ヘプシジンとは？鉄のバランスを保つ体内ホルモンをやさしく解説共起語・同意語・対義語も併せて解説！

この記事を書いた人

高岡智則

年齢：33歳性別：男性職業：Webディレクター（兼ライティング・SNS運用担当）居住地：東京都杉並区・永福町の1LDKマンション出身地：神奈川県川崎市身長：176cm 体系：細身〜普通（最近ちょっとお腹が気になる）血液型：A型誕生日：1992年11月20日最終学歴：明治大学・情報コミュニケーション学部卒通勤：京王井の頭線で渋谷まで（通勤20分）家族構成：一人暮らし、実家には両親と2歳下の妹恋愛事情：独身。彼女は2年いない（本人は「忙しいだけ」と言い張る）

ヘプシジンとは

ヘプシジンは、体内の鉄の量をコントロールする「体内ホルモン」程度の役割を果たす小さなタンパク質です。肝臓で作られ血液に放出され、全身の細胞に鉄の受け渡しを指示します。現代の医療では「鉄の出入り口を管理する鍵」として説明されることが多いです。

どうやって作られるの？

ヘプシジンは遺伝子HAMPの指示で肝臓の細胞内で作られます。プレプロヘプシジンという長い前駆体が作られ、加工されて「ヘプシジン-25」という活性形になります。これが血液中へ放出され、鉄の動きをコントロールします。

鉄の吸収と放出の仕組み

腸の細胞には「ferroportin」という鉄を体の外へ出す扉があります。ヘプシジンはこの扉に結合して扉を閉じさせ、鉄の吸収と放出を抑えます。結果として、腸での鉄の吸収が減り、体の中の鉄の放出も減少します。これにより、血液中の鉄が少なくなり、赤血球が鉄を十分に作れなくなることがあります。

調整のきっかけ

体内の鉄の量や炎症、酸素の不足などがヘプシジンの量を変えます。鉄が多いとヘプシジンが増え、鉄の取り込みを止めて体内の鉄を減らします。炎症があると、炎症性の物質がヘプシジンを増やすことがあり、これが炎症性貧血と呼ばれる状態につながることがあります。

臨床での使われ方

血液検査でヘプシジンの量を測ることがありますが、現在は検査が限られていることもあり、他の鉄関連の指標と組み合わせて判断します。医師はヘプシジンの情報を、鉄欠乏性貧血か炎症性貧血かを見分ける手掛かりとして使います。

まとめと身近なポイント

ヘプシジンは、私たちの体が「鉄をどう使うか」を日々決める重要な信号です。健康な生活のためには、過度な鉄の摂取や炎症を避け、必要なときには医師の指示に従うことが大切です。

項目	説明
生産部位	肝臓
主な機能	鉄の吸収と放出の調整
調節因子	鉄の量、炎症、酸素不足
関連病状	炎症性貧血、鉄過剰症など

用語のまとめ

・ヘプシジンは肝臓で作られる。・ferroportinという扉を閉じることで鉄の動きを止める。・炎症があると増えやすい。・鉄が不足すると減少する。

ヘプシジンの同意語

ヘプシジン: 肝臓で産生される鉄代謝を調整するペプチドホルモン。血清鉄の濃度を下げ、鉄の吸収と貯蔵を統合的に制御します。
ヘプシジン抗菌ペプチド: 感染防御に関与する抗菌ペプチドとしての機能を指す別称。抗菌作用を持つことがあるとされます。
Hepcidin antimicrobial peptide: ヘプシジンと同一分子を指す英語名。同様に抗菌ペプチドとしての機能を強調します。
ヘプシジン-25: 成熟体ヘプシジンの代表的なサイズ表記。主に鉄調整作用に関与する活性形として使われます。
HAMP遺伝子産物ヘプシジン: HAMP遺伝子がコードするヘプシジン蛋白質で、肝臓で作られ鉄代謝を制御します。
肝臓由来ペプチドホルモンヘプシジン: 肝臓由来のペプチド性ホルモンとして、鉄の吸収・貯蔵を調整します。
鉄代謝ホルモンヘプシジン: 体内の鉄バランスを制御するホルモンとしてのヘプシジンの別称。

