胚嚢・とは？初心者にもわかるやさしい解説ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

胚嚢・とは？

胚嚢(はいのう)は植物の花の中にある重要な部分です。花の受粉が進むと、胚嚢は卵細胞と周りの細胞を包む袋状の構造になり、受精を可能にする仕組みを提供します。ここでは中学生にも分かるように、胚嚢の基本と役割、発生のしくみを見ていきます。

胚嚢はどこにあるの？

胚嚢は花の生殖器官である「心皮」や「子房」の内部にある「子房内の胚珠（のう）」の中に位置します。受粉後、胚嚢が成熟すると、受精と種子発生が進みます。

胚嚢の役割

卵細胞は受精の元となる細胞です。 協同細胞は花粉管の指示を受ける経路を作る補助をします。反足細胞は胚嚢の発達を支え、中央細胞には二つの極核があります。二つの極核は受精後に栄養の蓄積を担当する「胎座（胚珠内の胎児の栄養を作る部分）」の種子の栄養組織を作る元となります。

発生のしくみ

胚嚢は「有胚珠発生（megasporogenesis）」という過程を経て形成されます。最初に大きな細胞（始原生殖細胞）から一つの大きな孢子細胞が作られ、次に分裂して「胚嚢」と呼ばれる多細胞の組織になります。成熟した胚嚢は8つの核を持つことが多く、7つの細胞に分かれています。これが卵細胞、協同細胞、反足細胞、中央細胞の元となります。

胚嚢の構造を表で見る

胚嚢の部位	説明
卵細胞	受精して新しい個体の胚の元になる細胞。
協同細胞	花粉管の先導役を果たす細胞。受粉時の案内役。
反足細胞	栄養供給や胚嚢の発達を助ける補助細胞。
極核	中央細胞内の2つの核で、後の栄養組織を作る。
中央細胞	2つの極核とともに種子の栄養組織を作る元になる。

胚嚢と受精の流れ

受粉後、花粉管が胚嚢まで進み、卵細胞と合体します。もう一つの精細胞は中央細胞と結合して胚乳という栄養組織を作り、同時に胚と栄養組織が形成される「二重受精（ダブルファーテリゼーション）」の仕組みが働きます。

なぜ胚嚢は大切？

胚嚢がなければ受精は起こりません。花から種子ができ、植物が次の世代へと命をつなぐためにはこの胚嚢の働きが不可欠です。学校の実験や観察でも、胚嚢は顕微鏡で観察されることが多く、花の中の小さな世界を学ぶ入り口になります。

注意点とよくある質問

・胚嚢は植物の花の中にある。人間の体にはありません。

・胚嚢の理解は、遺伝・繁殖・生態の基礎となる知識です。

この知識を使うと、花の受粉現象や種子の作られ方をより理解でき、授業や自然観察に役立つ基礎知識を提供します。

胚嚢の同意語

胚嚢: 花の胚珠の中にある、卵細胞を含んだ袋状の雌性配偶体。受精後の胚発生を進める役割を果たします。
胚囊: 胚嚢の別表記。意味は同じく、胚珠内の卵細胞を含む袋状の雌性配偶体のこと。
雌配偶体: 胚嚢と同義で、Megagametophyte（雌性配偶体）としての胚嚢に相当する組織。卵細胞を含み、受精や胚発生の前提となる。

胚嚢の対義語・反対語

雄配偶体（雄性配偶体）: 植物の雄性の配偶体。胚嚢（雌性配偶体）の対になる生殖世代で、花粉粒を形成し、精子をつくる役割を担う。
花粉粒: 花粉を構成する粒状の男性生殖体。胚嚢の対となる雄性生殖系の形態で、花粉管を通じて卵細胞へ精子を届け受精を行う。
精細胞: 花粉粒内の雄性生殖細胞。卵細胞と受精して受精卵を作る、雄性配偶体の生殖細胞。
卵細胞: 胚嚢内にある雌性の配偶子。受精後に胚を形成する母細胞となる。
受精卵: 受精後に形成される最初の細胞。胚の発生の起点となる。

胚嚢の共起語

胚珠: 胚嚢が発達する雌性配偶体を含む構造。胚珠は被子植物の種子形成の前提となる重要な部位です。
雌性配偶体: 胚嚢を構成する雌性の配偶体。卵細胞・中央細胞・協同細胞などを含み、受精と胚乳の形成を担います。
卵細胞: 胚嚢内の、受精して胚を作る細胞。受精後に胚の起点となります。
中央細胞: 胚嚢内の大きな細胞で、二つの極核を含み、二重受精で胚乳を作る元になります。
極核: 中央細胞内にある二つの核。花粉管が到達した後、もう一方の精子と合体して胚乳の原料となります。
協同細胞: 卵細胞の周囲にある補助的な細胞で、花粉管の誘導や受精の補助を行います。
花粉管: 花粉が胚嚢へ到達する細長い管。精子を胚嚢内へ運ぶ役割を果たします。
二重受精: 一つの精子が卵細胞と受精して胚を作り、もう一つの精子が極核と受精して胚乳を作る、被子植物特有の現象です。
胚乳: 二重受精によって中央細胞が受精後に形成する栄養組織。発芽までの栄養を供給します。
胚: 受精後に形成される新しい個体の初期段階。成長して胚軸や器官へと発展します。
被子植物: 胚嚢が花の雌性配偶体として機能する植物群。被子植物ならではの二重受精が特徴です。
子房: 花の一部で、胚珠はこの中に位置します。受精後は種子を包む役割を果たします。
種子発生: 受精後、胚と胚乳を含む種子が形成され、次世代へと伝わる生殖単位になります。
受精過程: 花粉の到達、卵細胞の受精、二重受精など、胚嚢を含む受精の一連の過程を指します。

胚嚢の関連用語

胚嚢: 花の胚珠の中にある女性配偶体。受精後は胚と胚乳が発生する部位で、通常は8つの核と7つの細胞から成る構造で、卵細胞・協同細胞・反足細胞・中央細胞などの細胞が含まれる。
胚珠: 胚嚢を包む外部の組織で、受精の対象となる卵細胞を含む。受精後は胚と胚乳の発生源となる。
子房: 花の雌しべの一部で、胚珠を包み込む。受精後は果実へと発達する器官。
卵細胞: 胚嚢内の女性配偶体の一つ。受精によって胚が形成される。
協同細胞: 胚嚢内の2つの細胞。花粉管が到達して卵細胞の受精を補助・関与する。
反足細胞: 胚嚢内にある3つの細胞。発生過程での役割は限定的で、胚嚢の成熟後は機能が低下することが多い。
中央細胞: 胚嚢の中心部にある細胞。2つの極核を含み、受精時に精子と結合して胚乳を形成する。
極核: 中央細胞内の2つの核。受精後、胚乳形成に関与する核となる。
二重受精: 花粉由来の2つの精子がそれぞれ卵細胞と中央細胞を受精させ、胚と胚乳を同時に作る発生現象。
胚乳: 受精後に中央細胞と精子の組み合わせで形成される栄養組織。種子の発芽時に供給源となる。
胚: 受精卵が分裂して形成される初期の多細胞体。将来の個体の基盤となる。
花粉管: 花粉が雌しべへと伸びて胚珠に到達し、精子を運ぶ細長い管状の構造。
花粉: 雄性配偶子を含む粒子。風媒・虫媒などで花から花へ運ばれる。
外被組織: 胚珠を外側から包む組織。受精後には種子の外側を形成する種皮の源となる。
種子形成: 受精後、胚と胚乳・外被組織が成長・成熟して種子ができる過程。