包括利益計算書とは？初心者でもわかる基礎と読み方ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

包括利益計算書とは？

包括利益計算書は、一定期間における企業の利益を「当期純利益」と「その他の包括利益（OCI）」という二つの部分に分けて、包括利益として一つの報告にまとめた財務報告書です。ここでいう包括利益は、株主資本に影響を与える全ての利益を表します。損益計算書だけでは企業のすべての利益の動きを捉えきれない場合があり、包括利益計算書はその欠落を補う役割を果たします。

包括利益計算書の構成

基本的な構成は以下の三つの要素で成り立っています。

項目	説明
当期純利益	通常の事業活動の結果として企業が得た利益です。
その他の包括利益（OCI）	為替差額、金融商品評価差額、年金制度の再評価など、株主資本に影響する項目を含みます。
包括利益	当期純利益＋その他の包括利益で構成され、期間の総合的な変動を示します。

包括利益計算書の読み方とポイント

ポイントは大きく三つです。1. 当期純利益の額だけでなく、OCIの内訳を確認すること。 2. 包括利益と株主資本の関係を読み解くこと。3. 比較期間での変動を追うこと。OCIには市場の影響が反映されやすい項目もあるため、短期の動きだけで判断せず、長期的な傾向を見ることが大切です。

実務での作成の流れは、まず各項目の金額を正確に集計し、次にOCIの内訳を整理して公開します。企業ごとに表示形式が若干異なる場合がありますが、基本的な考え方は同じです。

この報告書を読めると、企業の「実際の利益の動き」をより正しく把握でき、投資判断や企業分析にも役立ちます。初心者の方は、最初は損益計算書との違いを意識して読み進めると理解が進みやすいでしょう。

また、包括利益計算書はIFRSや日本の会計基準で項目名や表示が異なることがありますが、基本の考え方は同じです。OCIの項目は時価評価や為替の影響を受けることが多く、景気の影響を受けやすい特徴があります。

中学生にも分かるように要点だけをまとめると、「当期純利益」と「その他の包括利益」を足して「包括利益」を出す、という流れです。いろいろな数値の意味を理解するには、まずOCIにどんな項目があるかを知ることが第一歩です。

包括利益計算書の同意語

包括利益計算書: 英語の 'Statement of Comprehensive Income' に対応する、日本の会計・開示で用いられる財務諸表の一つ。期間中の純利益に加え、その他包括利益を含む総合的な利益を開示します。
総合利益計算書: 包括利益を開示する財務諸表の別称。『総合利益』は 'comprehensive income' の訳語で、同じ内容を表します（地域や業界で用語が分かれることがあります）。
包括利益表: 表形式の報告を指す略称的表現。正式な名称の代わりに短く ‘〜表’ として用いられることがあります。
総合利益表: 総合利益を表す表の別称。公表資料や教科書に見られる表現です。
包括利益の計算書: 包括利益を計算して公表する財務報告の直訳的表現。実務上も意味は同じです。
包括利益開示表: 包括利益の項目を開示する目的で作成される表。公表資料や注記で使われることがあります。
総合利益開示表: 総合利益を開示する目的の表。開示資料などで用いられる表現です。
総合利益報告書: 総合利益の内容を報告する文書・表現。正式名称ではないが、実務で見かけることがあります。

包括利益計算書の対義語・反対語

損益計算書: 期間の収益と費用を集計し、当期の純利益を示す伝統的な財務報告書。包括利益計算書が含むその他の包括利益（OCI）を含まず、OCIは別途開示されることが多いです。
単体財務諸表の損益計算書: 企業の単体財務諸表における損益計算書で、包括利益は通常別に開示され、OCIを含まない形で利益・費用を示します。
当期純利益のみを示す計算書: 当期純利益だけを取り出して強調するイメージの計算書。実務上は損益計算書と同等の意味で使われることがあります（OCIは含まれません）。
現金ベース損益計算書: 現金の入出金ベースで収益と費用を計上する計算書。OCIは影響せず、 OCIは含まれません。
キャッシュフロー計算書: 一定期間の現金の流入と流出を示す別個の財務諸表。包括利益計算書とは異なり、現金の動きを中心に報告します。

