退職給付引当金とは？初心者でも分かる基本ガイド共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

退職給付引当金とは？

「退職給付引当金」は、企業が将来の従業員の退職時に支払うお金を、今の時点で準備しておくための会計上の仕組みです。

この引当金を作る主な目的は、会社の財政状態を実際の負担に近づけて表示することです。そうすることで、利益が過大に見えたり、資金繰りが突然悪化したりするのを防ぎます。

ポイントは以下のとおりです。

1) 退職給付の種類：企業は「確定給付型」や「確定拠出型」など、退職給付の制度に応じて支払いの形が変わります。引当金は、確定給付型の支払いに備えることが多いです。

2) 計算の仕組み：引当金は将来の給付額を見積もり、現在価値に換算して積み立てます。見積りには給与の伸び、退職年齢、死亡率、退職率などの前提が使われます。

3) 表示と影響：財務諸表の貸借対照表に「退職給付引当金」として負債の部に計上されることが多く、当期の利益にも影響します。

なぜ引当金を使うのか

将来のコストを現在の期間に分散させて表示するためです。これにより、会社の実力が分かりやすくなり、従業員への約束を守る信頼性が高まります。

実務での扱い

公認会計士や経理担当者は、毎年の退職給付の見積りを更新します。実際の退職金の支払いが発生する時点で、引当金を取り崩したり、過不足を調整したりします。

以下は、引当金のイメージと計算を簡略化した表です。

項目	説明
初期積み立て額	将来の給付に備えて現在の時点で計算した金額
適用前の負債	現時点で見積もられている総額
現在価値に割り引く	将来の支払を現在価値に換算する割引計算
毎期の見直し	前提の変更に応じて引当金の額を更新

整理すると、退職給付引当金は「未来の給付を現時点で備えるための会計上の準備金」です。難しく聞こえるかもしれませんが、要は“いつ、どのくらいお金を用意するか”をきちんと決めておく仕組みだと考えればよいでしょう。

実務の例 ある企業では、年度末に100百万円の退職給付引当金を計上します。この金額は“現在価値ベース”で算出され、将来の給付額が変わると減額/加算されます。

注意点 IFRSと日本基準で計算方法や表示の違いが生まれることがあります。経理担当者は最新の基準を確認し、四半期ごとや年度ごとに見直しを行います。

退職給付引当金の同意語

退職給付債務: 従業員が退職後にもらえる給付を企業が将来支払うべき負債のこと。現時点での見積額として計上され、退職給付引当金などと合わせて処理します。
確定給付債務: 確定給付型の退職給付に関する負債で、受給額が企業の約束として決まっている場合に生じます。将来支払額の現在価値として計上されます。
将来給付債務: 将来従業員に支払う給付の総額を現在価値に換算して表した負債。退職給付制度の将来支出を示す指標です。
退職給付引当金: 退職給付の支払いに備える目的で設定される引当金。将来の支払いに充てる資金として企業の負債の一部になります。
退職給付金引当金: 退職給付を支払うための引当金の別表現。従業員の退職時に支払う給付を賄う資金の準備を意味します。
退職給付準備金: 退職給付に備えて積み立てる準備金のこと。企業が将来の給付支払いリスクに備える役割を果たします。
年金引当金: 年金制度の給付に備える引当金。退職給付の一部として扱われることがあり、将来の給付支払いに充てる資金を確保します。

退職給付引当金の対義語・反対語

資産: 退職給付引当金は負債の一部。対義語としての資産は、現金・預金・売掛金・設備など、企業が所有する価値ある資産全体を指します。
純資産（自己資本）: 負債を控除した後に企業に残る資本。退職給付引当金は負債の部に入るが、純資産は株主資本や繰越利益などの総額です。
現金・預金: 資産の具体例。退職給付引当金を計上することで将来の支払い義務に備えますが、現金は即座に使える資産です。
利益: 企業の純利益は収益から費用を引いた後の金額。引当金の繰入は費用として利益を減らしますが、利益はその逆の結果です。
退職給付債務の消滅: 退職給付債務がなくなること。引当金は将来の支払いに備える負債ですが、消滅はその負債がなくなる状態を意味します。
退職給付引当金の戻入: 引当金を取り崩して戻すこと。負債が減少し、場合によっては当期の利益が回復・増加します。
資本剰余金: 株主資本の一部で、資本蓄積を示す項目です。退職給付引当金は負債であり、資本剰余金は資本として対照的な位置づけです。