ヘプシジンの対義語・反対語

ヘプシジン低下: 意味: 肝臓から分泌されるヘプシジンの量が減る状態。これにより鉄の吸収と鉄の放出が促進され、血中鉄が増えやすくなる。
ヘプシジン抑制: 意味: ヘプシジンの産生を抑える作用・因子。結果として鉄の吸収・放出が促進され、体内の鉄が利用されやすくなる。
フェロポートイン活性化: 意味: 鉄の輸出を担う膜タンパクフェロポートインの活性が高まる状態。鉄が細胞外へ放出されやすくなり、血中鉄が増えやすくなる。
鉄放出促進: 意味: 貯蔵鉄や細胞内鉄を血中へ放出する作用を促進する状態。鉄の利用が高まり、体内鉄の可用性が増す。
鉄吸収促進: 意味: 小腸上皮での鉄の吸収を促進する状態。体内鉄の取り込みが増える。
高ヘプシジン状態: 意味: 体内のヘプシジンが過剰に存在する状態。鉄の吸収と放出が抑制され、血清鉄が低下する傾向がある。

ヘプシジンの共起語

鉄代謝: 鉄が体内で適切に取り込まれ、使われ、貯蔵・排出される一連の生理プロセスのこと。ヘプシジンはこの鉄の流れを調整し、必要に応じて鉄を体外へ出しにくくします。
肝臓: ヘプシジンは主に肝臓の肝細胞で作られるホルモン。体内の鉄量を見て分泌量を決めます。
フェロポリン: 細胞膜にある鉄の輸出ポンプ。ヘプシジンが結合して分解させ、鉄が細胞外へ出るのを止めます。
血清鉄: 血液中に存在する鉄の量。ヘプシジンが多いと血清鉄は下がりやすくなります。
貧血: 赤血球が酸素を運ぶ力が低下した状態。慢性炎症でヘプシジンが高いと貧血が起きやすくなることがあります。
炎症: 感染や組織障害などに対する体の防御反応。炎症があるとヘプシジンが増え、鉄の動きが変わります。
IL-6: 炎症時に放出される代表的なサイトカイン。ヘプシジンの産生を促す役割があります。
サイトカイン: 体内の細胞間の信号伝達を担う分子の総称。炎症を伝えるものが多いです。
HAMP遺伝子: ヘプシジンを作る“設計図”ともいえる遺伝子名。HAMPの発現量がヘプシジンの量に直結します。
慢性疾患性貧血: 慢性的な病気・炎症に伴い起こる貧血の一種。ヘプシジンの上昇が関与することがあります。
鉄過剰: 体内に鉄が過剰に蓄積する状態。ヘプシジンの適切な分泌で過剰蓄積を抑える役割があるとされています。
鉄欠乏: 体内の鉄が不足する状態。低ヘプシジン状態だと鉄の吸収・放出が促進されます。
フェリチン: 体内の鉄を貯蔵するタンパク質。フェリチン値とヘプシジンの関係を通じて鉄の動きが読み取られます。
トランスフェリン飽和度: 血液中の鉄を運ぶトランスフェリンの鉄結合部位の飽和度。鉄の状態を示す指標です。
鉄輸出抑制: ヘプシジンの直接的な機能。フェロポリンを抑え、鉄を細胞外へ出さないようにします。
肝疾患: 肝臓の病気。肝機能の変化はヘプシジンの産生量にも影響を及ぼすことがあります。
免疫応答: 病原体に対抗する体の反応。ヘプシジンは免疫・感染応答の一部として調整されることがあります。