包括利益計算書の共起語

総包括利益: 当期純利益にその他の包括利益を足し合わせた、期間の総合的な利益のこと。企業の経済的成果を一括して示す指標です。
包括利益: 一定期間のすべての利益を表す概念。純利益に加えてその他の包括利益を合計したものを指します。
その他の包括利益: 純利益には含まれないがOCIとして報告される利益・損失の総称。為替換算差額や公正価値の評価差額などが含まれます。
当期純利益: 課税後の期間純利益。最終的に株主に帰属する利益の額です。
為替換算差額: 外国通貨の換算によって生じる利益または損失。OCI項目として計上されることがあります。
公正価値評価差額: 資産や負債の公正価値の変動によって生じる評価差額。OCIの一部として報告されることがあります。
金融商品評価差額: 金融資産・負債の公正価値評価差額のうちOCIに含まれることがある項目のことです。
未実現利益: まだ現金化されていない評価益・評価損。OCIに含まれる場合があります。
連結財務諸表: 企業グループ全体の財務状態を示す財務諸表。親会社と子会社を合算して作成します。
連結包括利益計算書: グループ全体の包括利益を報告する連結財務諸表の一部です。
単体財務諸表: 個別企業（単体）の財務諸表のこと。グループ全体とは別に作成されます。
OCI項目: その他の包括利益として計上される具体的な項目の総称です。
税効果: OCI項目などの利益にかかる税金の影響を示します。
開示項目: 包括利益計算書やOCIの項目に関する開示・説明事項を指します。
企業会計基準: 日本の会計基準の総称で、財務諸表の作成基準となる規範です。
日本基準: 日本の会計基準（J-GAAP）を指す略称です。
IFRS（国際財務報告基準）: 国際的に適用される会計基準。日本企業でも一部採用・適用される場合があります。
財務諸表等規則: 財務諸表の表示・開示に関する規則・ガイドラインの総称です。

包括利益計算書の関連用語

包括利益計算書: 期間中の純利益とその他の包括利益をひとつの報告としてまとめて開示する財務諸表。連結・単体の区分があることが多く、包括的な利益状況を把握できます。
包括利益: 期間に生じた純利益に、その他の包括利益を加えた、企業全体の“実質的な利益”の総称です。
その他の包括利益: 純利益以外に発生する利益・損失のことで、為替換算差額や評価・換算差額、ヘッジ会計の有効部分などが含まれます。
OCI項目: 包括利益を構成する個々の項目の総称。具体的には為替換算差額、再評価差額、評価差額などが該当します。
為替換算調整勘定: 海外子会社の財務諸表を自社の通貨に換算する際に生じる差額を計上する勘定科目で、OCIとして表示されることが多いです。
再評価差額: 固定資産の再評価によって生じる差額。IFRSなどではOCIの一部として表示されることがあります。
評価差額: 公正価値や再評価などによって生じる、純利益には含まれずOCIに含まれることがある差額の総称です。
純利益: 期間中の総収益から費用・税金を差し引いた、事業活動の最終的な利益を指します。
当期純利益: その会計期間の最終的な純利益。損益計算書の最下部に表示される主要指標です。
連結財務諸表: 親会社と子会社など、企業グループ全体を一体として報告する財務諸表です。
単体財務諸表: 企業単体の財務状況を報告する財務諸表です。
株主資本等変動計算書: 株主資本の部の期中の変動を示す計算書で、包括利益の影響を反映します。
その他の包括利益累計額: 過去の期間に計上されたその他の包括利益の累計額。株主資本の部で表示されることが多いです。
IFRS: 国際財務報告基準。包括利益の表示方法を含め、世界的に用いられる会計基準です。
日本基準: 日本の会計基準（GAAP）および企業会計基準。IFRSとは異なる点も多く、包括利益の表示方法にも差があります。