退職給付引当金の共起語

退職給付費用: 当期の損益計算書に計上される退職給付に関する費用。退職給付引当金の増加分や過去勤務費用を含むことが多い。
退職給付債務: 従業員への退職給付の支払い義務を表す負債。将来の支払いに備える金額を指す。
年金資産: 年金制度の資産部分。退職給付の支払いを賄うために運用される資産。
年金制度: 従業員の退職給付を給付する仕組み全般。確定給付年金や確定拠出年金などを含む。
アクチュアリー: 退職給付の見積りや現在価値計算を行う専門家。割引率や将来給付の前提を設定する。
過去勤務費用: 退職給付制度の変更などに伴い生じる、過去の勤務条件分の給付の費用。通常は当期費用として認識。
退職給付引当金繰入額: 退職給付引当金を増額する際に認識する費用。損益計算書へ反映される。
退職金引当金: 退職金を支払うために積み立てる引当金。退職給付引当金と同義に使われることもある。
退職給話引当金戻入額: 過去に計上した引当金を減額する際の金額。費用の減少として計上されることがある。
給付水準: 従業員が受け取る退職給付の金額水準。制度設計や変更で決まる基準値。
割引率: 退職給付の現在価値を算出する際の利率。前提として重要。
数理計算/アクチュアリー計算: 退職給付の現在価値・費用を算出する計算手法。数理的根拠に基づく。
貸借対照表: 財務状態を示す基本財務諸表。退職給付引当金は通常負債として計上される。
財務諸表注記: 退職給付の前提条件・計算方法・金額などを開示する注記。透明性を確保する情報。
退職金制度: 従業員の退職時に支払われる給付を提供する制度全般。
退職給付会計基準: 退職給付に関する会計処理の基準。日本の企業会計基準やIFRSの適用範囲で用いられる用語。
確定給付年金: 給付額が事前に決まっている年金制度。給与の一定部分を基に給付が定まるタイプ。
確定拠出年金: 拠出金額が確定している年金制度。給付額は運用結果次第で決まる。

退職給付引当金の関連用語

退職給付引当金: 退職給付に備えて決算時に計上する負債の金額。将来の給付に対する現在の責務を表し、退職給付費用の一部として年度の費用に組み込まれることが多い。
退職給付債務: 確定給付型の退職給付を企業が現在負う義務の、将来給付の現在価値を意味する数値。年金資産と相殺した後の純額として表示されることが一般的。
退職給付費用: 当期の決算で計上する退職給付に関する総費用。サービス費用・利息費用・過去勤務給付差額などを含む。
サービス費用（Current service cost）: 当期に新規に発生・拡大した退職給付の費用。従業員の勤務期間に応じた給付の増加分。
利息費用（Interest cost）: 退職給付債務の割引現在価値に対する利息部分。負債が膨らむ要因。
過去勤務給付差額（Past service cost）: 既に確定している雇用条件を変更したことによって生じる退職給付費用の増減。
アクチュアリアル差異（Actuarial gains and losses）: 仮定の変更や実際の経験差により生じる退職給付の差額。通常は別途取り扱われることがある。
再測定差額（Remeasurements）: アクチュアリアル差異のうち、認識方法に従って別枠で表示される項目。多くはその他の包括利益に計上されることが多い。
年金資産（Pension plan assets）: 退職給付の支払いの原資となる積立金・投資資産の総称。
年金資産の公正価値（Fair value of pension plan assets）: 年金資産を市場価格で評価した価値。退職給付債務の測定に用いられる重要指標。
確定給付年金（Defined Benefit Pension）: 給付額が企業の約束として決まっている年金制度。給付額は将来の勤務期間・給与・仮定に左右される。
確定拠出年金（Defined Contribution Pension）: 拠出額が定まっており、将来の給付額は運用成績に左右される年金制度。企業の責務は拠出金の支出のみ。
退職給付制度（Retirement Benefit System）: 企業が従業員に提供する退職後の給付を設計・運用する枠組み全体。
アクチュアリアル仮定（Actuarial assumptions）: 割引率・死亡率・退職率・給付金の成長率など、退職給付の額を算定する前提条件。
割引率（Discount rate）: 将来給付を現在価値に割り引く際に用いる金利。高いほど現在価値は低くなる。
開示事項・注記（Notes disclosures）: 退職給付の構成要素・前提条件・影響額など、財務諸表の注記として開示する事項。
ASBJの退職給付会計基準（日本の会計基準）: 退職給付に関する会計処理の基準。日本企業はこの基準に沿って処理と開示を行う。
IFRSとの比較（IFRS vs J-GAAP）: 退職給付の測定・認識・開示におけるIFRS（IAS19）と日本基準の違い。
税務上の取り扱い（Tax effects）: 退職給付費用の税務上の取扱い・税額控除への影響など、税務との関係。