される金額の呼称。繰入の量を示す表現のひとつ。
貸倒引当金の繰入額: 貸倒引当金を増加させるために計上する金額。繰入の別表現。
貸倒引当金増加額: 期間中に貸倒引当金が増加した金額を指す表現。
貸倒引当金繰入分: 繰入として計上される金額のうち、当期に該当する分を指す表現。

貸倒引当金繰入額の対義語・反対語

貸倒引当金取り崩し額: 実際の貸倒に対して、予め計上していた貸倒引当金を取り崩して充当した額。繰入額の反対の処理で、資産の引当金を減らす。
貸倒引当金戻入額: 以前に計上した貸倒引当金を戻す（減額する）額。繰入の逆の処理として用いられることがある。
貸倒引当金繰入減額: 予定していた貸倒引当金の繰入額を減らした場合に生じる金額。繰入の減少を表す概念。
純利益増加影響額: 貸倒引当金繰入額が減少・戻入された結果として、純利益が増加することを意味する、対義のイメージを示す概念。

貸倒引当金繰入額の共起語

貸倒引当金: 資産のうち、回収不能が見込まれる部分を見積って控除するための引当金。売掛金・受取手形などの回収リスクを反映します。
貸倒引当金繰入: 当期の損益計算書に計上される費用。貸倒引当金を新たに繰り入れる処理です。
貸倒引当金戻入: 過去に計上した貸倒引当金を減額・戻入する処理。実際の回収見込みが改善した際に発生します。
貸倒見積額: 将来発生すると見込む貸倒の金額。引当金の算定根拠となる見積りです。
売掛金: 商品・サービスの未回収の債権。貸倒引当金の主な対象です。
受取手形: 手形の未回収債権。回収不能リスクの対象になることがあります。
未収金: 現金化されていない債権。貸倒引当金の対象となる場合があります。
回収不能債権: 回収不能と判断された債権。実際に貸倒として処理されます。
貸倒損失: 回収不能となった債権の損失額。実際の費用として計上されます。
引当金: 将来の損失・費用の発生を見積って事前に計上する準備金全般。貸倒引当金もその一種です。
見積り変動: 回収見込みの見直しにより引当金の額が増減すること。
繰入基準: 貸倒引当金を繰り入れる際の方針・基準。合理的な見積りが求められます。
税効果会計: 引当金の繰入・戻入が法人税等の計算に与える影響を会計上どう扱うか。
税務上の取り扱い: 法人税等の計算における貸倒引当金の扱い。税法上の規定に従います。
企業会計原則: 日本の会計基準の基本原則。貸倒引当金の認識・測定の土台になります。
注記開示: 貸倒引当金の方針・算定根拠・期末残高などを注記として開示します。

貸倒引当金繰入額の関連用語

貸倒引当金: 売掛金などの債権のうち、将来回収不能になる可能性を見越して予め費用として計上する引当金。貸借対照表では資産の控除科目として表示され、売掛金の実現可能額を示します。
貸倒引当金繰入額: 当期に新たに貸倒引当金を増やすために費用として計上する金額。損益計算書に表示され、貸倒引当金へ繰入れます。
費用区分（販管費など）: 貸倒引当金繰入額は通常、販管費（販売費及び一般管理費）などの費用区分で表示されます。
貸倒引当金の減額: 回収見込みの改善などにより、既に計上した引当金を減らす処理。適用状況によっては戻入益として処理されることがあります。
貸倒見積額: 回収不能と見積もる金額の総額。引当金の算定根拠となる数値です。
回収不能額: 実際に回収できないと判断され、売掛金などを減額して費用化する金額。
売掛金: 顧客に対する未回収の売上債権。貸倒引当金の主な対象です。
受取手形: 将来回収を約束した手形。回収不能リスクの対象になることがあります。
未収金: 商品・サービスの提供後、まだ回収を待っている金銭債権の総称。
貸倒損失: 実際に回収不能となった債権を費用化する損失。引当金とは別に計上することがあります。
個別評価法: 個々の債権ごとに回収可能性を評価して貸倒引当金を設定する方法。
総括法（総括的評価法）: 債権全体の集合として回収不能を見積り、一定率等で引当金を設定する方法。
個別債権と総括の併用: 実務では、個別評価と総括法を組み合わせて算定するケースがあります。
期首貸倒引当金残高: 会計期間開始時点での引当金の残高。
期末貸倒引当金残高: 会計期間末時点での引当金の残高。財務諸表に反映されます。
回収リスク評価: 債権の回収可能性を判断するための評価基準。引当金設定の根拠になります。
売掛金回収管理: 日々の回収状況を管理し、回収不能リスクを把握する活動。
実務上の仕訳の例: 貸倒引当金繰入額を計上する際の仕訳、回収不能額を計上する際の仕訳、減額時の仕訳などの実務例。
税務上の取り扱い: 貸倒引当金は税制上、一定の要件のもとで損金算入・益金算入の対象となる場合があります。
直接法と引当法の違い: 直接法は回収不能をその都度費用化するのに対して、引当法は将来の回収不能リスクを見越して引当金を積み立てます。