ヘプシジンの関連用語

ヘプシジン: 肝臓で産生される小さなペプチドホルモンで、体内の鉄の量を調節します。血中鉄を増やしすぎないよう、鉄の輸出を抑制するタンパク質「フェロポーティン」を細胞表面から取り込み・分解させ、腸管からの鉄の吸収とマクロファージからの鉄放出を抑制します。
フェロポーティン (SLC40A1): 鉄の主な輸出タンパク。腸管上皮細胞やマクロファージから血流へ鉄を放出する役割を持ち、ヘプシジンによって細胞表面から取り込まれ分解されます。
HAMP遺伝子（ヘプシジン遺伝子）: ヘプシジンをコードする遺伝子。肝臓で発現し、ヘプシジンペプチドを作ります。
HFE: 鉄代謝とヘプシジン発現の制御に関与する遺伝子。変異は遺伝性血色素症の原因となり、鉄の過剰吸収を引き起こします。
ヘモジュベリン(HJV): BMP-SMAD経路を介してヘプシジン発現を促進する補助的役割をもつ分子。鉄量感知と調節に重要です。
BMP6: 腸管・肝臓間の鉄量感知に関与する分子。BMP-SMAD経路を活性化してヘプシジンの発現を誘導します。
BMP-SMAD経路: BMP6などの信号を受けてSMADタンパク質を介してヘプシジン発現を調節する経路。鉄代謝の主要な正の調節系です。
TMPRSS6（マトリプシース6）: 肝臓でのヘプシジン産生を抑制する負の調節因子。失活するとIRIDAの原因になります。
IL-6: 炎症性サイトカインの一つで、炎症時にヘプシジンの発現を上昇させ、鉄の利用を鈍らせます。
JAK-STAT3経路: IL-6などの信号を受け、細胞内でヘプシジン遺伝子発現を促進する主要経路の一つです。
IRIDA（鉄不動性鉄欠乏性貧血）: TMPRSS6の機能異常などにより経口鉄投与が効果を示さず、ヘプシジンが過剰な状態が続く貧血です。
炎症性貧血 / 慢性疾患貧血: 慢性炎症によりヘプシジンが過剰分泌され、体内の鉄利用が妨げられる貧血の総称です。
鉄欠乏性貧血: 鉄不足によって赤血球の造血が低下する貧血。ヘプシジンは通常低下して、腸からの鉄吸収を増やそうとします。
鉄吸収: 小腸上皮細胞から鉄が取り込まれる過程。DMT1などの輸送体を介して行われ、ヘプシジンの影響を受けつつ制御されます。
鉄輸出抑制の機序: ヘプシジンがフェロポーティンを分解して鉄の輸出を抑える仕組み全体を指します。
トランスフェリン: 血中で鉄を運ぶ主要タンパク。鉄結合部位が空になると体内の鉄輸送が調整されます。
血清鉄: 血中に存在する鉄の総量。ヘプシジンの変動や鉄代謝の状態で変化します。
トランスフェリン飽和度（TSAT）: 血清鉄量を総鉄結合トランスフェリンの容量で割った指標。鉄の利用可能性の目安になります。
フェリチン: 体内の鉄を貯蔵するタンパク。血清フェリチンは貯蔵鉄量の指標ですが炎症時には偽高になることがあります。
DMT1（Divalent Metal Transporter 1）: 小腸上皮細胞などで鉄の取り込みに関与する輸送体。鉄の初期取り込みを担います。
遺伝性血色素症 / ヘモクロマトーシス: 鉄の過剰蓄積を特徴とする遺伝性疾患群。しばしばヘプシジンの低下または作用不足と関連します。
ヘプシジン測定: 血中ヘプシジン濃度を測る検査。炎症性貧血の鑑別や鉄代謝の評価に使われることがありますが、臨床現場での普及度は病院により異なります。
炎症性サイトカイン: IL-6などの炎症関連分子。免疫応答を調整し、ヘプシジンの発現を間接的に制御します。
肝臓: ヘプシジンの主な産生場所であり、鉄代謝の中心的な臓器。